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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第5章「夢と茸」
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第122話

ブックマーク1名様誠にありがとうございます!もう14名様ですね!とても嬉しいです!

台風が来ていたそうで皆様何卒お気をつけてください。韓国にも雨がたくさん来ています。

いつもありがとうございます!

爽やかな朝。

一点の曇りもない高くて晴れやかな青空。

窓の外にはすずめさん達が楽しくさえずっていて、また新しい一日が始まったことを教えてくれているみたい。


「ん~」


夜中、少し固まった体を立ち上げて思いっきり伸ばした後、私は傍で寝ていたゆりちゃんを起こして、一緒に学校に行く準備をしようとしました。


「ゆりちゃん、起きて。もう朝だよ?早く起きないと。」

「…もう朝ですか…」


まだ眠そうにぼやけているゆりちゃん。

普段は私よりもっと早く起きるのに未だにうとうとしているゆりちゃんは半分は閉じている目をこしこし擦ってのろのろに体を起こしました。


「おはよう。ゆりちゃん。」

「…おはようございます…みもりちゃん…」


手のひらで口を隠してあくびをするゆりちゃん。

まだ眠気が残っていてうとうとしているゆりちゃんと違って今日の私は絶好調!

なんだか体も軽くてコンディションもバッチリ!元々朝が苦手なタイプではありませんが、この調子なら今日の練習、すっごく頑張れそう!

それに私、今日からゆりちゃんと一緒にまた学校に行けるのがすごく楽しみで!


「もう…そんなに私と学校に生きたいんですか…?甘えん坊さんなんだから…」

「ボケる余裕はあるんだ…」


寝ぼけてもボケる気力はある。ボケだけに。

なんちゃって…えへへ…


「トイレ、先に使わせてもらうね?」

「…ここで出してもいいですよ…?私が片付けますから…」


起き抜けの水みたいな感覚でしれっと私の「おしっこ」を求めるゆりちゃん。

うん。いつものゆりちゃんですね。


それでは私はゆりちゃんがまだベッドでこくこくしているうちに、早速用を済ましておきましょうか。


「今日からまた一緒に通えるんだ。」


早く準備してゆりちゃんと一緒に学校に行きたい。

無事に取り戻した私達の大切な日常。

このなんともない、ただ流れるだけと思われるかも知れない変哲もない時間がどれだけ大切なのか、それを私は自分の身を持ってよく知っている。

流れる平穏な時間の中で大事に重ねてゆく思い出と幸福感。

あの家では決して感じられなかったその充実感を私はもっと大切にしたい。


「日常への感謝。それこそ平和の第一歩だよ、みもり。」


大学で歴史と哲学を教える教授として教壇に立つお父さんが私に教えたこと。


「当たり前なことなんて実は何もないんだ。

見えないだけで私達は常に多くの存在たちに助けられているの。

私達が当たり前に住んでいるこの星だって私達に居場所を与えてくれたことに過ぎないから。」


だから当たり前とは思わず、与えられるその全てに感謝する心を持ちなさい。

「大家」の継承権序列第2の「鉄国(てつごく)源之助(げんのすけ)」、私のお父さんはそうやって私の巡ったすべてを愛して、いつか恩返しできるようにと私を育てたのです。

そしてあの家でやっとお父さんの話を理解するようになった私は精一杯今の日常に心から感謝しました。


だから私は嬉しいのです。

またゆりちゃんと一緒に学校に行って、同好会で先輩たちと一緒にアイドルをやって、笑い合う日常に戻れて。

自分で言うのはさすがにちょっと恥ずいのですがこの気持ち、ゆりちゃんならきっとー…


「みもりちゃんのおしっこ…レモン味…」


全然伝わってなかったっ…って今、なんて?


まあ、ああやってなんかよく分からないことばかり言っているゆりちゃんですが本当はすごくほっとしていると思います。

だって誰よりもこの日常を取り戻したいと思っていたのはゆりちゃんだったはずですから。


「この日常…ずっと守りたいな…」


っとやっと戻れた日常に感謝をしてトイレに入って下着を下ろした瞬間、


「え…?なにこれ…?」


私はいつもと違う光景に言葉すら失って、その場に固まってしまったのです。


そして間もなく現実に戻って現状を把握した時、


「えええ…!?」


私は自分の下半身についている、絶対存在しなかったはずの大きな物体に、ついに驚愕の叫びをあげてしまったのです。


「どうしたんですか…!?みもりちゃん…!」


そして私の叫びを聞いて一瞬で駆けつけてきたゆりちゃんに、


「み…見ちゃダメ…!」


こればっかりは見せられないと必死にトイレのドアを閉めようとしましたが、


「え…みもりちゃんのお股のそれ…」


どうやらもう遅かったようです…


***


「み…みもりちゃん…これは一体…」

「わ…私も分かんないよ…起きたらこんなものが…」


私達は学校のことも忘れてしまうほど戸惑っていました。


「わ…私…何かの病気なのかな…」

「そんなことないです。ただ…」


真っ青な顔になって自分の身体に起きた変化をなにかの病気ではないかと心配するみもりちゃん。

それは多分ないと思うのですが、


「どうしよう…私…もう女の子にはいられないよ…」


さすがに血の気が引いた顔で怖がっているみもりちゃんを見るのはかなり堪えます。


「こんなの…全然可愛くない…もうお嫁に行けないよ…」


そしてついに泣き出し始めたみもりちゃん。

突然の出来事に戸惑いのあまり、どうしたらいいのか全く分からなくて泣くことしかできない自分のことをみもりちゃんならきっと不甲斐ないと思うはずです。

そんなみもりちゃんをまず安心させるために、私はそっとみもりちゃんの震える体を抱き抱えて、


「大丈夫。なんてことではありません。大丈夫ですから。」


みもりちゃんの可愛い耳元にあなたは大丈夫、変なことなんて一ミリもない、あなたはいつもの可愛いみもりちゃんだと、何度もそう囁いたのです。


そう。

大したことではない。


「ええ…♥全然問題ありませんから…♥」


だってこれはただみもりちゃんのお股に()()が生えてしまったというほんのちょっとしたトラブルに過ぎないんですから…♥


朝起きたらなぜか下半身にどっしりしたもの、俗に言う「◯んぽ」が生えてしまったみもりちゃん♥

パジャマの中からこんなにぷっくりと膨れ上がって、これをなんとか隠すために一生懸命恥じらいながらパジャマを引っ張って抑え込んでいるみもりちゃんはもうこれだけで最高すぎ♥

でもそれだけではどうすることもできないその凄まじい大きさに私は内心感服していました♥


「き…昨日までは何もなかったのに…」


トイレで確かめる前までなんの異物感も感じられず、まるで前からずっと自分の身体のように至って自然だったというみもりちゃんの話に私は一体みもりちゃんの体に何が起きたのか、その原因を一つ一つ辿り着いてー…


「あぁ…♥みもりちゃん…♥可愛いあなたにあんな凶悪なものがついているだなて…♥」


正直に言って全く興味ありません♥


黒い髪と新緑のつぶらの目がとても可愛い私のみもりちゃん♥

か弱い雰囲気と小動物のようにそっと潤った瞳はギュッと抱きしめてずっとまもってあげたいほど淑やかで可愛い♥

そんなみもりちゃんにまさかこんな…こんなものが生えてしまうとは…♥


「どうしよう…ゆりちゃん…こんなの、おかしいよ…」


っとメソメソ泣いているみもりちゃんには悪いのですが、私にとってこの状況は千載一遇の好機と言わざるを得ませんでした♥


「これならついに「みゆ」ちゃんに会えます…♥」


っと子供の頃からずっと夢見てきた夢をついに叶えられると有頂天になっていた自分♥

私はついに私達の愛が結ばれるようにこのようなチャンスを与えてくださった神様に心から感謝をしたのです♥


男の人は嫌いです。

野蛮で汚くて理性の欠片も感じられるので嫌いです。

いや、もっと正確に言わせてもらえばみもりちゃん以外の人なんてどうでもいいと思われるくらい全く興味ありません。

その中で、私はとりわけ男の人が嫌いなだけです。


「ゆりちゃん。将来の夢、なんて書いた?」

「そんなの、「みもりちゃんのお嫁さん」に決まってるのではありませんか♥」

「えへへ…そうか。ありがとう。」


っと何度もみもりちゃんに将来の夢を聞かれても私の答えは「みもりちゃんのお嫁さん」一筋♥

それ以外は全く興味なくて、高校入学の時もそう書きました♥


未来計画は万全。

高校を卒業したらお父様のような世界政府に勤める官僚となって、世界中の人々に私とみもりちゃんの関係を認めさせる法律を作る。

そしてみもりちゃんが安心して暮らせる世界にするために、私はこの身を捧げて世界に貢献する。

いつかみもりちゃんを助けるためにお父様がそうしたように。


「「みゆ」ちゃん?」

「はい♥将来生まれるみもりちゃんと私の子供のお名前です♥」


そして私達の間で愛の結晶として生まれる私達の子供。


「みもりちゃんとゆりの頭文字から取ってきました♥いかがでして?」

「なるほど。とても可愛いお名前だと思う。」


みもりちゃんと自分の頭文字から取って「みゆ」と名付けた大切な子供。

私はみもりちゃんと未来のみゆちゃんのために、その二人のことだけを思って今までずっと頑張ってきました。


「あー…でも…」


でもその時、なぜか少し困りそうな顔をしたみもりちゃん。

私はなにか気がかりでもあるのかと思いましたが、


「今、授業なんだから…」

「あ。」

「おい、そこの仲良し二人。廊下に立ってろ。」


あの頃から自分はみもりちゃんのことになったらついつい夢中になってしまう子だったようです。


結局二人仲良く罰を受けることになりましたが、


「絶対幸せになろうね?ゆりちゃん。」


みもりちゃんは真剣に私の夢を受け入れて、一緒に幸せになろうと約束してくれたのです。


でも私はずっと不安でした。

大人になっていくほど、みもりちゃんのために色んなことができるようになった自分。

私は自分が成長すればするほどみもりちゃんをもっと幸せにできることを学習し、成長する努力を弛みませんでした。

でも大人になっていくということは単純に体が大きくなって行動範囲が広くなることだけを意味するのではなく、知識と責任が増えるということも分かりました。

そして私はついに知ってしまったのです。


「女の子は同じ女の子の子供を産めない。」


心に建ててきた夢という鉄の城。

築き上げてきた希望、そして決意が突きつけられた現実に崩れるのは一瞬でした。

世界が一瞬で天地がひっくり返るような非現実的な感覚。

視界がぼやけて、目眩がして、ついに気切までしてしまった自分。

私は学校まで休んで何日もずっと泣き続けたのです。


お父様も、お母様も、私がこうなることを分かって本当のことを教えてくれなかった。

そして皆で幸せになろうというみもりちゃんとの約束が果たせないと、そのあまりの罪悪感と申し訳無さに私はこの先、どんな顔でみもりちゃんに会えば良いのか分かりませんでした。


そしてそんな私のために、家に訪ねてきたみもりちゃんは私の手をギュッと握ってこう言ってくれたのです。


「大丈夫だよ、ゆりちゃん。どんなに苦しいことがあっても私はゆりちゃんの傍にずっとついている。

だって私はゆりちゃんのお嫁さんで、ゆりちゃんも私のお嫁さんだから。」


その言葉に私は、


「そうです…私にはみもりちゃんがいるのです…」


辛い現実を受け止め、目の前にいるみもりちゃんを全力で幸せにすると元気を出してもう一度立ち上がるようになりました。


みゆちゃんのことはとても悲しかった。

でも今はみもりちゃんのことに集中して自分にできることを精一杯やろう。

そう心を引き締めた私はそうやってみもりちゃんのお嫁さんになるために修行を重ねているのです。


男の人は嫌い。

でもこれさえあれば、


「私はみもりちゃんの子供を、みゆちゃんを産むことができる…!」


そうなったら私達は晴れて「家族」…!

私達はずっと一緒ということです…!


そう思ったら急にお腹が「キュンキュン♥」して胸の高まりが止まらなくなってしまいます♥

こんなに可愛い顔をしてなんという凶悪な大きさ♥

男の人のものには全く興味ありません、むしろ全員死ねばいいって思っているくらいです。


でもこれがみもりちゃんのものになったらまた話は別♥

私はすでにみもりちゃんの「初経験」をいただくことに頭がいっぱいでした♥


「きゅ…急にどうしたの…!?ゆりちゃん…!?」


こうなったらもう動かざるを得ない…♥

そんな考えがふと頭の中をよぎった時、私の体はなにかに惹かれるように動き出したのです♥


「どうして服を脱ぐの…!?」

「いや♥今のみもりちゃん、私のことを見て興奮してくれるのかなって思って…♥」

「パ…パンツ…!パンツ、見えちゃうから…!」


なんという初々しい反応♥

ちょっと下着をちらつかせただけでこの反応とは♥


「ここはもうちょっと大胆に攻め崩して行きましょうか…♥」


っと思って胸元を開けて中の肌を見せようとした瞬間、


「はいーそこまでです、緑山さんー」


私は今から自分が何をするのか、全部分かっていた声に一旦動きを止めざるを得ませんでした。

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