第45話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
本編も宜しくお願い致します!
侯爵2名、伯爵3名らがテントに召集された。大きなテント内には円卓があり、そこに王子を中心に左側が侯爵・伯爵と並び、右側がマリア姫、ジョー、エリーゼと座った。
まず、王が現在の戦況とジョー達のスキルを指揮官たる貴族達に説明している。
1人の伯爵が、「密偵を送りましたところ、ここから約10kmの時点に巨大アリの大群がまるで巨大な塔のような蟻塚を造っております。そこに拠点を作りこちらに攻めてくるものと思われます。この魔獣を影で誘導しているのが、パルフィン帝国の魔道士とのことですが、どうやら皇帝ではなく、教皇の僕達とのことでございます。」
すると、マリアが、「教皇軍か!それは頷けるな!先の戦いでは帝国直属のワイバーン部隊もその教皇派のアリ達を撃退していたからな。さては、仮想敵国としてガルマニウムへ攻めさせてカリフ達をまとめ上げその余勢をかって皇帝を排除しようという動きなのかもしれん。」と言った。
ジョーが、「私に案が御座います。」
「いってみよ!」
「私が召喚する黒魔導士は獣型の魔獣を多数従えております。前回の戦いでもどうやらアリはそいつらの好物のようでかなり撃退ができました。なので、まずは私が最前線に立ちその黒魔導士を召喚します。そして、一方では、モンスタースパイダーという魔獣もおりまして、今は成長し8mはあるかと、それにここの砦一体に蜘蛛の巣を張らせます。スパイダーのオクダゴンも無論アリ達を捕食しますが、蜘蛛の巣に捕まり身動きが取れなくなったところで、鉄砲や槍などで撃退可能です。 そしてここの大砲は黒魔導士の魔獣達が進行していった前線を通過した魔獣に対して撃退してもらえればいいかと思います。」
「なるほど! 素晴らしい作戦に思えるな!」と王子も感心しているようであった。
「では、私の軍勢は、そなたの後援部隊として火力で援護し、この砦に捕らわれた魔獣達を撃退することにする!」とこの会議をまとめた。
貴族達が持ち場に戻った後マリアとジョー達だけがそこに残っていた。
「バルドリックお兄様、私もジョー達と戦うことにします。」とマリアが王子に言うと、
「ダメだ! お前は城壁のクロードウィッグを援助してくれ。あそこは最後の砦なので射撃の名手が必要なのだ。」
『なるほど、兄だけあって女である王女を気遣うと共に彼女のモチベーションも上げているのか!?』と王子ながら感心した。『多分、彼女の兄のバルドリックもいいやつに違いないな。』と思ったのであった。
「わかりました、では、ジョー、エリーゼ、私は一旦砦に戻るがあまり無理しないでくれよ! これはあくまでも私の国の戦いなんだから。」と労ってくれているようである。
「わかった。ありがとう!姫も気をつけてくれよ!」
そしてマリアは城壁に戻っていった。
城壁を見回っていたマリアは、クロードウィック伯爵を見つけると、
「伯爵、ドラコンスレーヤーハープーン(銛)があったと思うんだが?」
「はい、姫、5機御座います。」
「敵はワイバーンを多数飼い慣らしていると聞くし、現に皇帝直轄のワイバーンナイトにも会った。
あいつらはものすごい火力で火を吐くぞ。もし奴らの襲撃があるとこの町は復興が不可能な戦火に見舞われることになるから、出現した場合に備えてまずは奴らを落とす準備をしよう!」
「かしこまりました!では、射撃の精鋭をそちらに回します。」
ついに日の出である。
最前線のジョー達は砦の上に立ち、盆地の遥か先に広がるサバンナ平原を見渡すと砂ボコリが広がっていた。
望遠鏡で確認していた兵士が叫んだ。
「敵襲です!! ものすごい数の魔獣が押し寄せてきます!!」
すると、王が号令をかけた。
「総員、配置につけ!! 敵襲だー! 王都には1匹たりとも通すな!!我々の国民そして家族を守るぞ!!
いいかー!! 切って切って切りまくるぞー!!」
「おーっ!!!」
「砲撃部隊準備ー!! 玉をこめろ!」
「鉄砲隊!射撃準備!」
「弓兵、砦の後ろで待機!」
ジョーがマリアに進言して用意させておいたボムアローも弓兵が装備しているのである。
王の号令と共にジョーも砦を降りて、エリーゼと共にさらに前線に進んでいった。
兵士たちは「あの2人大丈夫だろうか??」と不安の表情である。
「エリーゼ、またお世話になるな!絶対にやられるなよ!君は俺の刀なんだからな。背後を守ってくれよ!
いいか?じゃ、始めるぞ!」といい念を唱え出した。
すると、ジョーの前に8mに達したモンスタースパイダーのオクタゴンが現れたのだった。
目の前で見るとあまりも大きさに物凄い迫力である。
そして、ジョーはオクタゴンの頭に手を乗せて戦いのイメージを彼にとっては捕食のイメージを植え付けた。
そのイメージが伝わったオクタゴンは、砦の方に進んでいった。
兵士の中からは「わー なんだ あれは!!」という声が上がったが、王が再度号令をかけた。
「この魔獣は我々の味方である。砦に蜘蛛の巣を張らせるから手出しはするな!
一歩下がって待機!」




