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第8話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


翌朝となりエリーゼはすでに起きて支度をしていた。

「あっ おはよう! よく眠れた?」

「はい、お陰様で安心して寝れました。ありがとうございます!」

「じゃ、あの3人も呼び出すからね」

「カムアウト!」


「やっと呼び出しがかかったわ!」と言いながら出てきた。

「下での朝食が楽しみですね。さあ参りましょう!」とホワイトが言うと、

ブラックが「馬車の手配もしなくちゃならないね。御者は誰がやる??」

すると、エリーゼが「それなら私がやります!国でも馬に乗っていましたので。」と言ったのだった。

「へえー、エリーゼはそんなこともできるんだね!?すごいすごい!!」


4人はまた仲良く賑やかに朝食を食べてから馬屋に向かった。

「この街は朝から賑やかだね!」

「そりゃそうさ。ここではなんでもアリだからね。きっと獣人やエルフの国に行くと驚くわよ!」

「エルフと獣人どっちが先がいいんだろう?」

「まあ、エリーゼがいるからエルフの方が抵抗ないとは思うけど、一応あなたは奴隷として買ったからね。それをどう思われるか?だよね。」

「そうだよね。エリーゼは自分の里に帰りたい?」

「私の里は獣人との戦いに負けて、両親も殺されて無くなってしまいました・・・エルフの神樹とはかなり離れた獣人の里よりの場所に村があったのです。だから帰る場所はないんです。」

「そうか、ごめん、辛いことを思い出させてしまって。」

「大丈夫です。ご主人様に買われたのは何かの縁、このままで私は満足です。」

「そうか、わかった。ありがとう!じゃ、まずはエルフの国に向かおうとしようか?」


やはりブラックが用意してくれた金貨10枚で1頭だて幌付き馬車を手配した。

『そうか、この世界はこんな馬車がメインの移動手段なんだな!? 馬に引かれるって初めてだから楽しみだな!』

「じゃ、エリーゼ、御者をお願いするね!」

「はい、わかりました!」

「じゃ、皆さん、乗ってくださーい!!」

と街を出発した。


ジョーは、地図を片手にエリーゼの隣に座りナビをしている。

「この川沿いを南下してくと、エルフ国と獣人国に分かれるんだね。エルフは左側になるね。」

彼らは街中では停まりながら、寝具などの旅道具や食料を仕入れた。

衛兵が守る高い城壁を出ると緑の牧草地が広がっていた。


すると、エリーゼが「綺麗ですねー 私は森に篭っていたのでこんな風景を見るのは初めてなんです。」

台車に座っている精霊3人はくつろいでいるようだが、初めて乗った馬車はゴトゴトと乗り心地は悪かった。

緑のなだらかな丘を走っていると、ブルーが「ご主人様、ここで止めてくだされ!」と言ってきた。

「では、ご主人とエリーゼに剣術の稽古を授けましょう。この先森に入っていくと山賊などに出くわすので。」

と、ブルーは、どこからか剣を出してきた。


ブルーはすでにロングソードを構えている。ジョーたちもロングソードを構えブルーに合わせて型の練習をし始めた。

『やっぱり、意外と本当の剣は重いんだな』と思いながら素振りをしていると、

「ご主人!もっと念を入れて振ってください!」と指導が入ってしまった。

「私が憑依して剣を振りますので、まずは体で感覚を覚えてください!」と言い、

姿が消えるとジョーに憑依した。


ジョーの見た目は変わらないのだが型を習得しているうちに自然と剣の達人となっていった。

『なるほど!こんな風にやるんだね!』と納得であると同時に、自分が強くなったような気がした。

一方「へえー エリーゼは筋がいいんだね!!」と上達の早さに驚いている。

「まあ、こんな風に毎日訓練していけば有事の際にもどうにかなるでしょう!」とブルーも鍛え甲斐があるようだ。


そして、ブルーに感化されたのか?ブラックも、

「ジョー、この機会に魔術も覚えてもらおうか!」と言って憑依してきたのだった。

すると、自然に体が動き、いろいろなイメージが浮かんできた。

そして、火・水・風・土の4大元素からなる4大魔法の基礎を瞬時に習得してしまったようだ・・・

「へえー 魔法ってすっごく便利だね!! 俺、魔法向いてるのかも!?」と悦に入っている。

ブラックも、「まあ、確かに、剣術よりはできるようだね。」と笑いながらも認めていた。


すると、今度はここぞとばかりにホワイトも乗ってきたのだった。

「では、次にわたくしも憑依致します!」と言うと、ジョーはいきなり宙を浮いているのだ。

羽は見えないが、体が浮き空を飛べるようになっていた。

『怖いと思ったけど・・・これはこれで気持ちいいし、ちょー便利だな!』

飛行魔法も気に入ったようだ。


「すっごい経験だったよ! ブラック、ブルー、ホワイト3人ともありがとう!!」

「通常は、俺の元の体がそもそも得意としているアサシンとしてナイフで俊敏に戦って…

君たちには個々に参戦してもらいたいんだけど、いざとなったら俺に乗り移ってくれ!!

訓練できたからこれでまずある程度は大丈夫だと思うから。」


「となると・・・俺がアサシンで前衛、エリーゼとブルーが俺の脇に構えてもらって・・・

ブラックが魔法攻撃で後衛、ホワイトも光の弓矢で後衛って感じになるね!!」

『なるほど、ゲームではやったことがあるけど、実際自分が演じるようになるなんて!』と感激しながら フォーメーションまでもイメージしながら満足げのようだ。


彼らは道すがら、楽しくアニメで観たように野宿しながら武術の鍛錬もしていった。

特にエリーゼの剣術はブルーが驚くほど上達して行った。

「今夜は平和な野宿が最後になるのかな? 明日からエルフの森に入るんだよね?」

「そうね。エルフ族は森の奥の神樹と言われる大木近くにいくつか里を造って住んでいるんだけど・・・

ねえ、そうでしょ?エリーゼ?」とブラックが聞くと、

「そうですね! 精霊が守る神樹の森から出ると危ないって言われています。」

「そうそう、その手前で冒険者たちを襲う魔獣がいるんですよ!」とホワイトも付け足した。

『なるほど・・・この世界には魔獣がいるんだよな・・・』


「じゃ、それに備えて今夜はホワイトが狩ってきた鳥をエリーゼに捌いてもらってしっかり食事しておこう!」

『しっかりって初めて使ったけど、なんか政治家みたいだな』と自分でも笑いが出てきた。

「焼き鳥ってこの世界では初めてだな〜」とさらにお気楽だ。


『なんだか、こんな綺麗な女性たちに囲まれて、人生初の楽しい時間を過ごしているんだよな〜 俺! これって最高!!』と明日からの危険をよそに異世界に転生して初めて幸福な気分になっていた。

前世では、女性に全く縁がなかったため、この世界では経験できるのでは?と期待を寄せているのであった。












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