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JOE TEMPEST 「異世界転生して特殊能力を授かった男の物語」  作者: 三海怜


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第44話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


本編も宜しくお願い致します!

「心配ですね。では、ブラックオルカを1隻向かわせましょうか?」とデルマが言うと、

「いや、そういうことだったら、俺が空間移動できる事になったから試しに行って様子を見てこようか?

とりあえず姫に確認してみるよ。」とジョーが答えた。

「では、宜しくお願い致します!」


一行は遊郭の上層階にある夜景が綺麗な旅籠に宿泊していた。

港を見下ろす摺鉢状の地形の中で色とりどりに輝く夜景に姉妹もエリーゼもそしてマリア姫も大喜びである。

しかも夜8時になると、この花街では打ち上げ花火が夜を彩るのである。

窓を開けると海風が肌を撫でるように吹き抜ける高台に位置しているため、女性4人は入浴の後の夕涼みを楽しみながら花火鑑賞をしているところだ。


そこに再度空間移動をしてきたジョーが姿を現した。

「えっ ジョー! どこから来たの?」とマリアがいきなり現れた彼に驚いている。

「あ、ごめん、お姫様!夕涼みのところを驚かせたかな?」

「実はやっと空間移動ができるようになったんだ!」と言った途端、

姉妹もエリーゼも驚いている。


「えっ あの最難関魔法の空間移動が可能になったのですか? それはすごい事ですよ!!」

「そこで、マリア! ちょっと確認したいんだけど、君の要望でレイブンを王都に飛ばしているが、

軍が忙しなく動いているように見えるんだ。何か心当たりはないか?」

「軍が動いている? 今時変だな・・・敵襲に備えているのか!?」

「やはり、何かあるのか?」ジョーは腕を組んで何やら考えているようだ。

「じゃ、マリア! 空間移動できるようになったから俺が一っ飛びして確かめてこようか?」


「ジョー、その空間移動は1人しか行けないのか?」

「どうだろう? ホワイトどうだ?」と憑依しているホワイトに尋ねた。

「そうですね、まだ出来立てのほやほやなので・・・2人か3人まででしたら行けるかもしれませんが、やってみないとなんとも言えませんね。しかし、できなかったとしてもその場に残るだけですから。」

「なるほど、では発動に失敗したとしても安全なんだな!?」


「では、マリアもトライしてみるか? 姫が行った方が現地の把握ができるから後々作戦も立てやすいだろう?」

「そうだな。宜しく頼む! 大変なことになっていないといいのだが・・・」と不安顔である。

「ジョー、あなたが行くのであれば私も同行します!」とエリーゼも行く気満々だ。

ジョーとしては断る故もなく、仮りに3人まで行けるのであればその方が良いし、また定員の検証もできることになるのだ。

3人は早速着替えと旅支度のためにツェッペリン号に戻り、アベルとエベルにはこちらのことをお願いした。


「2人とも準備できたか? では、発動してみるぞ!」とジョーは両手で2人の手を握った。

「そう、どこか着く場所をイメージしないとダメなんだが、どこがいいかな?」

「では、3人とも行ったことがある王宮の謁見の間にしたらどうか?」

「あそこでしたら目に浮かびますね!」とエリーゼも賛成である。


「よし!2人とも謁見の間をイメージしてくれ! いいか?それじゃ行くぞ!!?」

ジョーは念を唱え始めた。

すると、3人とも体の輪郭が薄れていき消えて行った。

そう!3人での空間移動は大成功だったのだ。


そして、一瞬で3人は王の謁見の間に姿を現した。

「やったな!大成功だ!!」

夜のためもちろん王は玉座にはおらず、異変に気づいた警備兵が2名走って来た。

「えっ、マリアフレール姫ですか?? なぜこんな時間に?」

「先ほど遠征先から戻ったのだが、この王都では何か異変があるのか?」とマリアは彼らに聞いた。

「はい! 魔獣の群れの襲撃があるとかで全軍それに備えているところです。」

「魔獣だと??」

「軍は誰が指揮してるんだ?」

「バルドリック第二王子が指揮されており只今前線にいらっしゃいます。」


その状況報告に驚いた3人は急足で城を出て町の境にある城壁まで移動したところだ。

そこはまるで戦場のように城壁は物々しい様子で松明が至る所に焚かれ兵士が行き交っていた。

すると、マリアに近づいてきた兵士がいた。


「これはこれはマリア様、クロードウィッグにございます。帰還されていたとは?」と驚いている様子である。

「おークロードウィッグ侯爵、たった今帰還したところだ。なぜ貴君がここに?」

「バルドリック第二王子がこの先にバリケードを作り魔獣共の進軍を食い止めようとされています。

この城壁は突破された場合の最後の砦となりますので、ありったけの大砲を装備し準備中であります。」


「そうか。ご苦労である。では、ここはお願いする。」と言い、マリアは兄であるバルドリックに会いに行くつもりのようだ。

「ジョー、エリーゼ、この先の砦まで移動するぞ!」と言い城壁を降りていった。

城壁の外は山間の盆地の砂漠が緑化された土地が広がり畑や牧場が広がっている。そしてその先の丁度盆地の入り口に砦が築かれていた。

5mぐらいの高さの木の砦が組まれており、等間隔で井形に組んだ土台には大砲がいくつも備え付けられていた。

そしてその後ろには野営のテントがいくつかあり暗闇にテント内の照明が溢れていた。


「あのテントにいるわね!」とマリアが1番後ろにある大きめのテントを指差した。

一行はテントの護衛の前に立ち、「マリアフレールだ。バルドリック第二王子はいらっしゃるか?」

「マリア姫ですか!? はい! こちらで休まれています。」

「バルドリック王子、マリア姫がいらっしゃいました!」と取り次いでくれた。


マリア達は、王子のテントに入っていくと、プレートアーマーで完全武装した筋骨隆々の美男子が出迎えてくれた。

『これが、マリアの兄上なんだ!?気迫あるな!』

「おお、マリアよく来てくれたな!ずいぶん早い帰還だな?」

「いや、王都が危ないという噂を聞きつけて、たった今空間移動魔法で戻って来んだ。」

「空間移動魔法??」

「そう、ここにいる私お抱えの魔道士ジョーが使えるのだ。」


「王子、初めてお会いいたしますジョー・テンペストと申します。こちらが私のパーティーメンバーのエリーゼです。」

「ジョーは、素晴らしいスキルと持っているんだ。まずは魔法各種と剣技、そして空も自由に移動できる。

妖魔も召喚できて、ものすごい数の魔獣を連れる魔獣使いにモンスタースパイダーというボス級の魔獣も召喚できるんだ。私らもサヌアに向かう途中で巨大蟻達に襲われてその戦いぶりは素晴らしかった。」と、興奮のあまり一気に説明したのだった。


「なるほど! 素晴らしい!! では、ジョー殿、我らにお力を貸していただけるのか?」

「もちろんです、王子!そのために戻ってきた次第です。」

「では、いつ襲撃があるかわからんのですぐに作戦会議を開くとしよう!」








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