第4話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフ短編集となります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
そして続けた。
「じゃ、ご主人様。早速私達が元々存在した昔の世界に戻りましょうか? あれから500年以上は軽く経ってるかしらね。それは今までここの場所には誰も訪れることがなかったってことなんだけどね。」
「そうなんだね。皆さん、まずお願いがあるんだけど、ご主人様じゃなくジョーと呼んでほしいね。せっかく知り合えたんから友達ぽく行きたいんだ。これから宜しくお願いしますね!」
と、いきなり現れた2人の存在でなんとなくスッキリした気持ちになった。まるで、アニメや趣味のゲームの世界のように思えてきたからなのだ。そう思うともうなんでもあり!今までの不安もなくなり吹っ切れたのであった。
そして、この付喪神達とも率直に話せるような気がしてきたのだ。
「しかし、ここに500年誰も来なかったってことなんだよね?? でも、なんで俺が来れたんだろう?」
「それが不思議よね… 私が結界を張ってるから通常は入れないはずなんだけどね…」とブラックが言うと、
「そもそもジョーは私たちに会う運命だったってことじゃないかしら」とホワイトが言った。
ジョーはマジマジと3人の精霊を眺めていた。
身長は170cm弱ぐらいに見えるがプロポーションも良く綺麗な品がある女性に見える。
そして服に誤魔化されていたのだが、容姿が3人とも似ていることにも気がついた。
顔は面長で鼻筋が通っており、まるで作り物のような美しさがある。
違いは・・・
ブラックは、髪がブルネットで喜怒哀楽の感情表現が豊かである。
ブルーは、ブロンドで忠誠心旺盛、まるで中世の女性騎士のように質実剛健に見える。
ホワイトはプラチナブロンドで全体的に白く万物に卓越しているのか?ほぼ表情に変化がないクールな印象だ。
いずれにしても3名ともそれぞれ違った個性と美貌の持ち主であるのは確かなようだ。
「その君たちがいた中世ってどんなところなの?」
「そうね、ここの荒廃した世界とは違って賑やかで楽しいところよ。まだ世界の不思議と言われることが沢山ある時代でね、刺激があってとっても楽しい冒険ができるのよ。貴方の前の主人も冒険者で私達も一緒に冒険して楽しかったわね!?」とブラックがブルーに振った。
するとブラックのジョーに対する態度とは違いいかにも騎士のような口調で
「そうだな。ブラックとはよく一緒に戦ったな。まあ私の方が活躍したがな。それなりに楽しかったよ!」と相槌を打った。
「じゃ、早速いきましょうか!? 行く前にここの館の結界を張り直すわね。」
そして4人は異世界への入り口に繋がるというあの2階のブラックの寝室に戻った。
ジョーは3人の付喪神と手を繋ぎ空間を司るホワイトが何やら呪文のようなものを唱えたのだった。
すると室内の空間が一瞬歪んだように思え重力の異常を感じたがすぐに元に戻った。
「着いたわよ!」
『これだけ?』と拍子抜けしていると、
「それじゃ、ジョー!私達も旅支度するから下の厨房で待っててもらえるかしら??」とブラックが言うので、部屋の外に出てみると転移前と全く同じ風景であった。
2、30分厨房で待っただろうか!? 3人が降りてくる足音がした。
そして3人の旅支度とは?
ブラックはよくある大きな魔女帽子を被りブラックガウンを着て魔法の杖を持ち、確かに全身ブラックにて、いかにも魔導師風である。
そしてブルーはブルーのドレスの上にカッコよく女性のラインもセクシーに出ているシルバーに輝くプレートアーマーに身を包みロングソードを背中に差し、また頑丈な紋章入りシールドも背負っていた。
ホワイトは・・・驚くことに背中に白い白鳥のような大きな羽がついているのだ。
そしてレッドカラーのアクセントはあるものの全身ホワイトでまるで天使のような存在となっていた。白鳥のような羽は格納できるらしい。
「す、すごいね!! 皆さんカッコいいけど、その格好目立たない??」
「あら、この世界は私たちの格好なんか地味なほうよ」とブラックが代表して答えた。
「貴方もアサシンの格好だけど、いいと思うわ。私たちカラーバランスのが良いわね!」と言って笑った。
確かに、全身ほぼブラックが2人、ライトブルーとシルバーのコンビ そしてレッドとホワイトのコンビである。
「即席のパーティーですが、、まあ、まとまっていますわね!」とクールなホワイトも納得のようだ。
「さあ、参りましょう!!」とブルーは早く冒険に出たいという風である。
「では、早速、空間移動と行きましょうか!」とホワイトが言い何やらまた呪文を唱えた。
この世界は彼女らに馴染みがある世界。
そう、ホワイトは行ったことがある場所には瞬間で空間移動が可能なのだ。
そして周りの背景がガラッと変わり、賑やかなヨーロッパ中世風の街中に立っていた。
「へえー すっごいね! 君の能力! ここはどこなの? 楽しそう!!」
「えっ あれは獣人なの?? それにエルフもいるよ!! 本当にいるんだね?」と興奮気味だ。
「この街はエルムフォルドっていって、獣人の国とエルフの国、そしてエンジェルの国が交わったところに位置する自由都市でそれぞれの種族が自由に生活できるのよ。」とブラックが答えた。
「エンジェルって、知ってらっしゃいますか? 実は遺伝子操作で生まれた種族なのですよ!」とホワイトが、いかにも私はオリジナル的なニュアンスで言うと、
「そうよね、貴方の羽の方が大きいししまえるもんね!」とブラックがからかっている。
「しかし、獣人は色々種族が豊富で見ていて楽しいのだが、悪い奴らも多いな!」とブルーが。
「ねえ、ブルー、獣人って強いのかな?」
「はい、マイロード!武力的には私には敵いませんが、狐人や狼人族はなかなか手強い輩もおります。
特に狐人族は素早い動きに手こずります。」
「マイロードはやめてくれ。なるほど、でも、狐の獣人は可愛く見えるけど、実はおっかないんだね!?」
と前を歩いている狐の獣人の後ろ姿を見ていた。
確かに、服装も様々で動物くん達の可愛さと人間の形が融合して好みによってはそう見えるのだろう。
4人はこのマーケットを暫く散策してみることにした。
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