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第25話『崩壊の臨界点と、止められない衝突』

轟音。

空気が裂ける。

魔力がぶつかり合い、

闘技場そのものが軋んでいた。

(……ここが限界点。)

アリアは息を整える。

視界の端で、

ルナが結界を維持している。

前方には——

ラフリ。

そして、その先に——

十人の王子たちと、

偽ヒロイン。

(まだ終わらない。)

(むしろ——)

(ここからが本番。)

「——押し潰しなさい。」

偽ヒロインの声。

その一言で、

空気が変わる。

「っ……!」

王子たちの魔力が、

一斉に膨れ上がる。

明らかに異常。

「おい……あれ……」

観客席がざわめく。

「魔力量が……おかしい……!」

(来た……!)

アリアの瞳が鋭くなる。

「ルナ、上層防御強化!」

「はい!」

即座に展開。

三重結界。

だが——

「遅い。」

王子の一人が踏み込む。

「——砕けろ!」

巨大な氷槍。

それが一直線に突き刺さる。

——バギィィン!!

結界が悲鳴を上げる。

「くっ……!」

ルナの体が揺れる。

「まだ……持ちます!」

「無理はしないで!」

アリアが叫ぶ。

(押し切られる……!)

その時——

「退け。」

低い声。

ラフリ。

前に出る。

氷槍を——

片手で受け止めた。

「なっ……!?」

観客席がどよめく。

「素手で……!?」

ラフリは無表情のまま——

——パキン

氷槍を砕く。

「……邪魔だ。」

次の瞬間、

地面を蹴る。

消える。

「どこ——!?」

王子の一人が振り向く。

遅い。

——ドォン!!

一撃。

一人が吹き飛ぶ。

「ぐっ……!」

「一人、戦闘不能!」

審判の声。

だが——

「まだですわよ?」

偽ヒロイン。

その笑みは消えない。

「全員で。」

「——潰しなさい。」

その瞬間——

十人全員が動いた。

(同時……!?)

四方八方からの攻撃。

炎。

雷。

風刃。

「アリア様!」

「分かってる!」

アリアが踏み込む。

「左、二人!ルナ、後方カバー!」

「はい!」

光が広がる。

防御と回復。

(今なら——)

アリアが前へ出る。

「遅いですわ。」

低く呟く。

王子の一人が驚く。

「なっ——」

——バシッ!!

魔法陣を蹴り砕く。

「またか!?」

「構造が単純すぎます。」

そのまま回転。

肘打ち。

——ドンッ!

「ぐっ……!」

二人目が崩れる。

「ルナ!」

「拘束します!」

光の鎖。

完全拘束。

「二人確保!」

(いい流れ——)

だがその瞬間。

「——甘い。」

偽ヒロイン。

地面が歪む。

「っ!?」

アリアの足元に、

黒い魔法陣。

(また——!)

「アリア様!」

ルナが叫ぶ。

——バンッ!!

衝撃。

アリアが吹き飛ぶ。

「くっ……!」

地面を転がる。

(タイミングが……完璧すぎる。)

顔を上げる。

偽ヒロインが見下ろしている。

「分かっていないのね。」

静かに言う。

「“先を知る者”に勝つことが、どれほど無意味か。」

(やっぱり……)

アリアの目が細くなる。

「あなた——プレイヤーね。」

一瞬。

空気が止まる。

偽ヒロインの笑みが深くなる。

「……さあ、どうかしら。」

否定しない。

それが答え。

(最悪ね。)

その時——

「余所見するな。」

ラフリの声。

次の瞬間——

——ドォン!!!

衝撃。

偽ヒロインが後退する。

「っ……!」

初めて、大きく崩れる。

(……押してる。)

ラフリが前に立つ。

静かに。

「お前の相手は俺だ。」

低く言う。

偽ヒロインが睨む。

「……邪魔ですわね。」

「消えていただけます?」

「無理だな。」

即答。

その瞬間——

二人が消える。

次の瞬間には——

空中衝突。

——バチィィン!!!

衝撃波。

観客席が揺れる。

「なんだあれ……!」

「速すぎて見えない……!」

(……次元が違う。)

アリアが息を整える。

その時——

「まだ終わっていない!」

残りの王子たち。

一斉に魔法展開。

(まだ来るの!?)

「全員で——!」

巨大魔法陣。

重ね掛け。

異常な密度。

(これは——)

「ルナ、防げる!?」

「……正直、厳しいです!」

(やっぱり……)

歯を食いしばる。

(ここで——)

(決めないと終わる。)

その瞬間。

「……やりすぎだ。」

低い声。

ラフリ。

動きが止まる。

その声には——

明確な“怒り”。

王子たちが一瞬揺れる。

「兄上……」

「やめてください……」

だが——

止まらない。

偽ヒロインの声。

「撃ちなさい。」

冷酷に。

その瞬間——

魔法が放たれる。

(間に合わない——!)

アリアの瞳が見開かれる。

だが——

「下がれ。」

ラフリ。

前に出る。

手をかざす。

そして——

「——消えろ。」

——バチンッ

音。

それだけで——

巨大魔法が、

“消えた”。

完全に。

沈黙。

誰も動けない。

「……は?」

誰かが呟く。

理解が追いつかない。

(……何したの。)

アリアの思考が止まる。

ラフリは静かに立つ。

そして——

ゆっくりと、

王子たちを見る。

その視線は、

冷たく——

そして重い。

誰も、動けない。

戦場が止まる。

完全に。

ラフリの存在だけが、

そこにあった。

(……変わった。)

アリアは感じる。

空気が。

流れが。

全てが。

ラフリが、静かに呟く。

「……遊びは終わりだ。」

その一言で——

戦いは、

次の段階へと進む。

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