第48話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
本編も宜しくお願い致します!
ジョーとエリーゼが城壁へ着地するとマリアが物凄い速さで駆け寄ってきた。
「ジョーにエリーゼ、本当にありがとう!!君たちがいなかったら今頃この王都は火の海だったよ!感謝してもしきれないぐらいだ!」と大きく強く2人をハグしたのだった。
「ああ、マリア!ありがとう!! でも…ちょっと痛いかな・・・」
「ごめんごめん!君たちが無事だったんでつい興奮してしまって!」と涙ぐんでいた。
翌日戦後処理が進む中ジョー達は王宮の謁見の間に呼ばれた。
見上げると国王であるウィルヘルム2世が玉座に座っていた。
「ジョー殿、この度の魔獣戦での多大な貢献 誠に感謝している。マリアがいう通り貴君がいなかったらこの王都は壊滅していたことであろう。国を代表して深く感謝すると共に貴君らにこの国の爵位を与えると同時に勇者としてこの王都にある館を贈呈したいと思っておる。爵位としてはジョー殿が公爵、エリーゼ殿とアベル殿エベル殿は伯爵の地位を授けたい。 これからはこの国には自由に出入りしていただき公金もあるので自由にこの国の生活を楽しんで頂きたいと思う。そして、またこの国に危機が訪れた時には是非ご協力頂けると幸いである。
それにマリアを貴君らのパーティーに参加させて頂き感謝する。男勝りの姫であるため貴君らのパーティーで経験を積ませて頂けると幸せであると本人も申しておる。」
「有難うございます、ウィルヘルム国王。ご厚意に感謝致します。私どもの力がお役に立ったこと嬉しく思います。マリアフレール姫とは盟友として今後またいかなることが起ころうとも協力を惜しまない所存でございます。」
「では、堅苦しいことはこれで終わりとして、このあと晩餐会を開くのでテンペスト公爵御一行も是非とも楽しんでいかれよ!」という運びとなったのだった。
そしてジョー達は王宮の階下にあるボールルームに案内された。すでにこのボールルームには貴族達が集まり晩餐会が始まっていた。交響楽団の調べに合わせて踊っているカップルもいる。
そんな中、王が席に着くと音楽がピタッと止まり、ボールルームの来賓達も不動になった。
ここで王の挨拶があり、この場を借りてということでジョー達が貴族の仲間入りとなったことを告げると会場からが盛大な拍手が起こった。
そして、貴族達が先を争ってジョー達に駆け寄って来たのであった。
まずは、戦場にいたバルドリック大二王子であった。
「ジョー殿!あの戦いでは本当にお世話になった。貴君はこの国の救世主!まさに英雄だ!これからも我々王室と共に歩んでほしい!」と言い、ジョーの腕を一緒に挙げて、「おい!皆の者!ここの勇者御一行に感謝の意を込めて最大な拍手をお願いしたい!」と叫んだのだった。
そして、大喝采の中、さまざまな貴族達との挨拶合戦が始まったのである。
ジョーはこの大歓迎に嬉しさのあまり放心状態であったが、エリーゼも笑顔でこの状況を楽しんでいる姿を見て幸福な感情がこみあがってきた。『この異世界に来られてよかったな。精霊達にも本当に感謝だな。本当ならここで彼女らも紹介したいんだが・・・ しかし、この世界はまるで夢のような世界 美女達に囲まれて、人々にも必要とされる存在なんだ。
しかし、同じ俺なのに 一体 前世とはどこが違ったんだろう?? ここでの俺の場合は・・・あの不気味な洋館に躊躇せず一歩踏み入れたところからなのか? まあ、生前は危険に自ら足を踏み入れるということは全く避けてきたからな・・・そういった前に進もうとする気持ちが欠如していたからかもしれないな・・・虎穴に入らずんば虎子を得ずということなのか!?』
と今までのことをしみじみと思い出していたところ・・・
「テンペスト公爵」と呼ぶ若い女性の声が聞こえた。
はたと我に返ると、目の前にピンクの豪華なドレスを着た若い女性が立っていた。
「テンペスト様、お初にお目にかかります。わたくし第6王女のアイリスと申します。一度この国を救ってくださった勇者様にご挨拶をと思い馳せ参じました。」
『第6王女?? というとマリアの妹か??』
「あっ 初めまして、ジョー・テンペストと申します。第6王女のアイリス姫ですか!? というとマリア姫の妹ぎみでしょうか?」
「はい、さようでございます。姉がいつもお世話になっております。」
ジョーがこの姫を眺めてみると、『マリアとは全く違う感じだな。母親が違うのか?』と思うほど違うのだ。
背丈は160cm強、巻き毛のブロンドに色白にグリーンの瞳 目が大きく丸顔でまるで人形のように細身の愛くるしい女性なのだ。
そして、アイリス姫の後ろを見ると貴族の若い娘達の取り巻きに囲まれていた。まるでサポーターのようである。
そこへ貴族達に挨拶を終えたマリア姫が颯爽と登場した。
「アイリス、ご挨拶は済んだか?」
「はい、お姉様!」
「ジョー、この子は私の腹違いの妹なんだ。能天気で関わるとややこしいから気をつけてくれ。」と耳打ちした。
ジョーは、会話を悟られないように頷いた。
「ジョー では、私が重鎮達を紹介しよう。着いてきてくれ!」
「わかった、マリア。ありがとう! みんな、マリア姫についていこう。」と、その場を後にした。




