第2話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフ短編集となります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
ふと誰かに見られている感覚が走り部屋の中を見回すと不思議なものばかりが収集されていた。
あたかも魔女の部屋といった見え方で身震いがした。
ジョーはこの部屋の光る物体には不気味さを感じているが、雨風を凌げておまけに食材が豊富な厨房もある。
ましてや誰かが寝ていたであろうベッドではあるがフカフカなクッションで今夜は寝られるということが嬉しく不気味さを気にしている余裕はなかったのであった。
手に取った楕円の透明な物体の1つを元の場所に戻そうとした時、
何故か手が思うように動かず床に落としてしまった。
『あっ、まずい!!』と思った瞬間には床に落ちていた。
身体がまだ馴染まないようであった。
『ガシャーン!』という音を予想したのだが・・・・
なんと驚くことにそのガラスは割れていなかった。
『よかった〜 これガラスじゃないのかな?? もしかしたら水晶??』と拾い上げ元の場所に戻した。
そして、いきなりものすごい疲労と睡魔に襲われいつの間にかベッドで寝てしまったのだった。
雷の音が時折頭の中に響いていた。
『これは夢なのだろうか・・・』
朝日がカーテン越しから溢れジョーは目覚めた。
そのままブランケットの上で寝た記憶なのだが何故か身体に被っている。
不思議に思い寝返りを打つと隣には人らしき姿が映った。
『うぉっ なんだ??』と驚き咄嗟にベッドから出て立ち上がった。
なんとそこには黒髪の女性が寝ているのである。
『もしかして・・・ここの住人なのか?? やばい!!』
どこかに置いたリュックを探して逃げようとしたところ、
なんとその女性は部屋のドアに一瞬で移動していたのだった。
『ごめんなさい!人が住んでいるとは思わなかったので・・・
勝手に泊まってしまいました。』と深くお詫びを言った。
『あれ?俺ってば英語喋ってるぞ??』と同時に驚く。
『そうよ、いけない子ね。あなたは! 私のベッドに勝手に寝て 狭かったわよ。』
その女性はブラックのノースリーブドレスを着て立っていた。
どうやら20代半ばで色白の綺麗な顔立ちのスリムな体型である。
『この人、綺麗だな・・・』と見惚れているジョーがいた。
「でも、あなた、イケメンだから許してあげるわ。いっそのことここに住んでもいいわよ。」
と驚く怪しいことを言ってきたのだった。
「それに、あなた、勝手に料理もしたようね? 私にも作ってくれたら許してあげるわ。」
『・・・どうしようか? でも、ここを出ても行く宛もないし・・・』
『この人、すごくキレイだけど、なんか訳ありなのか!?』
『それに俺は、ここではまだ子供なんだな!? 若い女性に見えるが、実の俺に取ってはかなりお姉様?』
と現実とのギャップで悶々と悩んでいたのだが、この女性の魅力に負けて、
「わかりました。ここで家事をするんで住まわせてもらえませんか??」
と言ってしまったのだった。
「あーら、いい子ね!いいわよ〜 あなたのお名前は?」
「はい、ジョーです。ジョー・テンペストと申します。」
「私は、ブラック・ウォンドゥよ。ブラックと呼んでね。 一応この館の持ち主なの。」
「よろしくお願いいたします! じゃ、早速何か料理を作りましょうか?」
と焦って階下の厨房に降りていった。
『やっば!あの人綺麗だわ!! 一緒に住むことになるなんて・・・これって夢なのか?』
と思いながらまた缶詰を探してブランチを作り始めた。
料理が出来上がり、彼女を呼んだ。
「できましたよ〜」と大声で叫んでみたが返事はない。
『まあ、そのうち来るだろう』と思い厨房に戻ってみると、すでにブラックはダイニングテーブルに座っていたのだった。
『あれ? もしかして、ここにいたのかな?』と思い、
器を探し盛り付けてテーブルにサーブした。
「ランチョンミートとポテトの缶詰があったのでそれで料理してみました。お口にあうといいんですが・・・」
ブラックは無言で食べ始めた。
「美味しいわね! あなた料理お上手ですね!?」
「いゃ〜 それほどでも」と言いながら、今まで料理なんぞしたことがないのになんでできるんだ?と思っていた。
という滑り出しで、この不思議な女性との共同生活がスタートしたのだった。
ジョーは、確信もないため、まさか異世界から来たとも言えず・・・
今までの記憶がないということにして
ブラックからこの世界のことを色々と聞いてみることにしたのだった。
「それじゃ、あなたの部屋を用意してあげるわね。」と言われ、昨晩見た2階の部屋の1つに案内された。
『あれっ 昨日は部屋にほとんど何もなかったのに、ちゃんと住める部屋になっているな・・・』
とまたもや驚きである。
その部屋はやはり猫足のアンティーク調の家具類が入っており、フカフカのベッドも用意されていた。
「ここ使っていいんですか? すごい立派な部屋ですね!ありがとうございます!」感激である。
「私は、寝室に篭って仕事をするから、絶対に開けないでね。」と言って消えていったのだった。
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