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~四十二の巻~ 広間

 (此処は一体?)


不思議な事に其の場所には、頭上から光が射し込んでおり暗くはなかった。


すると私の考えておる事に思い至ったのか、


『此処は地底なのだが、恐らく太古の昔に生えたこの木が、悠かな時の中で成長を続けて巨木となり、地上に伸びた事で、日が射し込む様になったのだと思う。』


と、セイが説明してくれた。


然し私を更に驚かせたのは、この広間の中心、巨木の根元付近に、小さな岩を丸く並べただけの簡易なものではあるが、囲炉裏があった事だった。


然も其の周りには、ご丁寧に茣蓙(ござ)迄敷き詰められておる。


『此処は一体・・・、』


何なのですか?


と尋ねようとした私の言葉は、


『話は後だ。』


『火を(おこ)す故、衣を脱いで其の辺に座っておれ。』


と申すセイの一言により、飲み込まれた。


(はい?)


(今、何をして座っておれと、仰いましたか?)


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