第127話
今日は面接があります。とはいえ契約社員ですが…それも夜にも働く仕事ですから体が持ってくれるのかちょっと心配です。日本語の勉強がしたくても現実的な生活費がないと難しいですから仕方はないと思います。いつか好きな仕事で働けるのなら申し分ないですね。
いつもありがとうございます!
正解は「何もできない!」でした!はい!力もないのに選択肢を選ぶなんて片腹痛いことですよね!
抗う力もない私にできるのは精々怯えながら
「何をブツブツ言っているんですの…♥」
私に向けて一度だけ艶めかしい笑みを見せつけた後、一つ一つボタンを外し始めた赤城さんの見ることだけでした!
「あ。事前に言っておきますが中に出しちゃうのはNGですわ。夢とはいえわたくしはあの人の子供を持つ予定ですから♥」
先輩に何をするつもりなんですか!?
何を言っても全然聞こえないほど自己を失っている目…!激しい息…!何より先輩の前ではないと決して誰にでも見せないはずの下着姿…!これら全部このきのこのせいだとは…!クリスちゃん、何でこんな願いしちゃったの…!っていうか赤城さん、下着セックシー過ぎ!!
もうお終いだ…!このまま私は夢の中とはいえずっと憧れていた人に…!っとこんなことになっちゃうのならいっそ初めてはゆりちゃんとやった方が良かったっとなぜか自分の寄せ合った太ももをクパッと広げていたゆりちゃんのことを思っていたその時でした。
「あれ?開いている。」
盛り上がっているところに水を差すような誰かの声。だがその声を聞いたその途端、私と赤城さんは本能的にその声の持ち主が誰か推測できました。
「ど…どうして…!」
穏やかで元気な声。一度聞くだけで心が解けるような温かいこの声を私達ははっきり知っています。いいえ、わざわざ言うまでもなく今の赤城さんの顔色で誰の声なのか推測するのはそんなに手強いことではありませんでした。
夢の中というのを知っているのに見ている側も不安になるほど唖然としてしまった赤城さんは
「……なな?」
もうすぐドアを開けて中に入って本人さえ全く理解できないこの状況を見て言葉を失ってしまった先輩の震えている目を全てをなくしてしまったような顔で見ているだけでした…
「…何しているの…?」
「ち…ちが…違いますわ…!これは…!」
今まで見たこともなかったすごい顔で聞いてくる先輩。こんな先輩、私さえ初めてです…!死んだ魚の目をしているっていうか…!っていうかなんかすごく怒っているんですけど…!?
「…何でなながモリモリの上で半裸になっているの…?モリモリ…これってもしかしてNTRってやつなの…?」
何でそういう話になっちゃうんですか!?一目で見ても私の方が被害者なんですけど!?
「あ…そうか…うん…」
相変わらず凄まじい顔で自分の中で何かを納得させる先輩!なんかすごく嫌な予感しか湧いてませんが…!
「ごめんね…邪魔しちゃって…」
「ち…違いますって…!」
やっぱり!!
ついにあらゆる誤解だけを持って部室から出てしまったかな先輩!怒った先輩、本当に怖いです…!
普段あんなに穏やかで何でも笑いながら流しちゃうのにその分、怒った時の反動は想像以上のものでした…!
「ちょ…ちょっとお話を…!」
先までの勢いはどこに行っちゃったかなっと思われるほど慌ててしまった赤城さん。なんか見ているこっちからそわそわするほど可哀想です…
でもそういう赤城さんの哀切な叫びにも冷たく部屋を去ってしまったかな先輩はもう二度とこっちを振り向かなかったんです。
そしてその時、私は改めて分かりました。ああいう人こそ怒った時すっごく怖いっということを…
「わ…わたくしは一体…」
あまりにも衝撃だった今の状況にやっと目が覚めたような赤城さん。見ている通り散々怯えている様子を見るとなんだか私まで責任というのを感じちゃいます…!
「と…とりあえず早く先輩の方に行きましょう…!ちゃんと説明したら分かってくれるはずです…!」
ほぼ泣くような顔の赤城さんを着せて連れて部室を出たのは良かったんですがもう先輩はもうどこにもいませんでした。既にどこか別のところに行ってしまったようです…!こういう状況なら多分電話しても取らないでしょ…
「ち…違います…わ…わたくしには…あなたしか…」
ついに泣き始めた赤城さん。夢のことだとはいえ先輩にそんな誤解をされるのが耐えられるほど苦しかったようです…
クリスちゃんの話によるとこれは夢のことだから目が覚めたら全部忘れることですがやっぱり私は夢の中でもこういうのはよくないと思います。せっかく一緒にで同じ夢を見ているのだからもっと楽しくていい気分になって欲しいのに…
「すみません、赤城さん…別に本意ではなかったんですが私のせいで…」
っと謝ってもこれで慰めになるはずはないんでしょ…
「べ…別にあなたのせいじゃ…わたくしこそ正気ではなかったっていうか、取り憑かれたっていうか…」
あ…先のゆりちゃんとクリスちゃんのそういう感じだったから分かってます…
「とりあえず分かれて探してみましょ。先に私が見つけたら連絡しますね。」
「あ…ありがとうございます…」
手分けして探すのは合理的だと思って分かれて探そうとする私の判断に幸いに赤城さんは素直に従ってくれました。混乱しているはずなのによく考えてくれますね、赤城さん。やっぱりすっごく強い人です。先のゆりちゃんみたいにちょっとふらふらしていますが…
「わたくしのことは大丈夫ですわ…それより早くあの人のところに…」
赤城さん…顔も真っ赤だしなんかすごく息も荒れています…とても苦しそう…私から何かできることはないんですか…?
「へ…平気ですわ…むしろあなたのせいかも知れませんわ…あなたを見るとなんか胸がムラっとするっていうか…」
なんで!?
でもやっぱりこういうのは早めに謝るのがいいです。長くすればするほどお互いに嫌な気持ちしか残らないし。それにせっかくの夢なら起きた時、気持ちいい夢だったっと言える方がよっぽどいいんじゃないですか。
「じゃあ、後で合流しますね。きっと前みたいにうまくいくはずですから。」
「ありがとうございます…それではよろしくお願いしますわ…」
今、赤城さんを一人にするのはさすがに気が引けますが一応非常事態ですから。早く先輩を見つけて誤解を解かないと夢が覚めた時、お互い顔向けが少し気まずくなっちゃいかも知れません。もちろん私もです!
先輩!別にそういうことはないですから!全くなかったのは否定できませんがとにかく赤城さんには先輩しかないです!先のあれも先輩の子供を持つための練習ってやつだったから!ってそれじゃ私はただの練習台だったんですか!?それとも一晩の遊び相手!?どっちでも嫌ですよ、そういうの!!
でも初めてです、先輩のそういう顔…誤解とはいえあんなに改まって怒るなんて…目が覚めたら忘れてしまうことなんですがとにかく驚くほど新発見ですね。いくら先輩とはいえさすがに同じ部活の後輩と幼馴染と書いて彼女と読む赤城さんが絡み合っているところを見るとあんな風になっちゃうんですね…別に絡んでいたわけではありませんが…
なんだかんだでもやっぱりあのお二人さんにはお互いのことしかないようでちょっと羨ましくなっちゃいました。
でもどこから探したらいいんでしょう…もうすぐ授業も始まっちゃうし…それに私、ドタバタしたせいで体操服にも着替えられなかったのでまだチア服…この状況なら「Scum」の部室で身を隠す暇もなさそうですね…クリスちゃん、何でこんなことしちゃったのよ…
「もう♥みもりちゃんからお手伝いしてあげるっと言っちゃったのではないですか♥」
「うわああっ!?クリスちゃん!?」
一体どこから浮き出したのか全く知らないんですがいつの間にか私の後ろから現れてニヤニヤしていたクリスちゃんの声に私は思わずでかい音まで立てて後ろに派手な尻餅をつく私!い…痛いいい!
「ど…どうして!?っていうかいつから見ていたの!?」
「いや♥まさかみもりちゃんの「ちん○メロメロパワー」が強力だったとは♥全く予想外でしたね♥」
何という下品なネーミングセンス!!っていうか名前つけるないで!!
「もうお姉ちゃんまで攻略済みとは♥さすがみもりちゃんです♥」
全然嬉しくないんですけど!?それより全部見ていたの!?
「いつ止めたらいいの迷っていましたが面白くなってしまってつい♥でもかなさんのおかげでなんとか免れられましたね、みもりちゃん♥良かったです♥」
何が!?余計な誤解しかできちゃったけど!?
相変わらずニヤニヤ色っぽい笑みを浮かんで笑っているクリスちゃん。今までも見たこともないほど楽しそう!!
もしかするとここは夢だから夢の力を使うクリスちゃんならどこにでも行けるってことでしょうか…!やっぱりある程度の干渉はできるかも…!
「大正解です♥本当に良い生徒ですね、みもりちゃんって♥パチパチ♥」
褒めるな!!
「でもこれ以上私からみもりちゃんの夢の中でできるものはないです♥私の殆どの力が今みもりちゃんのちん○に集中されていてここがみもりちゃんの夢で皆をみもりちゃんの夢にお招きした形をしている限りもう私からでは何もできません♥精々この世界で起こったことを全部覚えて起きた後のおかずにすることしか♥」
どういう意味ですか、それは!?
でも今の話でちょっと安心したこともあります。実は先からずっと心配していたことがあったんですがその一つがクリスちゃんからの強制力でした。もしクリスちゃんが私の夢を操られるのなら一番恐れるものはその力によって強制的にやらされることだったんですが今の話で考えてみるとそれは多分不可能のようです。良かった…
「うふっ♥気を抜くのはまだ早いですよ?みもりちゃん♥このミションには緑山さんっというラスボスがいますから♥」
やっぱり今日のクリスちゃん、めっちゃ楽しそう!!
でも確かにクリスちゃんの言う通りです!ゆりちゃんなら絶対やっちゃうかも知れません!現実ではなんとなく理性を保っていたかも知れませんがここが夢というのを知っている以上リミットは既に解除されているはずです!現実でもやる時は絶対やっちゃう側の人間だったから!
「油断しちゃったらダメですよ♥いつ、どこで、誰かに狙われるのか私も知りませんから♥もちろん私も♥」
っとまたベールを捲くりあげて濃厚な唾液が絡み合っているお口を見せつけるクリスちゃん!!やる気満々だな、このサキュバスめ!?
「気をしっかり引き締めてくださいね、みもりちゃん♥じゃあないと私が緑山さんの次でいただきちゃいますから♥」
分かった…!分かったからそれやめろうって…!
「じゃあ、早速かなさんを探しに行きましょうか♥くれぐれも授業には遅れないようにしてください♥みもりちゃんの本格的な一日が始まった瞬間、皆一斉にみもりちゃんを襲ってきますから♥それに今日はなんと体育の授業がありますよね?みもりちゃんのフェロモンに駆られて繋がっていない女の子達まで絡んでくるかも知れませんね♥あ、ちなみに今日は私のクラス担任の先生がお留守になさった関係でみもりちゃんのクラスと合同授業ですから今日一日よろしくお願いします♥」
絶対後ろで手を打ったよね、これ!?
ここからが本番だってそんな…!今の赤城さんとのことで完全にヘドヘドになったのにこれが今日の一日何度も…!考えたくもないですよ、そんなの!
「仕方ないですよ、みもりちゃん♥あんなにすごいものができちゃったから♥皆、男の人は苦手でもちん○が付いている女の子なら全然いけますし♥いわゆる「ふたなり」っというものでしょうか♥」
なんだ、その専門用語!?意味分かんない!!
「じゃあ、私はこれで行きますがかなさんを見つけたら早く教室に来てくださいね♥皆、待っていますから♥」
それを限ってクリスちゃんはいつの間にか姿を隠しましたが私に与えた大きな不安感は相変わらず私の全身を覆っていました。振り向いた廊下は誰もいない静かないつもの光景でしたが私の前にはまるで嵐の前の静けさにしか見えませんでした…
なんかすごく自分のご都合で説明してたな、クリスちゃん…
でも今は不安ばかりでいられるわけにはいかない状況です!私の貞操は私が守るしかないです!やっぱりそういうのは好きな人とするべきだと思うからそういう流れでやっちゃうのは良くないと思います!
そう決まったら早速先輩を探すことからですね!先輩を見つけてはっきり言ってあげましょう!赤城さんは先輩とやりたがっているって!




