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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第5章「夢と茸」
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第124話

いつもありがとうございます!

「おはようございます♥お二人さん♥」


っといつものニコニコ笑顔でおはようの挨拶をしてきたクリスちゃんでしたが、


「クリスちゃん…なの?」


今日のクリスちゃんは明らかにいつもと違ったので、私はしばらくクリスちゃんに「おはよう」って応えてあげられなかったのです。


「ど…どうしたの…!?クリスちゃん…!その格好は…!」

「しかも思いっきり壁から飛び出てきましたが…」


初めての出会いから自分が見てみたクリスちゃんはいつも淑やかで大人しい子でした。

「Scum」所属でいつも黒いセーラー服を着ていたクリスちゃんは自然と品格と優雅さがにじみ出たのです。

夢魔(サキュバス)」の華やかさと妖艶さが上品さと絶妙に混ざり合って、まさに王族としての品格を感じさせる。

会長さんやあの速水さんとはまた別の意味の威厳と品位を見せつけるクリスちゃんでしたが、


「これってほぼ全裸じゃん…!」


今日のクリスちゃんはなんというか…!マジでサキュバスっぽい…!


一体どこから湧いてきたのか、いつの間にか私とゆりちゃんの前に姿を表しているクリスちゃん。

でもその時、自分が認識したクリスちゃんは普段の姿からあまりにも離れていて、つい別人ではないかなとそう思ってしまいました。


かつてクリスちゃんの褐色肌がこれほど出されたことがあるのかなと思われるほどお肌丸出しのクリスちゃん!

普段はあまり見せてくれない悪魔的な角と羽、そして艶めかしい尻尾まで出して私達の前に現れたクリスちゃんはいつもとは違った妖艶な目で私達のことを見ていました。

肝心な部分だけはなんとか隠しているんですが、これって殆ど紐だけだから本当に隠していると言えるのでしょうか…!

実際、紐からはみ出したあのでっかい胸のせいで今でも紐の衣装が破けそうに張り詰めていて危なっかしくて仕方がない…!というかクリスちゃん、乳輪でっか!


「これがクリスちゃんのお仕事モード…!」

「すごいですね…」


こういうのに結構詳しいと思われているゆりちゃんすら感心させてしまうすごい格好。

私達は普段なら絶対見られない型破りのクリスちゃんに言葉も失ってしばらく呆然とするようになってしまったのです。


「…後でその衣装、貸していただけないでしょうか。」

「嘘でしょ。」


もちろん常人の私と違ってゆりちゃんの判断能力は半端なかったのですが。


こんな朝っぱらからすごい格好で登場してきたクリスちゃん。

しかもまるで映画とかで見た幽霊さんのように壁をすり抜けて私達の部屋に入ってきたクリスちゃんは、


「興奮してみもりちゃんのことを襲ったりしてはダメです♥

そんなことをしたらみもりちゃんが夢から覚めてしまいますから♥」


手始めに私を押し倒しかけたゆりちゃんを制止して注意事項について説明したのです。


「夢…?」

「はい♥」


クリスちゃんの説明は大体こんな感じ。


「ここはみもりちゃんの夢で、みもりちゃんが嫌がったら起きてしまう恐れがあります♥

もっと今のみもりちゃんと一緒にいたいのならみもりちゃんが起きたくないなと思わせるのが一番です♥

もちろんみもりちゃん自らやる気になるのは別なんですが♥」


ここは私の夢の空間でもし私がここでのできことにうんざりして早く起き上がりたいと思ってしまったらここの世界自体が消えてしまう恐れがある。

だから強引に私を襲ったり、危害を加えようとするのはNG。

これはある意味で私の防衛機制のようなもので、この世界において一番主体となるのはあくまで自分。

だから私が嫌がりそうなことは慎んだ方がいいとクリスちゃんはゆりちゃんに事前に忠告をしたのです。


なら私の夢でどうやってゆりちゃんとつながっていて完全なる意識を保つことができるのか。

それは今回クリスちゃんが私の夢を媒介にして皆とのチャンネルをつながったためだと、クリスちゃんはそう説明したのです。

そしてこれが私の夢が見たいというクリスちゃんの希望であって、夢だったと私達にそう話したのです。


「でも夢にしてはすごくリアルすぎなんだけど…」

「そう感じてもらえるように私がそうし向いておきましたから♥

軽いテーマパークと思ってくれれば良いんです♥」


っと軽く笑ってしまうクリスちゃんに私はさすがに、


「私、ちょっと深刻だからそんな遊園地感覚で言わないでもらいたいんだけど…」


と言わざるを得ませんでした。


「へえーでもそんなことまでできるんだ。」

「ムムムッ…せっかくのチャンスなのに何もできないなんて…なんという殺生な…」


ゆりちゃん?


まあ、まとめるとここは私の夢の中でクリスちゃんの能力「(かがみ)」によって皆とつながっている状態ということです。

私はクリスちゃんの能力に触れるのはこれで二度目ですが、毎度その非現実の力に驚かされちゃいます。


今から私達はいつも通りに普通な一日を過ごしていきますが、実際時間が経つのは私が寝ている時間だけで、現実に全く影響はないから安心して欲しいと、クリスちゃんは私を安心させてくれたのですが、


「じゃ…じゃあ…!これはなんの…!?」


私はやっぱり()()ばかりは全く納得がいかなかったのです…!


「夢は心の鏡という言葉があります。

普段意識できなくても内在されている考えや気持ちが夢の形で発現することは多々あります。」


例えば現実では決して叶わない夢や願い事が夢の中では現実の事情とは関係なく叶えられたり、密かに隠していた秘密が開放されたりすることが結構ある。

実際、自分にもそういう経験があったため、私はクリスちゃんの言っていることがなんとなく分かるような気がしました。


「つまりこれはみもりちゃんの内在した欲求の現れで、みもりちゃんはいつも私に絶対孕ませてやると意気込んだ「種付けプレス」をぶち込みたいという欲情を抱いていたってことですか…?

幼馴染に、しかも同じ女の子の相手になんという邪な欲情…」


なんでそうなる。

というか顔!


まあ、一人で勝手に妄想を初めたゆりちゃんのことは差し置いてもこれが自分の内在した欲望という点はさすがに合点がいきません。

確かにゆりちゃんのことは大好きで、ずっと一緒にいたいという気持ちに嘘はありませんが、私、今まで一度も男の人になりたいって思ったことなんて…


「あ…」


っと思いかけた時、ふと頭の中をよぎっていくかすかな記憶。


「大丈夫?ゆりちゃん…」


いつのことだったのでしょう。


「皆、ゆりちゃんが学校に来なくてすごく心配してるよ。」

「…学校なんていきたくないです…」


小学校の時、何日か学校を休んだゆりちゃん。

部屋に引きこもって私が会いに行っても全然会ってくれなかったゆりちゃんのことがすごく心配になった私は何日も訪ねてきてやっとゆりちゃんに会えました。


当時、今までの価値観が丸ごと覆るほどの衝撃で部屋に引きこもるようになったゆりちゃん。

ゆりちゃんが私が差し出した手を握って震えながらこう言ったのです。


「…女の子は女の子の子供が産めないですって…

私にはもう「みゆ」ちゃんに会うことも、みもりちゃんのお嫁さんになることもできません…」


今は大分飲み込んだようですが、あの時の幼いゆりちゃんにとってはきっと衝撃なことだと思います。

私はもう知ってましたが、ああなることを予想してあえて本当のことを言わなかったのです。

きっとがっかりして、悲しんでしまうから。


そんな私の中途半端な優しさが招いてしまったことは単なる失望。

私はそれにちゃんと責任を取るために、そしてゆりちゃんがまた元気になれるようにこう言いました。


「そんなことないよ。

ゆりちゃんはあの日からずっと私のお嫁さんで、「みゆ」ちゃんだってきっと会えるようになるから。」


生物として無理なのは承知の上。

でもたとえ本物の子供ではなくても、私達の間で生まれた「みゆ」ちゃんという愛情と絆は決して変わらない。

そのことを忘れないで欲しい。


その言葉に少し元気を戻したゆりちゃんは翌日からちゃんと学校に出るようになりました。

それからほんの少しだけ大人の世界を覗いたようなゆりちゃんは、


「落ち込んでいる暇はありません。

私はみもりちゃんのお嫁さんになるためにもっともっと精進します。」


熱心に花嫁修行を積むようになりました。


でもそんなゆりちゃんを見て本当は心のどこかでこう思ってました。

ゆりちゃんが悲しむのは嫌。もっとゆりちゃんが欲しいものをやって欲しい。

自分にもしゆりちゃんに本物の「みゆ」ちゃんに会わせることができたらと。

生物的に無理なのは知っていても、もしそれができたらゆりちゃん、きっとすごく喜ぶだから。


そしてその無意識の望みが夢の中で発現して、私にこんなものを付けたと気づいた時、


「なんでこうなるの…!」


私は融通の利かない自分の夢にこれが最善だったのかと、自分の夢に向けて何度もそう聞いてしまったのです。


「みもりちゃん…」


そしてその顛末を全部知ったゆりちゃんは、


「じゃあ、私はみもりちゃんの選択に託します。」


すべての選択を私に譲って、それ以上、強引に求めるのは止めると約束してくれたのです。


「これはみもりちゃんの決意、そして私への気遣いですから。

それを強引に取り上げようとするのは野望なことです。」

「…これにそんな大層な意味を持たせてもピンとこないんだけど…」


もちろんその言葉は私にとってやや複雑な感情を催しましたけどね。


「でも一つだけ教えて下さい。」

「ん?」


っと急に真剣な目で私にある質問に答えを求めてきたゆりちゃん。

もしかして子供の時のことや「みゆ」ちゃんのことなのかなと思った私は、


「先、私で興奮しました?」


どこに言ってもゆりちゃんはゆりちゃんだなと改めて思い知らされてしまったのです。


「私でムラムラしなした?あそこがウズウズしてムクムクしました?

()()しました?」

「ぼっ…!」


そして続いてグイグイ攻めてくる露骨な質問!

そういう質問なら答える気なんてこれっぽっちもしないんだけど…!


「ええ…!ぷ…プライベートなんだか答える義務なし…!」


っとごまかしてその質問から逃げようとする私を、


「いいえ!もし私で勃起したのならちゃんと責任取ってもらいます!」

「なんで!?」


絶対逃さないという勢いで食いつくゆりちゃん!

なんでそんなことが知りたいの!?


「が…学校!学校行かなきゃ…!」

「逃げないでください!勃起しました!?しませんでした!?」

「し…知らないよ…!」

「ま…待ちなさい!」


っとついに部屋から逃げてしまう私と起きかけてくるゆりちゃん!

でもすぐ捕まってしまった私は、


「しました…勃起…」


結局本当のことを言って、やっとあそこから開放されたのです…

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