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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第5章「夢と茸」
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第255話

ブックマークいただき誠にありがとうございます!

体の調子が徐々に回復気味なのでここ最近随分張り切っています!

応援してくださる皆様に応えられるように頑張ります!


私は陸上をやってましたが成人になってから殆ど運動をしなかったんです。

でも今回結構長い時間調子を崩したことでこれを機に運動を再開しようとしています。

年を取ったらさすがに体が昔みたいに健康ってわけではないようですね。

皆様もお体にお気をつけてください!


いつもありがとうございます!

「みもりちゃん…本当に偉くなったな…」

「すげぇ…俺、生で見るの初めて…」

「あはは…」


青葉さんと会長さんから目が離れない珍しいという視線。

そこに集まっているのは私と一緒にこの土地で育った昔の知り合い達でした。


まさるくんだけではなく同じ中学校を通っていた子。そして先輩達。

皆は久しぶりに故郷に帰ってきた私達のことを喜んで迎えてくれたのです。


「本当久しぶりだね、みもりちゃんも、ゆりちゃんも。元気だった?」

「お久しぶりです。皆さん。私達は元気でした。」

「そりゃもちろん。皆は元気だった?」


っとお互いの安否を問う私達。

でも皆が驚いた一番理由は


「皆さん、はじめまして。「青葉海」と申します。」

「「セシリア・プラチナ」です…」


多分こちらのお二人さんのことだと私はそう思います。


「私…もう死んでもいいわ…」

「部長!」


ついに卒倒する人まで出るくらい青葉さんと会長さんの登場はこの町にとって衝撃的では破壊的なものでした。


神界と人界の境界が接している小さな町。

かつて激戦地とも呼ばれたほどここは残酷で何もかもが破壊されている死の町でした。

でも「神樹様」のおかげで平和の協定が結ばれて神界の上位種族「人獣(ビースティアン)」の「12家門」の一人である「馬の一族」「緑山」家がここに定着することになりました。


長年人間と友好な関係を保ってきた「緑山」家は伝統的な軍人家計。

彼らのおかげでこの町は以前と比べないほど住心地よく生まれ変わりましたが町の人口は歳を重ねる度に下り坂の一方。

若い人達は都会へ、現在ここはどの町と同じく深刻な人口減少の状況に置かれています。


そんな小さな町にやってきた二人のトップスター。


一人はうちのお母さんも大好きな魔界を代表する「伝説の歌姫」「青葉(あおば)(うみ)」さん。

ここは一応神界に近い町なんですが今の時代、青葉さんの人気はどこに行っても変わりません。


「うみ様…!ど…どうかサインお願いします…!」

「わ…私は握手を…!」

「ちょっと…!何抜け駆けすんのよ…!」


先を争ってなんとか青葉さんと触れ合おうとする皆を見てその人気を改めて実感してしまう。

青葉さんの歌は皆が大好きでそれは住む世界や種族を問わず世界中の人々に愛されるのに値すると私はそう思います。

もうあんなに大勢の人達に囲まれてさすが青葉さん…


そしてもう一人は神界の最高位種族である「ハイエルフ」の「プラチナ皇室」が生んだ神界最高のアイドル「Fantasia」の会長さんですが…


「えっと…会長さん…?」


彼女は何故か先からずっとかおるさんの後ろにべったりついて隠れているだけでした。


「人いっぱい…怖い…みらいはどこなの…?」


不安な顔ですぐ先輩のことを探し始める会長さん。

多分急に大勢の人達に見られるのが怖くなったようです。


「彼女はここにいません。大丈夫です、セシリア様。私が命がけでお守り致します。」

「みらいを呼んで…みらいに会いたいよ…」


まるで幼稚園の初日でお母さんに会いたいと駄々をこねるような子供のように学校にいるはずの先輩をここに呼んで欲しいと言う会長さん。

どうやら今の会長さんをここまで連れてきたのは少しまずかったかも知れないと私は自分の迂闊な行動を反省するようになりました。


突然ですが私達はまさるくんの頼みで久しぶりに自慢大会に参加することになっちゃいました。

まさるくんいわく


「今年は例年と比べて出演者が少なくて困るって母ちゃんが言ってたから。だからよかったらお前達にも出てもらいたいなって。」


加速化される高齢化社会。

その余波で若い人口の流出が激しくなったこの町には既に周りのいくつかの学校を統廃合するなどの現象が起きていました。


「俺が通ってた学校もなくなったしな。田舎ではもうやっていけない限界ってやつがあるから。」


都会に出た若い人達。

当然ここの子供の数も自然と減って町はかつて類例がないほど大ピンチでした。


でもそんな時こそ町の伝統であるこのイベントだけは盛大にしたいというまさるくんの言葉に


「うん。分かった。」


私の体は自然と動くようになってしまったのです。


「本当か?ありがとうな。」


なんとしてもこの町を賑やかにしたいというまさるくんの意思はかつて私とゆりちゃんでやって「フェアリーズ」の活動理念と相通。

それ故に私は二つ返事でイベントへの出演の件を引き受けましたが


「会長さん…?大丈夫ですか…?」


さすがに今の会長に急な環境の変化は忙しかったようです。


「だ…大丈夫です…多分…」


見た目だけでも分かってしまうほどうろうろしている会長さんは強いて平然と振る舞おうとしましたがやはり先輩のいない状況で人前に出るのは無理だったんでしょうか。

かおるさんの後ろに隠れて全然前に出てこなくて皆ともあんなに距離を取っている…


「大丈夫なの…?みもりちゃん…セシリア様のこと…」


っと中学校の時の友達からそう聞かれた時はどう答えてあげたらいいのか迷ってしまいましたが


「大丈夫ですよ?だってうちの会長って皆に愛されるスーパースターですから。」


意外にその場を切り抜けるようにしてくれたのはかおるさんの後ろから会長さんを引っ張り出してきた青葉さんでした。


「会長。ここの皆は会長のファンなんですよ?知ってました?」

「私のファン…?」

「はい。」


和やかな笑顔で今自分達の前にいる皆のことをちゃんと説明しようとする青葉さんの言葉に少し落ち着いたような会長さん。

会長さんは過去の自分が何者なのか、そして何をしたかすこぶる興味があって少しずつでも自分の記憶を取り戻す努力を欠かさない人っということを青葉さんはよく知っていました。


「だから怖がらなくてもいいですよ?会長。もう一度ちゃんと自己紹介してみませんか?

大丈夫。私が付いていますから。」


っと改めて皆に会長のことを知ってもらおうと再度の自己紹介を提案する青葉さん。

その言葉に勇気をもらったのか


「は…はじめまして…セシ…セシリアです…「セシリア・プラチナ」…」


今度はちゃんと前へ出て自分のことを皆に紹介できた会長さんでした。


反応は…


「うぉぉぉ!!」


予想通り爆発的でした!


「きれい…これが本当のお姫様なんだ…」

「お肌きれい…髪もサラサラでキラキラする…」

「わ…私…!セシリア様の大ファンなんです…!ファイブも見に行きました…!」

「ぼ…僕もです!グッズだってこんなに集めて!」


っと推しへの果てしない気持ちを果敢に見せつける地元の友達。

特に絶景だったのは


「うわぁ…!私の顔がもうこんなに…!」


自分の顔が写っている缶バッジやタオルを見た時、嬉しいような恥ずかしいような会長さんの複雑な顔でした。

でも確かに嬉しかったと私はそう思います。


「そ…それでうみ様も、セシリア様もこの大会に出られるんですか…?」


っと誰かのそのような質問が出た時、


「んー…そうですね…」


少し考え込む青葉さん。


「おいおい…さすがにそれはないだろう…」

「そうだよ…!お二人共、めっちゃ有名人だからこんな地元の小さなイベントなんて…!」


周りでは多少無理な話だと思いましたが


「じゃあ、一緒に出ちゃいましょうか。会長。」


どうやら青葉さんは最初から会長さんと一緒に出る気満々の状態だったようです。


っていうか誰も「フェアリーズ」のことは期待してくれないの…?


っと思いかけた私でしたが


「でもやっぱり私達の一番の推しは「フェアリーズ」かな。」


その時、控室に入ってくる一人の少女の声に青葉さんと会長さんはここがアウェイっということを改めて気づくことになりました。


どうやらこのイベント…大きな波乱の予感がします…


***


「でもまさか魔界のお姫様まで来られるとは思いもしなかった。」

「うふっ。そうでしょうか。」


驚いた。

新聞とかでしか見たことがないあの「魔界王家」のお姫様がまさか自分の目の前にいるなんて想像もしなかった。


先輩がお手洗いで少し席を外した間、私は何故か先挨拶を交わした魔界のお姫様、「黒木クリス」さんに声をかけようとした。


こっちの事情で「黒木」という和名を使っているが彼女の真名は魔術言語で確か「ニトクリス」。

「太陽王」の血を受け継いだ正真正銘の「ファラオ」。

「守護王」である父のように異名は「夢幻王」で名実共にここに集まった誰よりも強い人。

黒い太陽から生まれた夢を操る悪魔。

だがその大層な話と違って見た目はただ普通な15歳の少女…って


「うわぁ…」


何度見てもすごいな…このおっぱい…先輩とほぼ同じ大きさじゃん…

さすが「夢魔」…自分への自信は満タンなようね…


「ど…どうかしましたか…?」

「いや…何でも…」


間近で見せられた圧倒的な大きさに少し気を失っていた私を呼び覚ます姫様の声。

おっぱいのことを差し置いて私は少し彼女との会話の間を持たすことにした。


私達「魔法の一族」、元い「魔法少女」は本来「魔界王家」との関係が思わしくない。

何せよこっちは大戦争の時、魔界側に大きな人命の損失を与えたから。


「魔法少女」は高密度の魔力のエーテル体。

生身の魔界の人なんて一溜まりもない。

魔力障壁、物理保護などの防御機能はもちろん魔力そのものを砲弾のように飛ばしたり身体強化まで戦いに関して極めて特化されている種族が魔法少女であった。


こちらの対策として「魔界王家」直々の命令で「イモータル」というアンデッドの特殊部隊まで作られたくらいだし。

今の時代、アンデッドの運営は世界政府によって特に厳禁されているが既に第3には一人のアンデッドがいる。

まあ、あの人は特別な例外だけどとにかく現在残っているアンデッドの数はそう多くはない。


それが魔法少女と「魔界王家」、「夢魔」との関係。

ぶっちゃけに言って仲が悪いと言える。

世間ではよく


「闇落ちさせてあげるわ♥魔法少女さん♥」


とかの作品が結構出回っているようだが実際は


「ぶっ殺してやる!この悪党ども目!」


とかの感じでこちらからの一方的虐殺だったし…


でも彼女は


「テレビの向こうでも可愛かったんですが実際はもっと可愛いですね。赤座さんは。」


何故か前から知り合った友達のように私のことを親しく接してくれた。


彼女ならきっと去年のことも、私のことも全部知っているはず。

生徒会副会長の赤城さんは彼女のもう一人の幼馴染で彼女の性格からにしてみればきっとこちらのお姫様にも協力を要請したと私はそう考える。

でもさすが先輩との後輩っていうか全く私のことを警戒したりはしない。

警戒どころか


「赤座さんは先輩のこと、好きですか?」


会ったばかりの彼女は何故か私にいきなり本格的な質問を仕掛けてきた。

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