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JOE TEMPEST 「異世界転生して特殊能力を授かった男の物語」  作者: 三海怜


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第31話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


本編も宜しくお願い致します!

翌朝、ジョーが起きるとセシリアは消えていた。

『あれっ セシリアは??』

あたりを見回したが姿が見えない。


急いで後部デッキに出てあたりを見回したのだがそのような人影もなかった。

『もしかして、あれは夢だったのか・・・』

するとビーチの方から「ジョー!!そこで何やってるの〜??」とエベルが叫んでいる。

ジョーは何事もなかったかのようにボートに乗ると急いでみんながいるビーチに戻っていった。

その時、ボートを漕ぎながらなぜか清々しい気持ちになっていた。

『あれは、いったいなんだったんだろう?』 不思議と戦いや争い事は良くないという気持ちになったのだった。


「あ、ごめんごめん! なんか眠れなかったから」ということにしておいたのだ。

エリーゼも駆け寄ってきて、「ジョー、心配しました!起きたらいなかったから。」と本当に心配そうな表情で抱き付いた。

「ごめん、エリーゼ! 心配かけちゃったみたいだね。」、何故か麻痺していた感受性が元に戻ったように感じた。『エリーゼもかわいいな。戦闘が続いていたから忘れていた普通の人間の感情が戻ってきたのかな?』

マリアも出てきて、「ジョー、なんで船に行ってたんだ? 見張りがいなくなってしまって!」と少し機嫌が悪いようだ。


「ごめんごめん!」 『やはり、みんなにも言っておいた方がいいのかな・・・』

言わないつもりでいたのだが、なぜか共有しておいたほうがいい気持ちになった。

「実は見張りをしていたら、船に人影のようなものが見えたんだ。だから、忍び込んで行ったら、

なんと、何がいたと思う??」

「ここは海に囲まれているからな・・・」とみんなも考え込んでいるようだ。

「驚かないでくれよ! マーメイドがいたんだよ!!」

「マーメイド!? 物語の見過ぎじゃないの!?」とマリアが全く信じられないというふうに言った。

「本当だよ! 消えてしまったけどね! 最初は下半身が魚だったけど、水が抜けると人間のようになったんだ。

まるでエルフみたいだったよ。ほんとに驚いたよ! ただ夢か現か…」


すると、アベルが、「うん、その話聞いたことがあるな。実際見たと言う奴は初めてだけど。」

「だろ!? で、言葉も話せてさ、また現れるかもしれないから、とりあえず信じられないかもしれないけど、頭の片隅に入れて置いてくれ。」と言うことで話を終わらせておいた。


昨日取ってきたフルーツと焼いたパンにコーヒーも沸かしコバルトブルーに輝く海を眺めながら朝食を食べた。

この綺麗な珊瑚礁に囲まれた小さな島はなぜかジョーの記憶に深く根付いてしまったのだった。


「それじゃ、撤収して船に戻ろう!」とマリアの号令で船に戻り一行は再度ゼポニズムを目指して出航した。

コバルトブルーに輝く珊瑚礁を抜けて大海原を航行していくと海の色はディープブルーに変わっていった。

ジョーはデッキでワインを飲みながら海を眺めていると、海で泳ぐものが船に近づいてきたのだった。

『えっ、もしかしたらセシリアか!?』と思って駆け寄ったのだったが、なんとイルカ達であった。

波は大きくなり大海原がうねっているのがわかる。船はそのうねりに合わせて建物の2階分ぐらい上下しており、大きく見えた船でもここではちっぽけな存在に思えた。


「しかし、揺れるね〜 」とジョーが言うと、

「まあ、私達は今大海原の揺かごの中なんだから観念しな!」とマリアが諌めた。

「ここからどのぐらいいくんだろう?」

「私も初めてだからね 海図頼みだよ〜」

「海図ってどれ?」

マリアは海図を持ってきてジョーに渡した。


その海図はエンジェルの国を起点にグリーンエリアがあるものと思っていたのだが、なんとグリーンエリアという存在は海図にはなく、マリアの国ガルマニウム王国を起点に砂漠が広がっており、陸地のドンつきにパルフィン帝国のサヌアがあった。海図としてはそれを起点に描かれており島々が点在しているのも細かく記載されていた。


「あっ この島がキャンプした島なんだね!?」

「そうだ、わかるか?」

「へえー これがゼポニズム皇国か!? 結構大きい島なんだね!?」

「大きさの割には山がちで住める場所は少ないらしいぞ。我々ガルマニウムは科学を信仰し、パルフィンは魔術を信仰する。ゼポニズムは呪術を信仰するため自然神を崇め奉るらしい。」

「呪術? 全然イメージつかないね。だけど未知の国っていうことで返ってそれが楽しみかも!?」


「しかし、マリア、この海図には俺たちがいた世界が載ってないんだが・・・」

「そうなのよね。私達はそんな世界があるとは誰も思っていないね。その盗賊とやらはどうやってあなた達の世界を見つけたんだろうか? 私も興味があるから、このミッションが終わったら絶対に連れていってくれよ!!」と積極的である。

「わかった!でもそれは俺たちとお姫様の間の秘密だぞ!!」とあまり知られるとまずいような気がして少々からかい気味で承諾した。


ふと、船室であるサロンを見渡すと、反対側の3人掛けのカウチにはアベルとエベルが反対向きに昼寝、こちら側のカウチの左端にはエリーゼがうとうとと、ジョーが真ん中で操舵輪に近い右端にマリアが座っている。

『どうりで静かなわけだ・・・ 居眠りなのか? 船酔いなのか?』


「みんな寝てしまったね・・・

しかし、マリアの船、まるで家みたいだね!」

「そりゃそうよ! だって私の家なんだから!」

「ハハハ、そうだったよね!」

「でも こんな家があるなんて羨ましいな!」

「そう言えば、ジョーってご家族は?」

「いないと思うよ。俺、以前の記憶がないんだ…」

「全く?」

「全く!」

「そうなんだ、ごめん!歳はいくつなの?」

「全然いいよ! 多分、そろそろう二十歳かな。」

「そうか、じゃ特例中の特例で私があなたのお姉さんになってあげようか!?」

「お姉さん? えっ ほんと!!?」

ジョーはなんとなく子供の頃に姉のいる家庭環境に憧れた懐かしさが込み上げてきたのだった。












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