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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第4章「みもゆり」
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第108話

私自身は結構チョコミントを好きな方だと思いますが皆さんはいかがですが。韓国では「ミンチョ団」という話がありますが私もその一員だと思います。

いつもありがとうございます!

その夕方私は久々にみもりちゃんとの二人っきりのディナーを楽しむことができました。

夜の海岸が見える素敵なレストラン。

あそこにはライトアップしたレインボーブリッジが地上に降りた銀河のように華々しく夜中を明かしています。


ここは前にみもりちゃんが黒木さんの紹介でバイトしてたお店だそうです。

一週間だけの短い期間でしたが初めて初めてのバイト経験はなかなか新鮮で勉強になったとみもりちゃんは十分満足していました。

そしてそのバイト代を今日という日のためにコツコツ貯めてくれたみもりちゃんのことがたまらないほど愛しくなった私は


「もう…♥みもりちゃんったら…♥」

「な…なんでそんな目で見てるの…?」


いつの間にか自分も知らないうちに()()してしまったのです♥


でもみもりちゃんが用意してくれたのはただの二人っきりの優雅なディナータイムだけではありませんでした。


「それとこれ。」

「これって?」


っとみもりちゃんが渡してくれた箱のラッピングを剥がして中身を確かめた私は


「えへへ…前よりはちょっとうまくできたかな…?」


その中にあるのが私へのみもりちゃんの有りたっけの気持ちがいっぱい詰まっていることに気づくことができたのです。


みもりちゃんが私のために作ってくれた手作りの髪飾り。

それはいつもボロボロになった昔のものを付けている私のことを気にしてみもりちゃんが新しく用意してくれた私へのプレゼントでした。


青空のような晴れ渡るスカイブルーが好きなみもりちゃん。

そして私の好みの豊かな緑色。

2つの色をベースに作られた爽やかできれいなその髪飾りは前のものと同じ形であの頃の想いもいっぱい詰まっていてすっかり気に入ってしまったのです。


「前も作ってくれたんですよね?髪飾り。」

「うん。まあ、出来はちょっと悪かったけどね…」


っときまり悪く笑ってしまうみもりちゃん。

でも私にとってみもりちゃんからもらった初めてのプレゼントであるそのボロ臭い髪飾りは一生の宝物でした。


今はボロボロになった髪飾り。

でもそれは私が生まれて初めてもらった一番大切な友達からのプレゼントで私の一生の宝物。

出来があまりよくないから恥ずかしいとみもりちゃんはいい加減新しいものを買ってあげるとずっとそう言いましたが


「ううん。私はこれがいいです。だってみもりちゃんが初めて私のために一生懸命作ってくれたものですから。」


私はそれを一度も体から外さなかったのです。


ただ身につけているだけでパワーが漲ってくるような高揚感。

この気持ちがあれば、みもりちゃんが自分の心を支えてくれる限り私はいつまでも戦い続けられる、自分の勝利は決して揺るがない。

ずっとそう思ってきた自分が初めて敗北感を覚えたあの時、


「私のことを好きにしてくれるファンがいたんだ…嬉しいな…」


みもりちゃんのその笑顔が見られた時、私の自身はあっけなく崩れてしまったのです。


ロコドル活動の当時、あまり人気が出なくて落ち込んでいた子供のみもりちゃんを元気づけたのは自分ではなく、私達「フェアリーズ」のことが大好きだった黒木さん。

みもりちゃんのことにおいて誰よりも優先されなければならないのはいつだって自分。

その自分だけの理、存在意義が揺らいた時、私のみもりちゃんへの執着は以前には比べ物にならないほど酷くなりました。


どこへ行っても私は必ずみもりちゃんについて行って何をしても私達は一緒じゃなければならないと言い続けました。

何年もそのような行為が続け、やがてみもりちゃんの方から私がいなければ何もできなくなって私はやっと自分の気持がみもりちゃんにも届いたという大きい勘違いをしてしまった。

今までみもりちゃんに黒木さんのようないい友達があまりできなかったのは全部自分のせいかも知れない。

私は今回のことでやっとそのことに気づいたのです。


でも


「私はゆりちゃんが好き。だからこれからも一緒にいて欲しい。」

「みもりちゃんには緑山さんが必要です。」


二人は私を貶したり、罵ったりもせずただ素直に私のこんな歪んだ気持ちさえ受け止めてくれました。

今までのゆりちゃんでいい、今までの緑山さんでいいと二人は私にそう言ってくれたのです。


「これからもずっとあなたのことを好きにしてもいいですか…?」


っと私が聞いた時、


「うん。もちろん。」


みもりちゃんはただいつもの笑顔を向けてくれるだけでした。


「付けてみてもいいですか…?」

「うん。もちろん。」


喜びに震えながらみもりちゃんの前で早速プレゼントの髪飾りを付けてみる自分。

少し緊張した声で


「に…似合いましょうか…?」


っと私が今の自分の姿をみもりちゃんに聞いたら


「うん。すっごく似合うよ。世界一で可愛い。」


みもりちゃんは私のことを世界一と言ってくれたのです。


「そ…そうですか…?えへへ…嬉しいです…」


何柄でもなく恥じらっていると言われたら返す言葉が見つかりませんがそれでも私はあの時の湧き上がる喜びを抑えきれないほど嬉しかったのです。


「もう…それはもう外してもいいのに…」

「えへへ♥ダメですよ♥だって私の宝物ですもの♥」


でも最後まで初めてもらった昔の髪飾りを外さない私のことにみもりちゃんはしょうがないって笑ってしまったのです。


正直に言ってあの時、これ以上望むことはありませんでした。

みもりちゃんと思う存分デートを楽しんで手作りのプレゼントももらったいっぱい話し合っていっぱい笑い合いました。

でも私は何も知らなかったのです。

みもりちゃんが今日のためにどれだけ頑張っていたのか。


「じゃあ、今日のメインイベント会場へ向かいましょうか。」


っと食事後のデザートまで済ました後、突然場所を移す提案するみもりちゃん。

その時に聞いた「メインイベント」というキーワードはあっという間に私に新たな期待を呼び寄せ、胸をときめかしました。


「実はここのレストランってウェディングホールまで揃えていて今日はそこにゆりちゃんを連れて行くのが目的だったんだ。」

「ウェディングホール…ですか?」


そしてその次から次へと出される幻のような魔法の言葉に私はようやく状況が理解できてきたのです。


「私と()()してくれる?」


自分はこれからみもりちゃんの手を握ってバージンロードを歩くことになることを。


***


「私はチョコミントパフェで。」

「わたくしはアールグレイでお願いしますわ。」


っと先までの目的をすっかり忘れて注文する二人。

その姿に一瞬戸惑うようになったかなだったが


「まあ、ここまで来たらもう安心だよね。だって緑山さん、絶対陥れられたみたいな顔してるし。」

「つまんないですわね。」

「つまんないって…ななってば…」


二人のことに特に不安要素は見当たらないと判断した二人はこれ以上見守る必要はないと心配するかなを安心させた。


「なんか思ったより虹森さんの方がしっかりしていてほっとしたよ。」

「そうですわね。定番過ぎてちっとも面白くありませんでしたわ。」

「やっぱり面白がってたじゃん…なな…というか何期待してたのよ…」


っと呆れた顔をしているかなにななは最後まで答えを出さなかった。


「というかウミウミって本当にチョコミント好きだね。いつもそればかりじゃん。」

「美味しいよ?チョコミント。」

「確か1年の時、それで怒ったことあるんですわよね?「チョコミントは歯磨き粉じゃないよ」って。」

「あ、あったあった。あんなに怒るの初めて見たよ。」

「だって歯磨き粉は食べ物じゃないから。」


っといつもチョコミントスイーツだけをこだわるうみにたまには他のものも試したらどうと提案するかな。

かなはせっかくだからもっとうみに色んな味に触れる欲しいという気持ちがあり、うみにもその気持ちがよく分かっていた。


「私のおすすめはこっちのトロピカルタルトとかかな。マンゴーもパインアップルとかめっちゃ美味しいよ?」

「○ンコが美味しいですって…!?なんとはしたない人なのかしら…!」

「うん、それ絶対やると思ったから。」


「でもそんなおじさんみたいなシモネタ、全然面白くないから」ときっぱりと断るかな。

ちなみにななはそういうネタが割りと好きな子であった。


「あれ?二人共、どこかへ行こうとしているんじゃない?」

「本当だ。」


っと食事を終えてどこかへ向かおうとしている二人のことに気がついた信号機トリオ。

追いかけようとする3人の前に現れたのは


「クリス…!?」

「黒木さん!」


みもりの手伝いに一足先にここに来ていたみもりとゆりの永遠のサポーター、「魔界王家」の第1王女である「黒木クリス」、真名「ニトクリス」であった。


「皆さん。お願いがあります。」


そして早速なな達に一つのお願いをするクリス。

今まではあまり自分のことを主張したりする積極的な子ではなかったため、ななは珍しく熱くなったクリスを見て少し驚いてしまったが


「そういうことならもちろんお手伝いしますわ。」


それがそんなに嫌な気分ではなかったななはクリスからの頼みを快く引き受けた。


「やはりあなたは彼女達が好きなんですね。」


っと微笑んでいるななに


「うん!もちろん!」


クリスは自分のありたっけの気持ちを満面の笑みで表したのであった。

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