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【○月×日金曜日 22:46】

【○月×日金曜日 22:46】


誤解されてもいいよ。という神山くんの意図が掴めないまま、自宅最寄駅へと到着した。


「神山くん、帰るの遅くなるし、ここで大丈夫だよ」

「だめ、危ないから」


そう言って、私の手を引き歩き出す。普段、仕事で彼とあまり話すことはなかったけど、みんなにこんなに優しいと、それはモテるだろう。

しかし、恋愛対象ドストライクの彼に、このまま家の前まで送ってもらったら、私は”神山くんの大切な子”といらない勘違いをしてしまいそうで怖い。


「大丈夫だよ。私なんて襲う人いないから」


腐女子にありがちな自虐ネタを口にしてクスクスと笑みを漏らす。いつもなら同僚や友達からだと「確かに」と笑いがとれる所だけど、神山くんは至って真剣な顔をして私を見つめていた。


「谷山さんは、可愛いよ」

「!!!」


不覚にも、心臓が止まるかと思った。目じりをほんのりと染め、照れたように視線をそらされる。


(いや!こっちが照れるから!!!)


イケメンが可愛いって、どんな犯罪だよ!と、心の中の小さな私が、机をバンバンと叩きながら悶えている姿が容易に想像できる。きっと、自宅でアニメや漫画をみていて、タイプのキャラがこんなことを言ったら、確実に机を叩きながらニヤケ顔で笑っているはずだから。


「えっと・・・あ、ありがとう」


どもったのは、緊張したわけではなくニヤケ顔を繕うのに時間がかかったから。


「うん。だからさ、送らせて心配だから、家ばれるのが嫌だったら、家の近くの分からない所で別れたんでいいから」


どうやって育ったら、こうもイケメンで紳士に育つのだろう。今まで家の前まで送ると言ってきた男性は、有無を言わさず、部屋に上がり込んでいくタイプばかりだったけど・・・・。

可愛いとか美人とか、褒め言葉も言われるのも初めてじゃない。でも、私の心臓は少女マンガの主人公よろしくなほど、五月蠅く音をたてていた。

きっと、その言葉に下心も偽りもなく真っ直ぐ向けられた気持だったからだと思う。


とりあえず、神山くんを素敵な男性に育ててくれた、ご両親に感謝!!


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