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現実逃避とその末路
俺はこの現実に目を背けることにした。
異世界に来た。それは素晴らしい。獣耳の人間がいる。それも素晴らしい。
だが男だ。
それだけは許さん! それが許されるのはBL狂のコアな腐女子かガチ勢だけだ。
目の前のこいつはリアル北斗の拳のお姿なんだぞ!
ショタとか女顔とか男の娘ならまだ許容したわ!
「流石に俺でもそれは無理!!」
「……コイツ何か精神でも病んでるのか?」
俺が狭量な訳では断じてない。……いや、普通はそれでも無理なのか?
あ、今引かれたっぽい。世紀末覇者に引かれる俺ってどんだけだよ……。
「あーすみません。助けて頂いたのに。ちょっと前後不覚に陥ってました」
「いや! 気にすんな。急に身悶えだして正直気持ち悪かったが、お前みたいな人族なら仕方ない」
どうやら俺は異世界で出会った第一村人に軽く変人とかキモいというレッテルを貼られたらしい。
……欝になりそう。つか、お前みたいな人族って何さ。
ま る で 俺 が 変 態 み た い じゃ な い か !
激しく遺憾である。