第281話
いつもありがとうございます!
一緒にお湯に浸かって先輩は私に色んなことを話してくれた。
「私はここから随分離れた未来から来ました。ある任務を遂行するために派遣された要人みたいなものなんですが私がここに来たのはあくまでより良い世界を作るためで決してここの皆に危害を加えるつもりではないんです。そこだけはちゃんと信じて欲しいです。」
自分は私達を害する人ではなく、むしろ私達の味方ということを予め明かす先輩。
先輩は特に今のここで出会った皆のことが今の自分にとってかけがえのない宝物になったとここに来て本当に良かったと言った。
「ことりちゃんも、セシリアちゃんも、皆私の大切な友達です。だから私はなんとしてもこの時を、この世界を守りたいです。」
触れ合った体から伝わってくる真剣さ。
裸の先輩の直の体温はいつにもまして熱く私の体に触れっ…
って…!
「皆のことが大好きだから私はどんな困難な道になろうとも必ず皆を守って見せます。それこそ私の任務であり未来の悲願なんです。」
っとなんか決め顔になって意気込んでいる先輩だが…!
「はわわわわ…!」
先輩の生乳…!背中にめっちゃ当たってる…!
背中だけでも感じるほど凄まじい重量…!そして一段と突出されたこの感触は…!
「ま…間違いない…!これ…!絶対先輩の乳首だぁ…!」
そ…そういえばこんな風に湯船に一緒に入ったのは初めてだっけ…!
いつもお風呂は一人でやってたしたまに先輩と一緒に入る時だって背中を流してくれるだけだったから…!
「今は少し迷っているんですがうみちゃんだったきっと分かってくれるはず。
いいえ、私が分かってもらえるように頑張りますから。」
っといい話をしている先輩には悪いがさすがにこんな刺激…ろくに耐えられるものではない…!
背中に乗せられたどっしりした胸とその中からコリコリと弾ける生々しい触感…!あのでっかいおっぱいがヌルヌルと絡んできてもう自分が食われているのではないかという錯覚まで呼び起こして…!
こんなの…!絶対何か変なプレイにしか見えねぇよ…!
「い…一緒に頑張りましょう…!先輩…!ことりもやれるもんなら全力を出し切ります…!」
「はい!ありがとう!ことりちゃん!」
そして私はそうやって裸で後ろから抱き抱える先輩を見て改めて天然ってこんなに怖いんだっと思われるようになってしまった。
あまり先輩の話は耳に入らなかったがそれでも先輩の最後のその言葉だけはなぜかはっきり覚えている。
だって
「もう二度とあんな悲しい思いは誰にもさせたくないから。」
そう言った時、先輩はとても悲しそうに見えたから…
私は自分の方からの質問を控えて先輩の話に耳を澄ました。
きっと先輩には私の知らない色んな記憶があってその中にはつらいことや苦しいこともいっぱいあるはずだと思うから。
先輩は自分にはあまり権限がなくて詳細までは話せないと言ったが私は先輩がどんな人なのか知ることができたからそれで十分だと思う。
確かなのは先輩は今こうやって私の傍にいてくれて決して悪い人ではないということ。
それだけで私はまだまだ先輩のことが好きにいられる。
風呂上がりに
「はい♥ことりちゃん♥お風呂上がりの牛乳をどうぞ♥」
「あ、ありがとうございます。やっぱりお風呂の後は牛乳に限りますね。」
「いかがですか♥マミーの搾りたての牛乳は♥」
っと言われた時はさすがに慌ててしまったがそれでも私はこの短い時間で少しだけ先輩のことが前よりもっと分かるようになった。
人知れずの場所でただ皆のためにひたすら頑張っていた先輩のことに尊敬の気持ちを抱くことができて今まで知らなかった先輩だけの話が聞けたので十分充実な時間だったと確信している。
先輩は誰よりも平穏な日常を求めていてそのために自分の努力を惜しまない。
そんな先輩に自分もまた引かれて一緒に頑張りたくなったことは恥ずかしくてさすがに本人には言えないもんだが
「一緒に頑張りましょう。先輩。」
私はただそれだけははっきりと話せたのであった。
「じゃあ、今日はもう少し話しましょうか。私、ことりちゃんとまだまだお話したいですから。」
「私と…ですか?」
会長やうみっこを抜け駆けて私と話し合いたいという先輩の話はなんだか自分をすごい有利な気持ちにさせたが残念ながら先輩の過去に関する話はこれ以上聞くことができなかった。
何かそういう決まりなのかと思ったが多分それはないらしいが
「いいえ。そういうことではないんですが…」
それ以上、自分の話について先輩があまり話したくないように見えたので私はもう聞かないことにした。
でもあの時の私は知らなかった。
先輩は何かの決まりや自分の都合で自分の過去のことを話すことを躊躇したわけではない。
先輩はただ私に余計な心配をかけたくなかった。
「みらいちゃんは数年に一度記憶を失われてしまうの。」
自分の記憶がある周期を持って消去されること。
自分にとって最も恐ろしいそのことのことを先輩は決して自ら言い出せなかった。
知っているのはただ一人。
遠い昔、先輩と会ったことがある会長だけ。
その事実が会長からうみっこへ、そしてうみっこから私や皆のところまで回ってきた時、私達は自分達が先輩のためにやれるものが何か考えざるを得なかった。
それから先輩は私に色んなことを話してくれた。
特に例の「みもりちゃん」っていう名前の子のことにはすごく張り切って
「みもりちゃんはすっごく優しくていい子なんです!それにあんなに可愛くて!」
彼女への愛情を思いっきり熱弁してきた。
名前は「虹森美森」。
今年入学した1年生で偶然迷い込んだ同好会で先輩と出会ってそのまま入部。
昔地元でローカルアイドルをやった経験があるアイドル経験者であり先輩並みの筋金入りのアイドル好きという彼女は今は先輩にとって大事な人となっている。
元水泳部で体を動かすのが得意でしかも歌までうまい。
うみっこや会長とも仲がいいらしくあの名門「緑山」家の令嬢をお嫁さんとして迎え入れたという話まで。
後半はよく分からなくなってしまったがとにかくうみっこがいなくなった先輩をずっと傍から励まして支えてくれた優しくていい子であることだけはしっかりと分かった。
「私はみもりちゃんに救われました。みもりちゃんが私の味方になってくれたおかげでもう一度頑張れたんです。」
っと愛に満ちた先輩のその顔を見た時、私は少し焼きもちを焼く気持ちにもなったがそれでもやっぱりそのみもりちゃんに感謝するようになった。
もしあの時、あのまま先輩が崩れてしまったら私が帰る場所も、うみっこを取り戻すという選択肢も全部なくなってしまったかも知れない。
私は今こうやって先輩が笑って私と話し合っているこの時間こそ彼女のおかげだと思っていていつか必ず恩返しがしたい心からそう思うようになった。
「みもりちゃん、前までは少し自分に自身がなくてそれが心配だったんですがここ最近すっかり元気になって良かったです。いつかことりちゃんにも会って欲しいですね。」
っと私との出会いを内心願っている先輩だが
「もう会ったことあるんですよね。前に学校に行った時。」
私は既にそのみもりちゃんに会ったことがあった。
「ほ…本当ですか!?なんで言ってくれなかったんですか…!?」
「だ…だって…」
なんか小学生が学校でのこと、一々お母さんに話すのみたいだから…
っと先輩はすこぶる寂しがったが確かに今考えてみればあの子、自分のことを「マネージャーちゃん」って呼んでも全然否定しなかったな。
私からアイドルの方が良かったんじゃないかって言った時だって
「そ…そうですね…」
苦そうな笑みでそう言ってたし。
別に芸能人って言ってもあっちの方がずっと先輩だからちゃんと話しとけば良かったのに。
あ、もしかして私ってとてつもなく失礼なことをしたんじゃないのかな…
後でちゃんと謝ろう…
「みもりちゃん、もっと自分のことに自身を持って欲しいですね。」
っとなんだかすごく惜しいって顔をしている先輩を見たら私は今度は私の方が先輩とみもりちゃん、両方を喜ばせてあげようと心を決めることになった。
そのみもりちゃんが先輩を支えてくれたのなら今度は私がその両方を元気づける。
そうすることで私は彼女に先輩のことを支えてもらったことに自分なりの恩返しができて同時に先輩の笑顔が見られるから一石二鳥!
何より私は私で今度は彼女に立派なアイドルとしての姿が見たいと密かな期待を抱くようになった。
舞台は違っても私は普通のJKと同じくアイドル達のことを尊敬していてその輝きに憧れているから。
だから先輩に認められたその輝きをぜひ見せてもらいたい。
「でもこの計画は先輩に言わないようにしよう。サプライズの方が絶対喜ぶし。」
そう思った私はふと思い浮かんだ先輩の笑顔にすぐ気持ちが舞い上がるようになった。
ーピンポーン
その時、ふと聞こえたのはいきなり訪ねてきた深夜の玄関のチャイム。
それ自体は特に変わったことではない。
先私と先輩は急に小腹が空いてきて「オーバーイーツ」に夜食のピザを頼んどいてもうそろそろ着く頃だと思ったから。
でも問題は
「ヤッホー!元気だった?ことり。」
そのドアを開けた時、そこに立っているのが私と同じ顔をして頼んどいたピザを持っている
「お…お姉ちゃん…!?」
私の双子の姉であることであった。




