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第5話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフ短編集となります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


「へえ、ここって本当に面白いところだね! 初めての経験で楽しいよ!」とジョーは目を輝かせながらマーケットをキョロキョロと見ていた。

『しかし、この世界に転生する前は、こんな光景はアニメでしか見たことがなかったのに本当にあったりするんだな。まあ、理由はよくわからないがこの世界に呼んでもらったわけだし、すでに終わる人生を引き延ばしてもらえたと思ってこれからは楽しむことにしよう!』と心に誓ったのだが、そうすることによって、今隣にいる自分をサポートしてくれている3人の精霊が愛おしく感じられるようにもなってきたのだった。


「しかし、ブルーとホワイトってブラックと仲良しなのかな?」

「そうですね、もうかれこれ何百年このユニットで一緒ですからね。そう言えば・・・ブラックは私達のスキルを説明していますか?」とホワイトが珍しく口を開いた。

「スキル?? 君たちの特殊能力ってこと?」

「そうです!」

「それは重要ですね。ご主人が戦う際に知っておかないといけない事ですね。」とブルーも賛同している。

「しかしブラックは何故毎回毎回重要なことは言わないんだ? この前のご主人もそれで大怪我したではないでか!?」と、ブルーが諫めた。

「あっ ごめんごめん! 何度もやってるからつい言った気になっちゃってね。」

「実は私たちとの関わり方があるのよ。今は私たち精霊は擬人化してここに別の個体でいるわけ。それはわかるわよね? 何故なら、あなたがあの水晶体を触ったから。それで私たち付喪神はあなたの精霊になったわけ。つまり私達精霊が出入りする水晶体はあなたが所有しているってことになるの。そして、そのほかのフォーメーションとしては、精霊となって見えなくなるってこともできるの。」


「それって、姿を消すってことなの?」

「そうね、見えなくなるだけで会話もできるわ。」

「それは便利だね!」

「それともう一つあるの。」

「私達は貴方に憑依できるのよ。」

「憑依って、乗り移るってこと?」

「そういうこと! それで何ができるかっていうと、私たちのスキルを貴方が使えるようになるの!」

「えっ、それはすごいね!! 空を跳べたり? 魔法を使えたり? 剣で戦えたり? てこと??」

「そうなの。すごいでしょ!!?」


「じゃ、まとめると、君たちは今は人間のような体でいるけど、消えることもできるし、

おまけに俺に乗り移って君たちのスキルを俺が使えるようになるってことなんだよね!?」

「いかにも!さすがご主人は呑み込みが早うございます! 私の物理攻撃力は1番役立つと思われます。」

「すっごいな!!」ジョーは感激した。


「じゃ、ちょっと今やってみようか? 君たちを消すのはどうしたらいいのかな?」

「念じながら『ディスミス!』って言ってもらえれば消えるし、『カムアウト!』って言えば出てくるわよ」

「ディスミスにカムアウトだね! 念じながらね!? 1人づつもできるのかな?」

「そうね、『ディスミス・ブルー』とか付け足して貰えばね。 それに姿を消してもエーテル状の精霊として残っているのよ。」


「わかった!ありがとう!! では、ディスミス・ブラック!」と言うとブラックだけが消えた。

続けて「ディスミス・ブルー! ディスミス・ホワイト!」と続けざまに言うと全員が消え去っていった。

『なるほど。とりあえず目立たなくなったから、このままで、まずは1人でこのマーケットを見て回るか!」といきなり解放された気持ちになり嬉しくなった。


ジョーがマーケットを散策していると、人だかりで賑わっているため見物人をわけいって前列に出てみるとそこでは奴隷のオークションが行われていたのだった。

色々な種族の男女の奴隷が並ばされている。

女性も数名おり、その中にジョーの目を引く可愛いエルフがいたのだった。

『やばい!あのエルフカワイイ!!』と夢中になっていた。

『やっぱり、アニメだけじゃなく実際のエルフって可愛いんだな!!』


『なあ、みんな、奴隷を買うにはどのぐらいいるんだ?』

『さっそく奴隷を買うのか?』もちろんブラックが反応しているようだ。

するとホワイトも『奴隷の1人や2人はこれからのことを考えるといてもいいかと思いますよ!』と言った。

『まあ、冒険や戦いで役立つことも多いだろうし・・・』とブルーも賛成である。

『まあね、じゃ私が魔法で金貨を作ることができるわ!ここでは、グルデン金貨が必要よ。』


奴隷達は麻袋のような簡単な懸衣で身を隠されているのだが、その輪郭で大体の体つきはわかるようになっていた。

『やっぱり、あのエルフかわいい! ブラックが用意する金貨であの子が買えるのだったら是非競り落としたい!』と前世では思ったことがないほど強い願望が出てきたのだった。

次の競はジョーのお目当ての若いエルフの番である。


奴隷商人が「このエルフは先の獣人族とエルフ族の戦争で捕虜となったものです。まだ子供で健康体でもなく、スキルもなく力仕事にも向かないのですが教えれば家事ぐらいはできるようになるかと思います。見た目はいいですのでそういったお望みの方はいらっしゃいますか? グルデン金貨3枚からスタートです!」とセリが始まった。

早速、いけすかないオヤジが4枚!と言っている。どこかの紳士ズラの男性が5枚!そして10枚まで出てきたのだった。


「はい、金貨10枚出ましたー! 他の方いらっしゃいますか??」 しばし沈黙があった。

ジョーはその金貨の価値がわからなかったのだが、エルフ欲しさに

「11枚!!」と叫んだのだった。

「はい! そこのお客さん! 11枚出ました〜!! いいのでしょうか? 他いらっしゃいますか??」

「・・・・・」

「はい、決まりです!! そこのお客様、これが引換証になります。金貨をご用意頂き本日中に引き取りにいらっしゃってください!」と言って落札できたのであった。

これは、ジョーとしては前世を含めても最大の買い物である。何故なら住宅も賃貸、車も買ったことがなかったのだ。


『みんな〜 やったよ! ありがとう!!』

『金貨はブラックが11枚用意するとして、あの者をどう使うおつもりですか?』

『そうだな・・・まずは冒険に行けるように身を守る術を教えてから・・・とりあえず料理かな?

君たちに料理が得意なのはいないようだからな!』と言うとブラックが笑っていた。

ブルーが『では、私が剣術を訓練しましょう!』と言い、

『まあ、そう言うことになりますね。肉体でいる私達は美味しい料理を食べられることに1番の喜びを感じますからね。』と3人を代表してホワイトが言って納得したのだった。







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