第125話
いつもありがとうございます!
「今日一日、みもりちゃんの「おちんちん」、名付けて「みもちん」はこのゆりが守ります。」
「ちんっ…!というかひどい名前…!」
っといきなり変な名前まで付けて普段絶対口にしない単語を公に乱発し始めたゆりちゃん!
いくら夢だからといってそんなに堂々と口にする単語ではないと思う私に、
「別にいいじゃないですか。どうせ起きたら全部忘れちゃいますし。
むしろみもりちゃんの方こそもっと欲望を出してくださいよ。」
こういう機会はめったにないからもっと心の内側を明かした方がいいと忠告をするゆりちゃん。
単に私にそういったたぐいの単語を言わせたいだけだと思いますが、
「たとえ夢であっても私はやっぱり一瞬でもみゆちゃんの可能性を感じることができてもすごく嬉しいです。」
こんなにウキウキしているゆりちゃんって本当に久しぶりですから。
だから今は好きにするようにそっとしてあげようとー…
「見てください♥みもりちゃん♥
みもりちゃんのために用意した貞操帯です♥」
今、一刻早く夢から覚めたいと激しく思いました。
まあ、そんな感じで一騒ぎをした私達はなんとか登校するようになりましたが、正直に言って私はやっぱりこの状態のままで学校に行くことにちょっとした戸惑いを抱えてしまいました。
クリスちゃんの話によると、
「今日一日その姿で過ごしてもらいます♥
無事に今日が終わったら夢から覚めますので頑張ってください♥」
今日、私達は過ごす時間はあくまで夢の中で設定された一日の時間で、現実では寝ている間に過ぎない。
だから今日が終わったら夢から覚めて現実に戻る。
ということなんですが…
「あぁ…♥みもりちゃんのたくましいおちんちん…♥見るだけで妊娠しちゃいそうです…♥」
私…この状態のゆりちゃんを相手に無事に今日をしのぎきれるのでしょうか…
もちろん力ずくでやられたら私の方が夢から覚めるからそれをうまく利用すればなんとかなるかも知れませんが、
「やっと会えますね…私達の大切な子供…」
私は一方、ずっと夢見ていた「みゆ」ちゃんのことでウキウキしているゆりちゃんをがっかりさせたくないと思っていました。
そんな感じで複雑な気持ちを抱えて登校を決めた私に、
「やっぱり優しいのですね。みもりちゃんって。」
クリスちゃんはそう言ってくれましたが、私はあまり自分のことを好人物とは思いません。
私はただ自分の気持ちに従っているだけで、ただ純粋にゆりちゃんのことが好きなだけですから。
意識することもなく、ただ自然と思った通りに動いているだけ。
そんな私のことを、
「それこそ緑山さんがみもりちゃんのことが大好きな理由だと思います。」
クリスちゃんはそれこそゆりちゃんの私のことが好きになった理由かも知れないと、仄かな笑みで褒めてくれて、
「そ…そうなのか…?あはは…」
私はただ照れくさくその場で笑ってしまったのです。
「大体みもりちゃんは性に対する知識がなさすぎます。」
「なに…?いきなり…」
突如、私に向かってあなたは初すぎますと小言をいうゆりちゃん。
私はどうして自分が男の視線での性に詳しくなければならないのか、どうしてそんなことで自分が怒られななければならないのか、返す言葉すら忘れて困惑してしまいました。
「本当に興味ないんですか?
今のみもりちゃんは半分は男なんですから絶対女の子の体に興味あると思いますよ?」
なに!?その変な偏見!?
がっついて先から変な質問ばかり仕掛けてくるゆりちゃん!
変なやる気スイッチが入ったゆりちゃんはいつになく面倒くさいです!
「な…ないよ…!」
「嘘ですね!絶対ありますって!」
しつこい…!
「ほら!みもりちゃんの大好きなゆりちゃんのおっぱいです!
大きさはみもりちゃんに比べたら少し足りないかも知れませんが、形と弾力なら!」
「だ…だからそういうの、止めっ…!」
ついに服まで開けて生の胸を私の方にグイグイと押し付け始めたゆりちゃん!
た…確かに形もきれいでフニャフニャと柔らかくてぷるんとするのは分かるけど!
「あ、みもりちゃん、勃起しました。」
「本当ですか!?」
って何勃てやがるんだ!空気も読めねぇのか!この変な茸!
うわぁ…!なにこれなのこれ…!下の方からムクムクしてめっちゃ変な気分…!男って皆女の体を見たらこういうもんですか…!?
「それこそみもりちゃんにも女の体に興味があるという証拠です!」
「私だって女の子なのに!?」
「今は半分は男です!」
なんか理不尽!
「そんなに嫌がらないでください、みもりちゃん♥
男の人はそれを「ムスコ」と呼んだりするんですよ?♥」
「え…マジ…?」
まあ、自分の子供のように大事な身体というのは分かりますけど、今の自分にその感覚を一緒に感じて欲しいって言われたらあまり自信はないかも…
なんか起きたらいきなりできてましたし…
クリスちゃんは今の自分をもうちっと素直に受け入れてあげてくださいと言いましたが、
「無理じゃん…それ…」
「やっぱり♥」
私はやっぱり今の自分を受け入れるまでは少し時間が掛かりそうな、そんな予感がしました…
というかお仕事モードのクリスちゃんって意外と面倒くさい…!
「でもこれもみもりちゃんが成長するための大事な体験ですから♥
何事も経験です♥」
「クリスちゃん…今、ちょっと楽しんでる…?」
複雑な私と違って少し楽しそうなクリスちゃん。
もちろん、そのことについてクリスちゃんは、
「いえいえ♥楽しんでるなんて♥」
っと決してそういうことではないと否定しましたが、
「いいですか♥緑山さん♥みもりちゃん自らその気になればいいことですから♥むしろ起きたくないなと思わせことができたらもっと長く二人っきりの時間が持てます♥」
「分かりました♥あ♥ゴムは穴を開けておいた方が良いですよね?♥」
「一層ナマの方が良いんじゃないですか♥」
「確かに♥」
もう意気投合してるし…
そんな感じでついに幕を開けた私の貞操…?いや、童貞…?
まあ、とにかくそれを守るための一人だけの孤独の戦いが始まったのです…!
***
「でも夢っていってもなんかいつもとあまり変わらなくて特に変とは感じないね。」
「そうですね。黒木さんもどこかに行ってますし。」
登校している生徒も、見慣れた景色も、あまりにもいつもの学校と同じでここが本当に夢の中なのかと実感できてない私とゆりちゃん。
むしろ現実とあまりにも同じで、それがまた不気味でゾットするとゆりちゃんはそう言いました。
「さすが夢を操る「夢魔王朝」の「ファラオ」。
悪用されたら私達では手も足も出ないのでしょう。」
なぜ「鬼」や「吸血鬼」などの兵が目立つ腕力もない「夢魔」には逆らわないのか、その理由が分かってきたとゆりちゃんは改めて夢魔、その中でも「幻影王」と呼ばれるクリスちゃんの力に驚きを禁じえませんでした。
夢という空間ではいかなる優れた戦士であろうとも丸腰になる。
そこを突いて精神を破壊しておけば廃人になってしまう。
私達はクリスちゃんのような夢魔の皆が平和的で穏やかな種族であることに心から感謝しました。
「夢というのは単に無意識の表しだけではなく、精神を健康に保つための場所でもあります。」
考えを整理して、自分を自由に解き放つ場所。
そしてそれは単に人間に限られた概念ではなく、生きているすべての生き物に同じことが言えるとゆりちゃんはそう言いました。
「だからあなたの夢を素直に受け入れてあげて。
これもきっとあなたが抱いているあなたの一部です。」
「ゆりちゃん…」
怖がらなくてもいい。
この夢も、ここで起きていることも全部私の一部だと私のことを安心させてくれたのですが、
「目…怖いんだけど…」
「あら♥バレました?♥」
私の下半身をあんな目で見つめて、そんなことを言っても説得力が全くないと思います…
「みもりちゃんのちんちん♥略して「みもちん」♥」
「その呼び方、なんかすごくいや…」
っと鼻歌交じりまでしているゆりちゃんは実にご機嫌そうで、本当はちょっとほっとしました。
だってこの前、色々ありましたし、まだゆりちゃんの機嫌が直ってないとどうしようってちょっと心配でしたから。
でもこの様子を見ると、その心配は当分しなくても大丈夫みたいー…
「あぁ…♥みもりちゃん…♥」
でも別の心配事が今自分の体にできていることに私は改めて気づきました。
特にゆるちゃんが男の人に興味があるわけではないというのは承知の上です。
自分で言うのもなんですが、ゆりちゃんって子供の頃からずっと私のことばかりで、私のこと以外はあまり興味を持ちませんでしたから。
クラスの男女共同で運動会でお披露目する予定だったフォークダンスの練習の時も、
「いやです!みもりちゃんじゃなきゃ絶対嫌です!」
同じ組になった男の子の手を絶対取らず、ギャン泣きになって大暴れして本当に大変でしたから。
「私に触れないでください!触れたらぶん殴ります!」
「ちょっ…ちょっと落ち着いて…!ゆりちゃん…!」
「そこのあなた!みもりちゃんに触るな!ぶっ殺す!」
っと私と同じ組のクラスの男の子に殺害予告までしたゆりちゃん。
結局、
「わりぃ、虹森。俺、やっぱり無理だわ。」
「私の方こそなんかごめん…」
「離れて!私のみもりちゃんに近寄るんじゃない!汚らわしい男め!」
相手の男の子がダンスパートナーを相手役を辞退して、私が男役になって運動会でゆりちゃんと一緒に踊ったわけですが、今思い出しても結構恥ずかしかったんですよね、それ。
他の親御さんたちにめっちゃ不思議そうに見られましたし。
もちろんうちの両親とゆりちゃんちのおばちゃんはすごく微笑んでましたが。
「私、こうやってずっとみもりちゃんと一緒に踊り続けたいです。」
っと満面の笑みで私の手を握って可愛く踊ったゆりちゃん。
私はそんなゆりちゃんを見て、
「まあ、これでいいか。」
っとたった一人の幼馴染のために、精一杯男役としてゆりちゃんをリードしてやったのです。
なんだかんだで結局自分はゆりちゃんに甘い。
どんなにワガママを言っても最後の最後には甘やかしてしまう。
でもそれもまた私に私達の愛情を確かめさせてもらいたいというゆりちゃんの幼いけど大切な気持ちであることを私はよく理解している。
今もゆりちゃんの興味は私だけで、こういうテンションになるのも、単に私への愛情によるだけ。
だから私はこれからもたくさんゆりちゃんを甘やかしてワガママを聞いてやるつもりです。
「みもりちゃん♥お種、ちょうだい♥」
「絶対ダメ!」
もちろんこれとは話が別ですけど。




