第21話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
空中は強風もなくゆっくりと進行しており、艇の後部に取り付けられている進行用のプロペラが激しく回転する音だけが響いている。
「しかし、お前達のことを詳しく聞きたいのだが、ジョー、貴様はどこに国の者なのだ?」
「俺は、この人間の国ではない、山の洞窟の先に広がるグリーンエリアにある中立の町エルムフォルドという町の出身だ。」
「それは、初耳だな。そんなところがあるのか? 私もこの旅が終わったらお主らに同行してこの目で確かめてみたいな。
「姫、私らの町は自然の中にあっていいところだよ。来るんだったら今回の旅の感謝の印として歓迎するよ!」
とアベルが目を輝かせながら楽しそうに言っている。瞬く間に姫のファンになってしまったようだ。
「でも、姫!」
「姫はそろそろやめてくれ! マリアフレールなので、親しいものからはマリアと呼ばれている。だからマリアでいいぞ。」
「わかった、では、遠慮なくマリア、俺は一国の姫があなたみたいに自由奔放で驚いているんだが、そもそもなぜこの船にいたんだ?」
「ああ、それか、私は城が嫌いでここで生活しているんだ。堅苦しいのが嫌いでな!」
「護衛もなく?」とエベルが、
「護衛など役に立たないな。そもそもここを襲おうと思う輩はいないぞ。お前ら以外はな。」と言って笑っている。
「なあ、マリア、俺たちこの世界がまだよくわかっていないんだが簡単に教えてくれないか?」
「そうだな。私の国は科学を重んじた国で今は蒸気機関という仕組みがメインとなっている、だから国防なども科学頼みだ。これから向かうパルフィン帝国は魔法に国を捧げた国でカリフは地域ごとにおり一応皇帝が国のトップとして君臨しているのだが、陰の最高権威者は教皇と言われるいわば魔法使いの最高レベルの長が牛耳っているんだ。だから様々な魔獣も使役している。その一つがワイバーンだ。あとは蠍型やトカゲ型などは砂漠に生息していて襲ってくるから商隊にとっては命懸けなのだ。まあ、逆にそれがパルフィンにとっては外敵からの防御にもなっているが。
そして、3大国家のもう一つは、ゼポニズム皇国という国が海を渡るとあるのだが、異能といったらいいんだろうか?私にも未だ不可解なのだが魔法とは違った超能力を生まれながらにしてもった人間がいるようなのだ。そういった輩が帝を取り巻き国を蹂躙しているとの話だ。
「なるほど、では、今我々は砂漠の上を飛んでいるが、その先にパルフィン帝国があって、その先が海になっている。そしてその海を更に行くとゼポニズムという謎の異能をもった人々の国があるってことか!?」
「まあ、簡単にまとめるとそうなるな。他にも小国はいくつかあるんだが。私は実は海の先の国ゼポニズムに興味があるんだ。その異能というものを一度この目で見たいと思っていてな。」
「まあ、夜もふけてきたから、今夜の自己紹介はこれでいいかな?船室があるから皆の者もそこで寝てくれ!」
と言って、自分の寝室の対面にある部屋に案内した。
部屋の中には2段ベッドが2組両側の壁面に設置してあり真ん中にはダイニングテーブルと窓側にソファが設置してあった。
「素晴らしい部屋だな! 姫本当にありがとう!!感謝する。では、おやすみ!」と言って別れた。
強い太陽の光で目を覚ました。すでにエベルは起きておりデッキでジョーから授かったオカリナを吹いているのが聴こえてきた。窓からは広大な砂漠が見下ろせてところどころに小さなオアシスが点在しているが、やはり魔獣を恐れてか?高い城壁で守られている。
「トントントン」ノックがあった。
「どうぞ」とジョーが言うと
マリア姫がドアを開けて、「そろそろオアシスに到着するから、その前にコーヒーでも飲むか?」と言っている。
「あっ、姫、すまない! ありがとう!!」と言ってジョーは他の3人も起こした。
また5人がサロンに座り、姫が淹れてくれたコーヒーとスウィーツを頬張っている。
「しかし、姫、このツェッペリンって乗り心地最高だね!!爆睡できたよ。」とアベルが言うと、
「嵐がなかければな。昨晩から風が弱いからちょうどラッキーだったんだよ。」
「おっ そろそろ 砂漠のオアシスの街アルカインに到着するぞ。着陸したらまず水と食料そしてコークスを補充する。それを手伝ってくれ!」
このオアシスの街はかなり大きな街であり、駐機場もあり交易品が飛び交う大きなメディナというマーケットもあるのだ。
船からロープを垂らし地上の係員がそれを掴み係留すると、ツェッペリンは宙に浮いた状態で係留された。
一行は武装し梯子を垂らして地上に降り立った。
姫の案内で地上で受け取った台車を引きながらマーケットに直行し、まずは生命線となる水と酒、そしてパン類と肉や野菜なども購入できた。
飛行船の燃料となる石炭やコークスはある程度の備蓄は船内にあるのだが、行った先々で補充できる場合は補充しているという。
姫はその後マーケットを見て周り、外れにコークスが売られているのと発見した。
「よかった!これである程度を確保できたな!お前らとこうして長距離を飛ぶとは思っていなかったから満タンではなかったのだ。これでひと安心だ。」と安堵の珍しい表情を見ることができた。
「どうする?これをツェッペリンに運んだら、せっかくだからこの街を見て回るか?」と姫が聞いてきた。
「いいねー! 私らは賛成だな!」と姉妹がオアシスに興味があるらしい。
「わかった、じゃ、お言葉に甘えてそうさせてもらおう!」とジョー隊長も興味があるようだ。
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