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JOE TEMPEST 「異世界転生して特殊能力を授かった男の物語」  作者: 三海怜


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58/59

第58話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


本編も宜しくお願い致します!

ジョーが真剣に念じると、4人の姿が消えていった。

そして気がつくと、さらに深い雪に覆われた真っ白い神殿の前に立っていたのだった。

キリスト教のそれと違って先端が尖った鋭い三角錐の天に向かって聳える建造物である。

そしてこの浮遊している島にはエンジェルの姿がなかった。


「この中に入ると、何かあるのかな?」

「よし、行ってみよう!」

楕円の観音開きのドアを押してみると、引き込まれるように中に入ることができた。

外は青空に下 凍て付くような寒さであるが、この内部には不思議な温もりがあった。


内部も真っ白な空間であり正面をみると、丁度神殿の中心部に女性のエンジェルが1人後ろ向きに立っており祈りを捧げていた。

そして天井からは眩ゆいばかりの強烈な光線が真下の祭壇に向かって注ぎ込まれている。


どうやら祈りが終わったらしい。

その光が途切れると、なんと祭壇の上にフルーツやベジタブル類などの食物が沢山現れてきたのだった。


4人はそのシュールな風景に呆気に取られていた。

「ようこそいらっしゃいました! ここにこられたいうことは特殊なスキルの持ち主の方々ですね。」

と言いながらその女性のエンジェルはこちらを向いた。


その女性の体と顔は全て真っ白であったのだ。

まるで雪で造られた彫像のようである。

「私はこの世界の創造主です。あなた方は異世界から紛れ込んだのですね。」


「はい、そうなんです。ここは一体どんなところなのですか?」とジョーが彼なりに丁寧に尋ねると、

「ここはこの世界の神の家。祝福された光のエネルギーを地下世界に注ぎ込んでいるのです。」

「地下世界とは?」


「はるか海の底深くに水の都と言われる街があります。そこの住人は海を浄化する種族でその世界の浄化を担っているのです。しかしながら光が全く届かない世界 光がないと生き物は生きられません。そこで私が定期的に光を注ぎ込んでいるのです。そして、その感謝の印として供物をこの窓を通して頂いているのです。」


「えっ それってマーメイドの水の都のことか?でも、それってここからは異世界じゃないか?」

「そうともいえますが、そうでもないともいえます。

この世界はつながっているのです。」

「繋がっている…」


「幾つかの接続スポットが存在しますが、それぞれの世界は繋がっているのです。」

するとエリーゼが、「言われてみると、繋がっていないとは言い切れない気もしますね。」と肯定した。

「確かにな。通ろうと思えば通れたわけだからな。」とマリアも何となく納得したようである。

「そういうことであれば、そこの窓とかいうとこから、海底の水の都に行くことはできるのだろうか?」とジョーが独り言のような質問を投げかけた。


その光は上から照射され反射鏡に当たり左に直角に曲がって闇に消えている。

このエンジェルが定期的にかつ規則的にまるで地下世界に注ぐ太陽光のように照射しているのである。

そして対価としての供物が下の世界からこの窓を通り姿を表すのだ。


「ここは世界の始まりの空間。水の都は終わりの空間になるのです。空間としては繋がってはいるが、一元体ではないのです。命あるものの通過は許されていないのです。」


だが、ジョーにはあの洞窟内の異世界のドアとは何ら違いは感じられないのであった。

『おい、ホワイト!あのエンジェルの話って本当か?』と念話すると、

『うーん。理論的に考えると世界のドアはどれも同じなのですが、あの者は経験がないのかもしれません。ただ、あれだけ言うには何かしらの事例があるのかもしれません…』


「通れないというが・・・それは誰かが試した結果なのか?」と聞いた。

「いいえ、神のお告げにより禁忌とされているのです。ですから私どもは決してそのような事は致しません!」


『なるほど・・・なあ、ホワイト、俺が試してみようか? あの水圧で行けないと思っていた海底の水の都に行けるんだぜ! 向こうの世界から食物が来られるんだから俺たちも行けるんじゃないのか??』

『なんとも言えないですね・・・同時に空間移転魔法を掛けてみれば保険になるとは思いますが・・・』


そこでジョーはみんなを集めてエンジェルに聞こえないように話し始めたのだった。

「俺は、ここもあの洞窟と同じように異世界への入り口なんだと思うんだ。多分あのエンジェルは試したことがないだけで、やってみればできるんじゃないかなと思っている。そこでこれは強制的ではない案なんだけど・・・

俺はあれを通って海底の水の都に行ってみたいと思っている。みんなはどうだろう??」

「・・・・・」

「やっぱり不安だよな! ホワイトと相談していざという時は空間移転魔法も掛けるつもりだ。」


エリーゼは、「私はジョーと一緒に行きますよ!」と

マリアは、「まあ、どうせ死ぬのであれば冒険のために死するのならカッコいいと思われるだろう!!ジョーと一緒にこれまでやってきて楽しかったからな。私も行くぞ!!」

「デルマ!お主には強制しないので、これに関しては自分で決めてよいぞ!」

「いえ、私は姫とは一心同体だと勝手に思っています。姫が行かれるところには私もご一緒させて頂きます!!」と気合が入った表情である。


さて4人は命をかけてまで試してみるのであろうか?





明日はこの物語の最終です!!

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