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~十一の巻~ 真の目的
『真の目的・・・、でござりますか?』
『やはり・・・。』
と一つ大きな溜息を吐かれて、
『お父上からは何も聞かされてはいらっしゃらないのですね・・・。』
『どういう事でござりますか?』
『縁組みですよ。』
『はっ?』
『男女の見合いです。』
と苦々しいお顔で告げられた。
『お見合い?』
『あっ・・・!』
道理で年頃の、其れも未婚の男女ばかりが、集まっておると思うたのだ。
『思い当たりましたか?』
そう仰られて、其の御方は笑うておられた。
『私にはまだまだ学ばねばならぬ事が山程も有るのです。』
『故に今はまだ其の様な事は考えられませんでした。』
『然れど父は早く孫の顔を見せよと申します。』
『其れで本日は仕方なく父の顔を立てて参加だけは承知したのですが・・・。』
と苦笑いされていらしたが、私はお父様の余りの仕打ちに声も出せず、俯いて涙を見せぬ様に必死に歯を食いしばっておるのが精一杯だった。




