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~三の巻~   花見の宴

 花見の宴・・・。


あの日は周り中、私などとは比べ物にならぬ程、美しい姫君方ばかりだった・・・。


元々あの様な社交の場が不得手な私は、早々に気後れしてしまい、場を辞させて戴けるようお父様に願い出ようと思うたのだが、いつの間にやら(はぐ)てしまうたお父様は、あちらこちらと渡り歩いておいでらしく、大勢の参加者の中からどうしても見付ける事が出来なかった。


仕方なく密かに其の場を離れ、いけないと思いつつも、少し休める処はないかと歩いておる内に、あちらの喧騒が嘘の様に静まり返った、美しい池のある別の庭園に迷い出た。


立ち入ってよい場所なのか一時(いっとき)迷うたが、其の池には、張り出す様に、居心地の良さそうな四阿(あずまや)(しつら)えられてあったので、私は導かれるままに其処(そこ)に座り、偶々やって参った猫と、ただ時間をやり過ごしておっただけだった筈だ・・・。



◇◇◇◇


 黙してしまうた私に、お父様は大きく頷きつつ、


「然もあらん、私も全く同じ様に思うて、『失礼ながら大海皇子様は、何故(なにゆえ)私共の娘を?』と、お伺いさせて戴いた。」


すると・・・、


「あの日、お前に助けられたと、皇子様は仰せだそうだったが・・・。」


「えっ・・・?」



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