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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第5章「夢と茸」
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第241話

遅くなって申し訳ありません。

書きたいこと、伝えたい話はいっぱいあるんですがなかなか時間が取れなくて困っています。

でもまだまだ話したことがいっぱいありますので頑張っていきます!

いつもありがとうございます!

「でもよく見たら…」


改めて今日この親睦会に参加した顔ぶれを見ながら私は驚きを禁じえませんでした。


「グヘヘ…♥まつりちゃん…♥このコップにおしっこしてくれない…?♥」

「ちょっとゆうな!止めなさい!怖がっているじゃない!」

「おめぇ…そういうのいい加減にしろっていつもっつったんだろう…」


百花繚乱(風紀委員会)」のスリートップ。

団長の第一席「勇者」「結日(ゆうひ)優奈(ゆうな)」さん、副部長の第二席「石川(いしかわ)金剛(こんごう)」さん、そして神界側の実質的な全ての権限を握っている第三席「速水(はやみ)(あい)」さん。

三人とも向こう側においてあえて言う必要もない相当の影響力を持っている正真正銘のトップです。


「ええ…!?ど…どうして小便なんかを…」

「姉さんのことです。あまり真に受けない方がいいです。」

「うん。ゆうなはほぼ全ての女の子にそのセリフを言うから。」


対してこちらでは魔界代表者として「魔界王家」の「ファラオ」である私「黒木クリス」と当親睦会の主催者である「Vermilion(消防部)」の部長「灰島(はいじま)(すみれ)」さんと例の速水さんを巡ったすみれさんと石川さんの件を見事に仲裁した私の友人「火村(ほむら)(まつり)」ちゃん、

そして私が所属している「Scum(美化部)」の副部長である「結日(ゆうひ)優気(ゆうき)」先輩が参加しています。


人界側ではみもりちゃんのところの部長である「桃坂(ももさか)未来(みらい)」先輩と「陸上部」の「織田」部長、「バレー部」の「佐藤」部長のような殆ど体育系の部長方々が参加してくれました。


うちの学校は伝統的な体育系が弱くてその部長を努めているのが殆ど人界の人達なので人界の影響力は神界の「百花繚乱」や魔界の「Scum」に比べたら大分小さい方ですがどうやら速水さんは本当に3つの世界の和合を図っていたようです。


本来なら「シンフォニア(管弦楽部)」の部長「立花(たちばな)莉子(りこ)」さんと生徒会の代表者である「Fantasia」のセシリアお姉さまとななお姉ちゃん、「チア部」のかなさんや「合唱部」の青葉さん、うちの部長も参加するべきでしたがななお姉ちゃんとかなさんは記憶を失ったお姉様の穴埋めのため、週末さえ返上して生徒会室に出ていて、お姉様と青葉さんはみもりちゃん、緑山さんと一緒にみもりちゃんの故郷に行っています。

立花さんは全国ツアー、部長はいつも通りに寮の留守番で参加できなかった人も結構いるらしいです。


普段「部活実績会議」やこの前の緊急会議ほどではなければこの面子が揃うことなんてめったにないから正直に初めて見た時、びっくりしました。

でも一番驚いたのは


「はい、ことりちゃん♥マミーが食べさせてあげますね♥」

「せ…先輩!こんなところまで赤ちゃん扱いは止めてください…!」

「ほら、あ~んして♥」

「あ…あ~ん…」


まさかあの「赤座(あかざ)小鳥(ことり)」という渦中の人物までこの場に来ているということでした。


「どうですか?♥美味しいですか?♥」

「お…美味しいです…」


恥ずかしながらもプリンを掬ったスプーンを差し出すみらい先輩にちゃんと口を向ける赤いショーットカットの小さな少女。

きめ細やかなきれいなお肌。小鳥の囀りのような軽やかで可愛い声。

いつもテレビとかで見てきたその天才女優さんは私が知っていた姿とは少し違い格好をしていましたがその初々しさと無邪気さは昔とちっとも変わりませんでした。

名前通り小さくて愛しい少女。

初めて生で見る彼女の姿に私はなかなか目が離せませんでした。


他の人達にあまり目立たないように先輩と二人っきりで会場の端っこに席を取っている彼女。

周りの皆はそんな彼女のことがずっと気になっているようです。


特に


「わ…私もことりちゃんとあ~ん♥したいわ…」


速水さんの方は情緒不安に見えるほどすごくそわそわしています。


先から何度も不安そうな顔でお菓子を持ち上げたり元に戻したりする速水さん。

そんな彼女のことが親友の団長さんも、石川さんも結構気になるようです。

もちろんそれは


「ほら、ことりちゃん。もっとあそこに行って皆さんとお話しましょう。」

「ええ…でも…」


赤座さんその本人も同じでした。


明らかにこちらのことを気にしている顔。

先輩の後ろにぺったりくっついて一歩も動かない彼女のことを先輩はよほど心配になっているようです。


「あ、クリスちゃん。ちょっと。」


そしてやっと私のことに気がついたのか手招きで私のことを呼びつけるみらい先輩。

先輩は手始めに赤座さんに私のことを紹介したかったそうです。


「ことりちゃん。こちらは私の友達であるクリスちゃんです。セシリアちゃんのことでいつもお世話になってます。」

「あ…会長のことで…」


お姉様の名前にやっと目立つ反応を見せる赤座さん。

そういえばお姉様は去年退学になった生徒達の面倒をこっそり見ていてその中には多分赤座さんも含まれていたのではないかと私はそう思います。


「新聞とかで読んだことあります…魔界のお姫様だって…」


先輩にだけに聞こえるほど小さな声でボソボソ私のことを見かけしたことがあると話す赤座さん。

その姿はまるで親鳥に抱かれている雛ちゃんだったので私はふと彼女のことを自分が温めてあげたくなりました。


「初めまして。「黒木クリス」と申します。」


最初に話をかけたのは私の方でした。

だって赤座さん、先輩の後ろから全く出てくれませんから。

だからまずは自分から彼女に私、「黒木クリス」のことを教えてあげようと思いました。


ここ何ヶ月に私は少し変わりました。

入学ばかりだった頃にはとんでもない恥ずかしがりやで自分から話をかけることなんてめったになかったんですがみもりちゃんと緑山さんと出会って私は少し自分に自身を持つようになりました。

たとえ初めての出会いが自分の力ではなく僥倖としてもその出会いは私の色んなことを変えてくれました。


「でもそれはきっと黒木さんの大好きって信じる力が呼び寄せた偶然だと思います。」


でもいつか彼女が言ってくれました。

それはきっとただの偶然ではなく、私の心が呼び寄せた願いの力だと。


最悪とも言える彼女との最初の出会い。

私が相思相愛のお二人さんの仲に勝手に割り込んで二人の心を引き離してしまった。それがどうすることもできないほど苦しかった私は自分の命をかけて二人のことを元に戻そうとしました。

それを分かってくれた彼女はやっと私のことを認め、今は自分の大好きな人と同じく私のことも大事にしてくれるようになりました。

きっとそれが私の変わるきっかけだったんでしょう。


勇気を出したらきっと何か変わる。

それを私はここ数ヶ月の時間をみもりちゃんと緑山さん、そして色んな人達を過ごしてきた間に学んだのです。


でもここんとこ私は不安でした。

みもりちゃんを愛する心を失ってしまって悩んでいる緑山さんとそんな緑山さんを元に取り戻そうとするみもりちゃんを見ているとなんだか心がチクッと痛くて仕方がないんです。


緑山さんのことはとても心配で早く元に戻して欲しいのは疑うようもない本当の気持ち。

お姉様が記憶を失ったように緑山さんが気持ちを失ってからみもりちゃんはとても元気がなくてそんなみもりちゃんのために緑山さんはなんとか自分の気持ちを取り戻そうとしました。

私もそのために自分なりに頑張っていていつでも力を惜しまないつもりです。

お二人の夢にお互いの誰にでも奪われたくない姿を見せてお互いへの気持ちを促したり。

それで何かヒントを掴んで欲しかった私の気持ちに答えてくれるようにみもりちゃんは以前よりも逞しい顔になって頑張ってくれて私の努力はそれなりの報いを受けられました。


でもやっぱりこう思ってしまうのです。

私がどんなに頑張っても越えられない壁があるってこと。

それが悲しくて寂しくて…こうなることを分かっていたのに今更…


もしお二人の仲が元に戻れたら私はそれを認め潔く断念できるのでしょうか…


「「赤座(あかざ)小鳥(ことり)」…です。よろしく…」


まだ少し警戒しているような目。

でも彼女は私にちゃんと自分の名前を教えてくれて先輩はそれがとても嬉しそうでした。


「私、赤座さんのこと、テレビでよく見てました。お母様が赤座さんの大ファンだったんです。もちろん私も大好きです。」

「そ…そう?あ…そうですか…」

「別に敬語とかしなくてもいいです。私、赤座さんより年下だし。」

「年下…」


っと自然に私に胸の方へ移る視線。

そしてすぐ落ち込んでしまう彼女のことに私の視線もまた彼女のちまちまで小ぶりの胸の方を見つめるようになりました。


「こ…ことりちゃんはまだ成長期ですから大丈夫です…!」

「そ…そうです…!私だって中学校の時はこれより大分小さめでしたから…!」


小さめと言ってもDくらいは軽く超えてたんですが…


「元々「夢魔(サキュバス)」は相手を誘惑するために他の種族より体の発育がずっといいですから…!」

「マ…マミーだってことりちゃんにあげる()()を溜めておくために大きくなっただけです…!」


そして先輩のその常識はずれの大きさの胸の秘密が明かされる瞬間でした。

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