表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラベンダーの空  作者: 凌月 葉
7. 秘密
29/77

7. 秘密1

7. 秘密 1


 翌朝、普段とは違ってジンはあまり食欲がなかった。


「あれ、どうしたの?昨日ロジャーさんがベーコンとかたくさん持ってきてくれたから、遠慮しないでもっと食べていいんだよ?」


先日食事のことで文句を言ってしまったラベンダーは、ジンがそのことを気にしているのかと思い声をかけた。


「いや、そうじゃないんだ。なんか食べたくないっていうか、だるい」


「そういえば、ちょっと顔色悪いね?もしかして、風邪引いちゃった?」ラベンダーは慌ててジンの額に手を当てる。


「う~んちょっと熱あるかも?そういえば昨日の夜、くしゃみしてたもんね?ごめん私のせいだ」


「いや、お前のせいじゃないよ」


「頭が痛いとか、喉が痛いとかある?」


「ん~、頭がちょっと重くて、喉が痛いかな?」


「そっか、んじゃ、あーんして」


「は?あーん?」


「そ、喉の赤み見るから、口開けて」ラベンダーはまるで医薬師のような口ぶりで診察を始める。


「やっぱ喉が赤いね」ジンの喉を覗き込んたラベンダーは、薬を処方してジンに飲ませると、部屋で休むように言った。




「あら、ジンは?」一足先に食事を済ませて自室で仕事をしていたフローラが、キッチンで後片付けをしているラベンダーに尋ねた。


「あ、なんかね、風邪引いちゃったらしくて。微熱があって、頭が重くて喉が痛いっていうから、薬飲ませて休むように言った」


「そう……。って、薬ってどれを飲ませたの?」


「え~、この前ロジャーさんに渡したやつだよ~。ほら、今年の風邪に良く効くみたいだっていったやつ」


「え?あれをジンに?あら大変。ちょっと様子を見てくるわ」ラベンダーの話を聞いたフローラは、なにかを自室に取りに戻ると、コップ1杯の水をトレイに載せて2階へと急いだ。


「フローラはなにを慌てているんだろう?ただの風邪なのに……」ラベンダーは、フローラの後ろ姿を見送りながらそう呟いた。


「ジン、フローラだけど。大丈夫?入っていいかしら?」


「あ゛、は……い」部屋の中からは、さっきと違ってかなり掠れたジンの声が聞こえる。


ジンは顔をしかめてベッドに横になり、時折、「ゴホン、ゴホン」と苦しそうに咳き込んでいる。


「ジン、ごめんなさい、ちょっと診せてくれる?」フローラは首にかけた聴診器をジンの胸に注意深く当てていった。


「やっぱり、思ったとおりね……。あの薬飲んでからひどくなったでしょ?」


「え?……ん、ん……ゴホッ、ゴホッ……。ゴホン!!(ボワン)」


フローラの問いかけに答えようとしたジンは、小さく咳き込んだ後いきなり大きな咳をした。すると最後の咳と一緒にジンの口から小さな炎の塊のようなものが飛び出てきた。


「あら、大変。急いでこの薬飲んで」いきなり自分の口から炎が出てきて、目を丸くしているジンに向かって、フローラが小さな銀色の玉を差し出した。


ジンは訳も分からず、その玉を口に含んで水を飲むと口からジュゥ~~と小さな蒸気が上がる。フローラから渡された薬を飲んで暫くすると、ジンの咳は出なくなり顔の赤みも徐々に引いていった。


「……、あの、いったい……?」


すっかり面食らった様子のジンの様子に、フローラは苦笑しながら口を開いた。


「ごめんなさいね、あなたのような体質の人があの薬を飲むとね、症状が酷くなってしまうことがあるのよ」


「症状が酷くって……。だって炎が……」


「あなた、火属性なんでしょ?」ジンからコップを受け取りながら、フローラは静かに言った。


「え……。どうしてそのことを……」ジンは余りの驚きで、表情を硬くしたままフローラに尋ねた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ