第136話
ブックマーク1名様誠にありがとうございます!遅れてしまって誠に申し訳ありません!
連日の頭痛でもう何日も捗れなかったんですね。今もまだ頭がずきずきしているんです。
特に心当たりはありませんが多分就職の悩みのせいじゃないかと思います。皆様もお体お大事にしてください。
いつもありがとうございます!
「宇宙…だったかな。」
セシリアはそう思った。
「いくら歩いてもルルの精神世界はずっと続けられている。だから私にはルルの考えが見えなかったんだ。」
みらいとはまた別の高次元の精神世界。まるで満天の星空の宇宙で漂っているような果てしなく大きな静かさと圧倒的な自己にセシリアも、クリスもそこからで去らざるを得なかった。
「初めて見た時はどこに自己を隠れていたのか思ったんだ。でもすぐ分かったんだよ。その大きな精神世界自体がルルの自己ということをね。」
「私もそう感じました…あえていうといわゆる「宇宙恐怖症」みたいな感覚ですね…」
実に正しい例えだと感心するセシリア。確かにその圧倒的で全てを飲み込んでしまいそうだった深淵の深さはどうしようもなく大きな宇宙という存在から感じられるその果て知らない未知の世界を目にした時と同じ感覚だった。まるでチリ一つも残らず自分というい存在が飲み込まれて押しつぶされてしまいそうな巨大な恐怖。それが先ほど、ルルの夢のリンクを覗いてきたクリスからの感想であった。
「結局実際は恐怖だけだったんです私は初めて「怖い」っと思っちゃいました。あれだけの巨大な自己なんて今まで見たこともなかったんですから…」
だがその巨大な自己はただそこに存在するだけでそれ以上クリスに向かって何もしなかった。ちりでさえも思われなかったのか、それとも何か考えがあって見守ることにしたか、その心中は全く読みきれなかったがただルルには敵対する心はなかったのは確かだった。
「目が覚めている時ならダメだけど寝ている間ならなんとかできるかなっと思ったんだけどやっぱりこれも無理だったみたいね。」
少し苦い笑みを浮かべるセシリア。同じグループの子を探り出そうとした自分にある程度の罪悪感は持っていたがそれだけでルルのことを諦めるわけにはいかなかった。ただ今回も失敗だったかなっとのを似合わない脱力感まで感じているだけであった。
「あの…理由はなんとなく聞いたんですがどうしてお姉様はそこまであの人に気にしているんでしょうか…」
心配そうに聞いてくるクリス。
「別に悪い人とは思わないんです…よく笑ってくれるし、いつもお菓子もくれるから…ちょっと怖いっとは思ったんだけど決して悪い人ではない、それだけは確信できます。」
「さすがあの「ファラオ」のお姫様ね。人を見る目がバッチリだわ。」
普段みもり以外はあまり気にしてないふりをしているクリスでもちゃんと周りのことを見ているんだなっと内心感心するセシリア。彼女にとってクリスは年下の後輩でも尊敬するべきのもう一つの目標であった。
「確かにルルは決して悪い子じゃない。あえて頭の中を見るまでもなくそれは分かる。中身はどんな化け物が入っているのかはよく分からないけど決して私達に危害を加えるつもりはない。何より何度も自分の頭の中を覗こうとした私がこう生きているのがその証拠だから。妙にファンタにこだわるただのアホっぽいロリ巨乳かも知れない。」
「だ…だったらお姉様はなんであの人のことを疑っているんでしょうか…?」
少し悲しむ顔になってしまうクリス。
「だからこそ私はルルを止めなければならない。」
その時、セシリアはもしこのことで自分がルルに殺されても構わないっと思っていたのであった。
***
「クリスちゃん、遅いね。」
「そうですね。」
せっかくの合同授業だから一緒に昼ご飯食べようとしたのに…急に会長さんのところに用事があるって行っちゃってまだ教室に戻ってないんですよ、クリスちゃん。電話も出ませんし…そろそろお腹空いてきたのに…
「仕方ないですね。私が生徒会室まで行ってきますね。もしもうちょっと遅くなりそうだったら電話しますから一人でも食べに行ってください。」
「え?いいの?」
今、ちょっとびっくりしました…ゆりちゃんが私に一人で食べてもいいって言うなんて…いつも
「はい、みもりちゃん♥あ~んしてくださいね♥」
って感じで食べる時も一緒だったのに…何か最近のゆりちゃんって本当に変わった気がします。私のことを独り占めしちゃうとかそんなこともめっきり減っちゃったし…
も…もしかして私のこと、もう飽きちゃったのかな…そういえば最近のゆりちゃん、クリスちゃんとすっごく仲良くになったし…確かにクリスちゃんってすっごくいい子だし、可愛いし…何よりあの魔界のお姫様だから私なんかより絶対ゆりちゃんの方が向いているかも…ゆりちゃん、このまま私の傍からいなくなってしまったらどうしよう…
「みもりちゃん?」
「え?」
「どうかしましたか?」
ふとゆりちゃんからの呼びに気がついた私はいつの間にかゆりちゃんの袖を私からギュッと握っていることを気づいてしまったんです!な…なんでこんな子供っぽいことを!?
「ご…ごめん!こ…これは別にゆりちゃんと別れたくないって意味じゃなくて…!」
「みもりちゃん…」
はうう…恥ずかしい…高校生になってまだこんなことを…!前にあんなに偉そうにゆりちゃんのことを過保護とか言っちゃったくせに何しているのよ、私…!
「みもりちゃん…」
多分ゆりちゃんならまた私が嫌な考えをしていたくらいは分かっているはずです…何かすっごく恥ずかしいんですけど、これ!?
「そんなに私とやりたかったんですか…?」
なんで!?
「いいえ…だって今の、ここでゆりちゃんに嵌めたいってサインだったんじゃ…」
誰勝手にそんな不健全な意味で解釈しちゃうの!?私の気持ち、返して!!
うう…全然分かってないじゃん…こっちはゆりちゃんがクリスちゃんのところに行っちゃったらどうしようって心配してたのに…
「うふふっ。冗談ですよ?みもりちゃん。みもりちゃんがまた私がどこへ行っちゃったらどうしようっとか考えていたってくらいは。そんなに心配しなくてもいいですから。」
そ…そうなの?
「実はですね、私、黒木さんのことで最近ちょっと思ったんです。みもりちゃんがそんな性格になっちゃったのは半分くらいは私のせいだったのではなかったのかなって。」
「な…なんでそんなことを…!そんなのないよ…!」
ゆりちゃん…そんなこと思っていたんだ…確かに先輩のおかげで最近はちょっとだけは自身を持つことができたんですけど完全に去年のことから抜け出したわけではなかったので時々私も知らないうちに嫌な思いが湧いてしまうんです…自分はつまらない子だとか…
先輩はそれを全部見抜いていたんですね。だから青葉さんにもそんなお願いを…
「みもりちゃんはまだ気づいていないかも知れませんがみもりちゃんのことを心配している人は私以外にもたくさんいますから。みもりちゃんが皆のことを心配している分はですね。」
私のことを心配してくれる人…
「黒木さんのことで気づいてしまったんです。みもりちゃんってこんなに皆から愛される子だったのに私が皆からみもりちゃんのことを勝手に独り占めしていたのではなかいかな、もっとたくさんの人に愛される機会を私が奪ってしまったのではないかなって…だから私はみもりちゃんのことをもっと自由にするべきだと思っただけです…」
ゆりちゃん…何かすっごく後悔している顔をしています…
「だから私はみもりちゃんのことをもう私一人だけのみもりちゃんにはしません。みもりちゃんにはもっとたくさんの人に愛される資格があります。」
こんなゆりちゃんの気持ち、多分夢ではなかったら聞けなかったはずでしょ…ゆりちゃんはすっごく強い子だからあまりこんなところを見せたりしないから…
でも私はゆりちゃんにとってこれがどれほど大きな決心だったのかよく分かっています。今まで見せてきた愛情のやり方を自ら断念するのはきっととても辛かったんでしょ…だからゆりちゃんはこんなに寂しい顔をしているんです…
「みもりちゃんの笑顔、もっとたくさんの皆に見せてあげましょ。ステージの上でいっぱい見せてあげちゃいましょ。それでもっともっとキラキラなみもりちゃんを皆に教えてあげるんです。
…でもこれだけは覚えてください、みもりちゃん。あなたのゆりがあなたのことを世界一で愛していたっということを…!?」
ゆりちゃんの話はまだ続いていたんですが私はこれ以上じっとしていられませんでした。これ以上ゆりちゃんのそんな寂しい笑顔は見たくなかったから…例えそれが私のためと言っても…
「そんなこと言わないで、ゆりちゃん。」
「み…みもりちゃん!?」
いきなり抱きつく私の行動に戸惑ってしまうゆりちゃん。でも動けば動くほどもっとずっしり抱きしめる私は決してゆりちゃんを離さなかったんです。」
「私もゆりちゃんのことが世界一で大好きだから。だから今までの通りでいいよ。」
「で…でもこのままの私はまたみもりちゃんや皆に迷惑を掛けてしまうかも…」
でもそれでいいだと私は思います。私もゆりちゃんの全部が大好きだから決してゆりちゃんがやってきたことを迷惑とか思わない。もちろん時にちょっと暴走しちゃったりすることもあるけどそれも全部私のことを好きにしてくれた証拠だから私は全部受け入れる。迷惑なんて、とんでもないよ…私があの家で最後まで耐えられた理由は全部ゆりちゃんだったから…だからそんな風に自分のことを責めないで欲しい。
あ、でも皆に迷惑をかけるのはちょっと控えてね…?
「みもりちゃん…」
先より早く走ってきた心臓の音。ドキドキっとした鼓動が触れ合っている私の胸にも感じられるほどすっごく大きくて激しい。でも何より
「み…み…みもりちゃん…!わ…私、死んじゃいます…!」
っと真っ赤になっているゆりちゃんがたまらなく可愛いです。あ、でも何かそろそろ危なさそうだから離してあげましょうか…ってあれ…?
「あ…あのゆりちゃん…?」
何も言わずに私の胸に埋まっているゆりちゃん。でも腕は私のことをずっしり掴んでいます!痛い…!
「そうだったんですね…私は私のままみもりちゃんのことを愛してもいい…そう言いたかったんですね…?みもりちゃんは…」
「え…?そ…そうだけど一旦離して欲しいな…っていたたた…!」
なんで力まで入れてがっしりと引き寄せるの!?ほ…本当に痛いから…!っていうか私の方が死んじゃうよ…!!
「ならもう放課後まで待つこともないです…ここでお望みの通りにやっちゃいましょう…もう我慢できません…」
ええ!?まさか私、ゆりちゃんのこと、本気にさせちゃった!?ちょ…ちょっと落ち着いて、ゆり…ってもう脱いでいるし!!
「…今なら誰も来ないですしもし見た人がいても蹴飛ばして記憶を消せば済むことです…」
何かすごいこと言っているんですけど!?っていうか先皆に迷惑を掛けないって言ったばかりじゃん!?
うわっ!?ゆりちゃん、学校にガーターまで履いてきたの!?めっちゃ本気モードじゃん!?
「やっぱり誰かとやる前に私とが先です…このゆりに比べたら他の人なんかはなんとことでもないっということをみもりちゃんのお体で分かるようにみっちり教えてあげますから…」
だ…だから落ち着いて…!ってなんで勝手に膨らんでいるんだ、この棒やろう!!
ど…どうしよう…!このままじゃ…!このままじゃ…!!
ーぐううう
その時、本当に空気を読めない私の体は全力で今の感情を体に表しました。普段なら恥ずかしすぎて死んじゃうほど派手な音を出すお腹でしたがまさかこの音のおかげで私はなんとかその場から逃れられるとは思えなかったんです。
だってこの音を真っ正面で聞いたゆりちゃんから
「あ…そういえばお腹すいたって言いましたね、みもりちゃん…」
っと先からずっと元気なさそうだった私のことを心配そうに言ってくれたからです。
「さすがに空腹の状態でやるにはみもりちゃんが可哀想ですし…仕方ないですね…」
「え…?」
珍しく素直に私を離してくれるゆりちゃん…
その時、私は本当に感服しました。ゆりちゃん、本当に成長したなって!!




