第37話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
本編も宜しくお願い致します!
その晩の夕食はセシリアの友人達ということで、宿屋では大盤振る舞いのおもてなしであった。
和室のような大広間に座敷用のテーブルが敷き詰められご馳走が盛り付けられていた。
「うわー すっごいご馳走だね!!」とエベルが。
「これ、あのお寿司に乗ってたような魚の盛り合わせだね。おっ肉もあるぞ!」とアベルも大喜びである。
みんなが座ると、セシリアが仕切って、
「皆さん、ゆっくりくつろげましたか? 明日、左大臣の中臣氏にお会いできることになりました。
私は私どもの海の都が狙われている状況にあるということとあなた方がガルマニウム王国からいらした王女御一行であるということをお話しして、帝と協力関係を結びたいという主旨をお伝えするように致します。」
すると、マリアフレールが、「セシリアありがとう! ジョーとエリーゼが私の従者ということで伺おうと思っている。アベルとエベルは私の船で待機してもらうつもりだ。」するとアベルが、「私ら堅苦しい場所は好きじゃないからね〜」と。
「では、いただきましょうか! 私たちの前途を祝してカンパーイ!!」
この新鮮な美味しい料理に全員舌鼓を打ちながらの賑やかな雰囲気のなかに一羽のカラスが現れた。
それはジョーがテイムした例のレイブンであった。
セシリアが「あのカラスはあなたがテイムした使い魔じゃないですか!?」とジョーに言うと、
「そうだね。なんかメッセージを送ってきてるんだ。ちょっとまって。」
「なるほど。。。新都に行ってきたみたいで軍の動きが活発になってきているようだね。」
「きっと呪術で白龍を召喚しようとしているのです! 白龍が召喚されてしまうと水の都が破壊されてしまいます! 召喚される前になんとか手を打たないと・・・」
「そんなにヤバい相手なのか?」
「はい。海の中を自在に動き何でも破壊できる巨大な竜なのです。海の水圧から守るドームで都を防御しているのですがそれが破壊されてしまうと都が崩壊してしまいます。」
「そうか!では明日早速左大臣に話して1日でも早く新都に侵攻するようにしないとな!!
他の仲間とは共有しておくよ。」
そしてジョーは再度レイブンに依頼した。「情報ありがとう!助かったよ。また戻って随時俺にイメージ情報を送るようにしてくて!!」と再度レイブンを放ったのであった。
次の日 マリアを筆頭にジョーとエリーゼはセシリアの案内で左大臣の邸宅に伺った。そこはまるで平安貴族の寝殿造のよいな館であった。その左大臣も普段着である直衣を着てあくまでもプライベートというなりゆきで出迎えてくれた。
「これはこれは、かの大国ガルマニウム王国の第5王女マリアフレール様でございますか!? この度はわざわざ小生宅にまでお越し頂きまして誠に有難うございます。私は左大臣を務めます中臣と申します。セシリア様から伺ったのですが何か両国に都合が良い妙案がおありだとか・・・是非お聞かせ頂ければ幸いでございます。」ということで会合が始まったのだった。
話の内容としては・・・
この国には鎧武士と言われるいわゆる兵士がおり、その勢力はそもそも西の海都と東の新都に二分していたという。それが、東の新都に君臨する右大臣物部氏がどこからか強力な陰陽師たる者を探し出しその下には呪術師のみならず悪質な呪詛師をも従えさせた。つまり呪霊を意のままに操ることが可能になったとか。呪霊とはいわば妖怪のようなもののため武力では対抗できず国の主導権を奪われたままとなっているとのことであった。
そのため、今や物部氏は自ら将軍と名乗り帝に代わり国政を担っているという。
物部氏は強欲で、まずは巨万の富や不老不死の妙薬を所有いるという噂がある海の都を落とそうと準備しているとか。そして、その先には海を渡った大陸への遠征も画策しているとのことでセシリアが言ったことと全く同じ内容であった。
するとマリアが「実は私達はセシリアの水の都を守る約束をしたのですが、貴国の物部氏がその敵にあたることが確認できました。私達はこちら側につくことにし共に戦いたいと考えております。」と言うと、中臣氏はわずか4人で何ができるのか?という表情をしたのが感じ取れた。そして、続けて、
「ここに来る途中でこのメンバーでパルフィン帝国のサヌアカリフを潰してきたところです。魔獣使いがいたのです。それと似たようなケースかと。」
「パルフィンのカリフをですか!?」と左大臣は驚いている様子だ。
「左大臣は陰陽師に困惑されているかと思いますので、私達でそれを対処すれば帝の正規軍が討伐できるのでは?と考えております。」
「なるほど、それは有難いことですな。呪霊がいなければ我が軍の勝利は間違いありません。ただ陰陽師相手にそれが可能なのですか?」
「ジョー、ここであなたの異能を披露してもらえますか?」とジョーの顔を見つめた。
『そうか、見せ物のようで気が乗らないけどしょうがないか・・・』
「わかりました、姫!」と従者らしく答えると「カムアウト!」と大袈裟に叫んだのだった。
するといつものように、ジョーの背後に3精霊が姿を現した。
「左大臣、私らがジョーの精霊だ。私が魔法、ブルーが武力、ホワイトが空間を司るのだ。ちなみにジョーに憑依することもできるのだ。 お見せしようか!」と言うと精霊達はジョーと合体した。
「では、左大臣、ここでは大袈裟な魔法は使えないので簡単なマジックショーといこう!」というと、
ジョーは水を芸術的な形で出したり火の玉を出したりした後に上空に飛び立ったのだった。
着地すると、「それに俺は、魔獣をいくつか召喚できる。ここでは被害が出るとまずいから遠慮するが。」と披露した。
「なるほど、類まれな異能をお持ちのようですな! 感服いたしました!! では、是非とも我が軍に加わって頂きたいと存じます。」
「では、左大臣!早速実行に移そうではないか!」とマリアが言って打ち合わせに入って行ったのだった。




