○月×日金曜日
「谷山さん、ちゃんと話聞いてる?」
「・・・・うん。聞いてるよ」
「結婚しない相手を、自宅に・・・ましてやベッドに誘ったら駄目だろ!何かされたらどうするつもり!!」
「・・・・(何するつもりでいたんだけど・・・)」
初めて付き合って、初めて体を重ねた人と結婚する!と昔の少女マンガの様な可愛い事を思っていた事もあった。でも、高校で腐女子デビューをして無駄に豊富になった知識は、好奇心となり社会人となった今、付き合う=(イコール)体の相性という方程式を作ってしまっていた。
どんなに好きでも、体を重ねてガッカリして冷めたこともあるし。そんなに好きでもない相手と体を重ねることが気持ちよくて、溺れるように毎日体を重ねたこともある。だから、私が彼氏に求める条件は体の相性だったりする。
黙っていれば、社会には溶け込めているし、”私は腐女子です”と名刺にかいているわけでもないから、それなりに、交際経験もある。密かに、会社のイケメンの同僚とダンディーな部長を見て、良からぬ妄想をしているぐらい。誰にも迷惑をかけていないので、健全な腐女子と自負している。
しかし・・・どうして今、そのイケメン同僚に自宅のベッドで正座をさせられ、私は半裸で説教を受けているんだろうか・・・・?