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JOE TEMPEST 「異世界転生して特殊能力を授かった男の物語」  作者: 三海怜


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第29話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


「陰陽師・・・」

すると黙って聞いていたブラックが、

「陰陽師は聞いたことがあるぞ! 陰陽五行説というものがあるんだ。まずは陰陽説とは万物は陰と陽という対立する二つの原理によって成り立っており、その相互作用によって変化するという考え方なんだが… 例えば、日と夜、上と下、水と火などが陰陽の対になるな。五行説とは、万物は木・火・土・金・水の五つの元素に分類されて相互の関係や全体の中での個々の性格を把握することができるという思想なんだ。それに対して魔術は4大元素が元になっているから金の存在は五行説の特徴と言ってもいいだろう・・・例えば、木は土の養分を吸い取るが、逆に金物は木を切るってことなんだが・・・」


マリアが「なんか呪術ってのは難解だな… それは魔法とどう違うんだ?」と純粋に聞いてきた。

「そうだな‥ わかりやすく言うともっとスピリチュアルと言ったらいいのか…呪術師の強い願望の実現がありきなのだ。」

「つまり、魔法と魔術はどっちが強いんだ??」

「それはその魔術師、呪術師、個々の力量によるな。」

「それと、陰陽師は式神を使役することで知られているんだ。」

「式神とは?」

「陰陽道において陰陽師が使役する霊的な存在、または鬼神のことなんだが・・・色々なタイプがいるな。瞬時に使役できるように紙を人の形にしておいてそこから呼び出すことも多いらしい。使い魔と似てはいるが少し違うんだ。」


「そうか・・・少しそのあたりは理解が難しいがつまりそういう国と聞く。」とマリアが続けると、

それを険しい表情で聞いていたジョーも、

「ブラックに聞きたいんだが、君たちは付喪神とか言ってたと思うんだが、式神って奴とはまた違うのか?」

「そうだな、また違ったものになるね。 ただ、私らは長い年数の影響で擬人化しているからもしかしたら近い存在なのかも知れないね。」

そこにホワイトも割って入ってきた。

「もしかしたら、私たちは今では式神とあまり変わらない存在になっているのではないでしょうか!?

式神と同じように付喪神もピンからキリまでいますからね。」


すると、エリーゼが、「そろそろ肉も野菜も焼けてきましたよ!」

「そうだね! 今夜はパーティー仲間のマリア姫も一緒だから盛り上がっていこう!」と言って8人で乾杯したのだった。

「ところで、姫! 俺たちとこんな危険な冒険をやっていて本当に大丈夫なのか?」

「どうせ、第5王女だから継承権はないに等しいし、それよりもあの王宮の中は息が詰まりそうなんだ・・・

国王も私にはそう言う意味では期待はしておらん。ただ、敵から攻められた際には一個師団を率いて受けて立つ覚悟はできているから、それまでにはやりたいことをやって楽しく時を過ごしたいな。」


アベルも「いいねー!姫!! そう言う考え 私カッコいいと思うよ!」と同感しているようだ。

「じゃ、マリアは俺たちと一緒にいると楽しいってこと??」

「当たり前だろう!でないと、いくら第5王女だからと言っても冒険者パーティーなんぞに入らんわ!」


月の明かりに照らされた姫の容姿をマジマジと眺めると、柔らかいラインのエリーゼとはまた違った美しさであった。凛とした直線的で白百合のような品がある美しさと男勝りの勢いの強さの持ち主、生前のジョーであったらまるで相手にされていなかったであろう。転生して成長した自分に深く感謝し、一国の姫と焚き火を囲んでこうして話ができることに快感を感じていた。


話も盛り上がり、これをきっかけにマリアもジョー達のファミリーになったと言っても過言ではなかった。

マリアとしても、常人ではあり得ない特殊能力を持ったジョーやその仲間にとてつもない興味を感じており、可能であれば自分もそういった力を授かりたいと思っているほどであった。

他の仲間を笑顔で観察していた物静かなホワイトが、「そろそろベッドタイムですよ!テントにエアベッドを作ってあるからそろそろ寝ましょうか!もちろん私たちは消える時間ね! ねえ、ブラック?」

「そうだね、そろそろ寝ようか 生身だから疲れてきたね。じゃ、ジョーお願い!」

「わかった、お疲れ様!では、あた明日よろしくね〜! ディスミス!!」

3人の精霊は消えていった。


「じゃ、とりあえず、何も起こらないかも知れないけど、交代で見張りをしようか!?

俺がまずやるから、次はエリーゼを起こすよ!次はアベル・エベルな!それまではぐっすり寝ておいてくれ!」

「わかった!ありがとう!! じゃ、ジョー、おやすみ!何かあったら起こしてくれよ!」と言って、

4人はテントの中に入っていった。


ジョーは1人 燻っている焚き火の炎をじっと眺めていた。

何故か生前の辛かった日々が走馬灯のように浮かんでは消えていた。

久しぶりに1人となったジョーはそうした感傷に浸っていると小1時間は過ぎていったようである。

テントのなかを覗いて見ると4人とも仲良く子供のようにぐっすりであった。

『へえ、マリアって可愛いところもあるんだな。きっと女1人で生きてきたから肩肘張っているんだろうな・・・」


月の光が反射して波の輪郭が綺麗に浮き出ていた。そして潮騒の音も耳に優しく続いている。

そういった海に浮かぶマリアの船をなんとなく眺めていると、

『あれ、あれはなんだ??』

人影のようなものが甲板に見えた。

『まいったな!こんなところで、また盗賊か!?? それとも俺の幻か??』

アサシンスタイルのジョーはナイフを常時携帯しているので、そのままこちらに来るときに使ったボートを静かに漕いで船を確かめるためにゆっくりと近づていった。

真相が知りたかったのだった。




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