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皆で仲良しアイドル!異種族アイドル同好会!  作者: フクキタル
第4章「みもゆり」
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第87-21話

いつもありがとうございます!

「「みもりちゃんパンティー」です…どうぞお飲みください…」

「あ…ありがとうございます…頂きます…」


渋々私のためにわざわざお茶までごちそうしてくれる緑山さん。

可愛いティーカップの中にみもりちゃんの縞柄の下着が浸かっているとても趣のあるこのお茶は緑山さんのとっておきのレシピだそうですが


「空気が重い…」


こんな素敵なお茶もさすがにこんな雰囲気ではゆっくり味わえないものですね…


私の名前は「黒木クリス」。

真名「ニトクリス」の名前として生を受けた「魔界王家」の第1王女であり既に次なる「ファラオ」の座を授けて頂いた正真正銘の魔界の姫で現在「Scum(美化部)」の「特殊対処班」所属で実戦経験を積んでいる第3女子校の1年生です。


種族は「夢魔(サキュバス)」。

夢の中で相手の意識を操ったりする「夢魔王朝」の一員で「神殿」の巫女である「神官」の修行も兼ねている見習いの「神官」です。

でも自分に夢魔としての素養はあまりないと私はそう思います。

夢魔というのは色気や様々なスキルを利用して相手のことを誘惑してからこそ力を得て能力が発揮できる種族ですが私はご覧の通り内向的な性格であまり魅力的ではありませんから…

ただちょっと胸が大きいだけで特に目立つところもない普通な陰キャのだけです…


私は「鏡」という能力で幻想を具現化したり夢と現実を入れ替わったり夢に関わることなら大体自由自在に制御し、操ることができますが普段は自分の身を隠したり相手に幻を見せたりする程度の力しか使いません。

大技を出したらちょっと()()が強くなっちゃってその後始末が結構大変で…


この前のななお姉ちゃんとかなさんの神前式の時だって…


「ええ…!?わ…私の下着が欲しいって…!?なんでまたゆりちゃんみたいなお願いを…!」


式が終わった後、急にオ○ニースイッチが入っちゃってみもりちゃんに協力して欲しいって言い出した時だってみもりちゃん、すごく困ってましたし…


「わ…分かった…でもくれぐれもクリスちゃんだけのものにしてね…?」


でも結局ブラを外して渡してくれる優しいみもりちゃんでした。


花柄の可愛い脱ぎたてのブラ。

そのポカポカした温もりと汗ばんでしっとりした感触はもう最高でした…

あんなに濃厚で生暖かい匂いがしてあれで何度イカれてしまったのか…♥

まさか自分が憧れの人の下着で自家発電なんかをする変態だって思いもしなかったんですがとにかく今まで一番新鮮で刺激的な経験だったのです♥


でもまさかみもりちゃんのパンツで「パンティー」まで淹れるとは…

さすが世界最高の「みもリスト」である緑山さんです…


鼻をくすぐる芳醇な香り。

履いた期間が長ければ長いほどいい香りがするという緑山さんは


「この舌触りから見るとこれはおそらく3日熟成のパンツですね…」


一度匂いに触れただけで茶葉…?の熟成期間を当ててしまうほどの経験値の違いさを見せつけたのです。


「イベントやその日のコンディション、季節によっては熟成期間が同じでも違った味がするんです。

例えばみもりちゃんが汗をいっぱい流した日はいつもよりもうちょっと潮風のようなしょっぱい香りがして女の子の日にはパンチの強い強烈な香りがしてー…」

「なるほど…勉強になります…」


いつになく真剣な顔で自分だけの「茶道」について詳して説き始めた緑山さん。

私はその確固たる哲学に尊敬の念を抱き、彼女の胸を借りて勉強させて頂くようになりました。


私が「Scum」で広報係のアイドルを務めることにしたのは全てみもりちゃんと緑山さんの「フェアリーズ」に憧れていたからでその気持ちは今も変わりありません。

小さかった頃、療養先の町で偶然出会ったみもりちゃんと緑山さんのロコドル「フェアリーズ」のことがあまりにも素敵でキラキラしてて…

たとえ自分がその憧れの緑山さんからみもりちゃんのことで嫌われているとしても私は先輩のアイドルとしての彼女のことを心から尊敬しています。


「…どうしてこんなところまで来たのですか?」


だからこそ私は自分にそう聞く彼女にこう答えることにしました。


「だってあなたの「楽園」はいつだってみもりちゃんのお傍にありますから。」


何があっても「フェアリーズ」は二人でなければならない。

たとえその中に自分はなくても私はあの頃の自分が愛してやまなかった元のお二人さんに戻って欲しかったのです。


緑山さんがどんな思いでここに来てまたここの住民に戻ろうとしているのか私には分かります。

数日前から私は部長に頼んで緑山さんのことをずっと見守っていて彼女が謎の女性と一緒にここに出入りしていることは既に把握済みでしたがここに入るには「女将」さんの許可が必要で私一人では入り口を見つけ出すのも精一杯だったんです。


幸い知り合いの方がここの「女将」さんの子孫で彼女に頼んでここに入ることができたんですが


「お嬢さん…ガイドは要りませんか…?」


入り口であの大きな体のサソリみたいな方からガイド役を勧められた時はさすがにびっくりさせられちゃいました。


「そちらの方はジン様の来客だ。案内役は私がする。」


その時、お迎えの「クトゥルフ」さんがちょうどいらっしゃったおかげで無事にここまで来られたのです。


赤い目と恐ろしい8本の触手。

遠い昔、この星の大洋を治めた神話的な存在「クラーケン」の遠い子孫である彼は武術の猛者として名高い「魚人」でしたがある日を堺に魔界から姿を消しました。

3メートルほどの大きな体に威嚇的な雰囲気を纏っている少し怖そうな方なんですが


「お待ちしておりました。姫様。」


彼は丁重に私のことを迎えてくれたのです。


彼は魔界の王であるお父様の古い知人で私とも何度も会ったことがあります。

昔お父様がご趣味でなさったバンド仲間で元海軍である彼が何故このような場所にいるのか詳しい事情は分かりませんがきっと彼には彼なりの大義があったと私はそう信じています。


「姫様。くれぐれもお父様にはこちらにいらっしゃったことも含めてここでの全てのことは内密にお願いします。

無論私めのことも。」

「はい。約束します。」


そして彼は自分の正体が知られることを極力避けようとしていたので私は魔界の姫の名にかけて口外しないことを約束しました。


そうやって問題なく緑山さんと再会できた私ですが問題はこれから。

私には何があっても彼女のことを説得して元の場所へ連れて行かなければならない使命があったんだですが


「「楽園」…ですか?」


彼女の目的のことを聞かれた時は思わず戸惑ってしまったのです。


クトゥルフさんから聞くところによると緑山さんはみもりちゃんとの「楽園」を築くためにここに来たそうです。

しかもただの住民ではなくクトゥルフさんと同じ上位階級。

クトゥルフは緑山さんのことを一人の戦士として高く評価していたのです。


「あいつは戦いおいては天才的です。あの強靭な筋骨格は原生生物にも負けないくらい屈強でありながらしなやかで柔らかい。

その上、母から叩き込まれた古武術はより徹底に、効果的に敵を粉砕し、破壊します。」


陸軍特殊部隊の母から教わった「緑山」家の古武術はその特有の身体能力を最大限に活かして敵を倒す必殺の技。

一蹴りで肉が飛び跳ね、骨が打ち砕かれてかすっただけで耳が切り落とされる。もし急所でも当たったら命まで落としかねない。

その上、力も強くて体も頑丈、頭も非常によくて古代から「緑山」家の人達は戦況を覆す切り札と認識されていたそうです。


何より一番恐ろしいのは目標に向けて進撃を止めないその奥深い執念。

「進撃」「勝利」「征服」、その3つのモットーを実現できる彼女達の原動力は一度見定めた目標に対する恐ろしい執念でした。

そして私が知っている緑山さんもまたみもりちゃんのことを自分の目標にして彼女のために一生懸命頑張っている。


「果たして私に彼女から生きる原動力であるみもりちゃんのことを横取りする権利があるのでしょうか…」


そう思われた時にさすがに私は少し憂鬱な気分になって自分に緑山さんの説得することができるのかと大きな迷いを抱えてしまったのです。


でもそれこそが緑山さんの数少ない弱点だとクトゥルフさんは私にそう話しました。


「ですがあれこそあいつの弱点だと私めはそう考えております。

周りのことが見えない戦士なんて使い物にはなりません。

あいつは確かに喧嘩では強いかも知れませんが人としてはまだまだです。」


誰かが支えてくれないと挫けてしまうか弱くて脆い少女。

本当の緑山さんは触れたら割れてしまうほど薄氷のような心の持ち主であることを彼はあまりにもよく知っていました。


幼馴染のことが大好きなほど強くなる執着と嫉妬。

それが抑えきれなくなった彼女が結局選んだ選択肢は最も自分に馴染んで考えることを止めたやけっぱちのやり方だったのです。


そして彼はこうして私だけに緑山さんに対する自分の本音を明かしてくれたのです。


「それにやはり私は娘より小さな女の子なんかにそんなことをさせたくございません。」


自分の正体については徹底的に秘密にしているクトゥルフさんですが彼の娘さん達は外ではちゃんとした社会人として一生懸命働いているんです。

その娘さん達より小さな緑山さんのことがどうしても気にかかるというクトゥルフさんは本当のことを言うと彼女の復帰に対して多少否定的な立場だったそうです。


でもあくまで決めるのは全体の意見で自分一人でできるのは何一つない。

そう言った彼は少しむしゃくしゃな顔で何もできない非力な自分を責めるようになりましたが


「クトゥルフさん。」


そう思っていたのはきっと彼だけではなかったと私はそう思いました。


「お前ら…どうした。」


いつの間にか私達の前に現れた「ベルセルク」と呼ばれるこの世界の支配者達。

皆一目で只者ではないと分かるほどどっちもすごく危険そうな雰囲気を出していましたが


「ゆりちゃんのことで少しお話があります。」


緑山さんのことを思う心は全員が一つであることを私は分かることができました。


「この中にいますが今少し不安定状態なのでくれぐれも刺激しないようにご注意ください。」

「ありがとうございます、クトゥルフさん。後は私に任せてください。」


やがて緑山さんがいる部屋の前にたどり着いたあの時、「ベルセルク」の皆さんと緑山さんのことで話し合いことがあると席を外すクトゥルフさん。

彼は私に緑山さんは現在みもりちゃんとのことで精神不安定状態になっていて気に障るは慎んで欲しいと念を押しましたが


「次はみもりちゃんの腋とオ○ンコをイメージにしたマカロンです。」


今ここで起きている怪しげのお茶会を見たらクトゥルフさん、きっとびっくりするんでしょうね…?

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