第20話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
暫くすると、パンツスタイルの戦闘服に身を包んだ王女が両刃が付いたレイピアを持って現れたのだった。
「さあ、後部デッキでやるぞ!」
エリーゼが刀を抜き、マリアフレールと向かい合った。
そしてジョーの審判で模擬戦が始まった。
「カンカンカン カンカンカン 」打ち合いが続いている。
剣の達人であるエリーゼに劣らず積極的にレイピアをうまく回しながら攻めている。
全くの互角であった。
暫く続いたが、これでは勝敗がつかないと思ったジョーは、「やめ!引き分けだ!」と叫んだ。
すると王女は、「お前、剣が達者だな、エリーゼと言ったか!? 私の側近にしたいぐらいだ。」と王女ながら褒めている。
「マリアフレール姫、これでわかった。あなたが剣客であると言うことを。失礼した。」とジョーが言うと、
「では、これで合格だな! しかし、その姉妹はウェアフォックスといったな!? とにかくカワイイ!! 失礼だが少し触ってもいいか?」と近寄っていったのだが、たまらずアベルとエベルを抱きしめているのだ。
「いやー 失礼!モフモフでカワイイな!! 実はこの艇を動かすには助手が必要なんだ。この姉妹を私の助手にしてもいいだろうか?」と聞いてきた。
「どうだ? アベル、エベル??」とジョーは本人達に確認した。
「うーん、姫ひとりじゃこの船を飛ばせないんだっから仕方ないな! いいよ!」と、まあいつもの如く興味津々である。
「よし!では、話はまとまったな! では、出発と行こうか!!」
「しかし、本当に姫単独でいいんですか??」と逆にエリーゼが心配で確認すると、
「案ずることはない! 後で王には連絡を入れておく。」とお構いなしの様子である。
早速、マリアフレール姫はアベル・エベルを従えて機関室に消えていった。
「いやー 驚いたな!!」と姫がいなくなった後でジョーはエリーゼに言った。
「本当ですね!! しかし、あの姫とても強かったですよ!!それに良い方みたいじゃないですか!?」
「まあ、そうだな!不幸中の幸いと言ったらいいのか!? おかげで実のことを言うと俺がこれを動かせるのか心配だったんだが、姫がやってくれると言うので逆に安心したよ・・・」
暫くの間 この艇は川の流れに身を任せて流れていたのだが、どうやら蒸気機関が動いたようだ。
「ボッボ ボッボ ボッボ・・・」と蒸気で歯車が回る音がしだした。
すると、その間隔がどんどん短くなり「ボボボボボボ・・・」という音に変わったかと思うと、
ジュラルミンでできた葉巻型の巨大な風船に熱気が溜まりパンパンになっていった。
ついに浮いた!!
全員「うわーすごい浮いてるわよ!!」とデッキから下を眺めて感激している。
河川から飛び立ったプリンセスツェッペリン号はどんどん高度を上げて城壁で囲まれた町を眼下に見下ろしながら進んでいる。
「こうやってみると夜景が綺麗ですね〜」とエリーゼも感動しているようだ。
「どうだい? 王国の首都カリングラムの夜景は?」とマリアフレールは機関室から姉妹を連れて出てきた。
「ジョー!この助手の2人は優秀だよ! 君は優秀な仲間を持ったな!」と褒めている。
するとエベルも「まあね!でも、初めてみるもので面白かったよ!あんな仕組みで空を飛ぶんだね!」と感激していた。
アベルも「しかし、すっごいな〜 これうちの村にも欲しいよな〜 なあ姫、あの武器庫にあった大きく丸い黒い物体はなんなんだ?」
「ああ、あれか。キャノンボールと言ってな、一種の大砲の砲弾なんだが、この甲板の最後部から下に落とすんだ」
すると、ジョーが「なるほど!! これは空から下を攻撃できるんだな!? 素晴らしい!」と反応している。
「そうだ、蒸気機関をマックスに稼働させると陸上からの砲弾が届かない高さになるから、そこから下の標的に向かってキャノンボールを投げるだけで破壊できるんだよ。」
エリーゼも「すごい兵器ですね!!じゃ、これがあれば、カリフの城なんか壊せるんじゃないですか!?」
「それがな、あいつらはワイバーンという飛竜を多数飼っているんだ。だから戦士が手なづけてそれに乗るワイバーンナイトという軍団があって。火を吐く飛龍に乗って長槍で縦横無尽に戦うんだよ・・・」
「そうなのか!?」とジョーは何か閃いた様子である。
「数は50はいるらしいが年々増えているようなんだ。このツェッペリンのバルーン部分は金属のジュラルミンでできているから、ある程度の強度はあるがあまり強い衝撃を受けると爆発して我々は地上に真っ逆様に落ちることになるな。」
「では、戦闘になったらまずはそのワイバーンナイトを駆逐しないとならないんですね!」
「そうだな。そのためにこの艇の武器室には2バレルのライフルを装備しているから、それで長距離の攻撃はできるようにしてはいるんだが・・・それを使えるハンターも必要だな。」
「まあ、その時は俺たち全員でそれを使って撃退するしかないな!」とジョーが言った。
「それじゃ、先は長いから船室に入ってゆったりとくつろぐことにしよう。」と姫が言って全員操舵室を兼ねているサロンに戻っていった。
姫は蒸気機関で熱せられている熱湯を使って紅茶を入れスウィーツを全員にサーブしてくれた。
「いや、姫、すまない!姫にティーを入れてもらって恐縮だ。ありがとう!」
全員お茶を飲みながら話し始めた。
「パルフィン帝国まで、どのぐらいかかるんですか?」
「そうだな、一旦帝国に入る前に砂漠のオアシスで水と食物そしてもしあればコークスを補充する。それが明日の朝になるだろうから昼頃には着くだろうな。」




