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JOE TEMPEST 「異世界転生して特殊能力を授かった男の物語」  作者: 三海怜


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第19話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


「つまり、この国が西ノ国でガルマニウム王国 そして真ん中にあるのが通称中ノ国でパルフィン帝国で東にあるのが東ノ国でゼポニズム皇国になるんだな!?

単純すぎて、ここの世界の地理はつまらないな!?」とジョーが皮肉っている。

「あのオヤジが言うには、ここから砂漠を超えてその中ノ国のサヌアって言うところのカリフがこれからの標的だな。」


「でも、問題は砂漠はどうやって越えていくのか??だな〜」とアベルが頭を悩ましている。

すると、ジョーが「あれだ! 飛行船だよ!!」と閃いたのだった。

「そうか!? あれだな あれ!! あれを盗むのか!?」とエベルも理解したようだ。

「でも・・・あれを盗んだところで操縦できるんですか??」とエリーゼが不安の表情である。


「うーん・・・たぶん」

「たぶん あれは蒸気機関というもので石炭を燃やしてその蒸気を動力に換えているんだ。

船の部分は水上を動くときには両脇にある外輪を回して進み、空中を移動するときは動力を切り替えて

後ろに着いていたプロペラ4機を回すんだと思う。」

「でも、どうやって空を飛ぶんですか?」

「蒸気機関は燃やした熱が出るからそれを巨大な風船にようなところに吹きこむんだよ。

熱い空気は上昇するからそれを利用して浮き上がるんだ。」

「へえー ジョーって物知りなんだな〜」とエベルが感心している。


「あの時見た時は、あの飛行船の見張り番はいなかったよな〜 たぶん、盗んだところで操縦できないとたかを括ってるんだろう。」

「じゃ、あれで行こう! 空を飛ぶのって初だから楽しそう!!」とアベルも勝手に盛り上がっている。

「わかった!じゃ出発の準備をしようか!」


ジョーはまずこの国での特産品であるピストルをパーティーの人数分手に入れたかったのだった。

このピストルとは我々の世界ではパイレーツが持っている古式銃と言ったらわかりやすいだろうか?

2バレルでいわゆる火打石銃である。 しかし、武器屋に行ってみると、身分証がないと売れないという・・・

冒険者ギルドで登録すればそれが身分証となると言うこと聞き、ジョー達はまず冒険者ギルドに向かった。


冒険者ギルドは街の中心街にあり、立派な看板がある観音開きのドアを開けるとパブと一緒になっている受付が見えた。「あれだな!」受付でパーティー登録をお願いした。

綺麗な受付嬢が、「わかりました、では、お名前とスキルとパーティー名をご記入ください。」と案内した。

「そうか、パーティー名ね・・・エリーゼどうする?」

「では、イバラとはこの国の言葉でソーンズなので、ブラックソーンズっていかがですか!?」

「なるほど!いいね!! そうしよう! 今から俺たちがブラックソーンズだ!」

と言うことで、登録が終わると各々の身分証が発行された。

そして、街中の武器屋に戻るとその身分証があるだけで簡単に調達ができたのであった。


そして、いよいよ決行の晩となった。

飛行船は数隻接岸していた。巨大な軍用の飛行船はパスして1番小さい艇に目星を付けた。

「あの小さいカッコいいやつがいいんじゃない!? 4人しかいないし。」とアベル・エベルも言っている。

4人は河岸に連結しているローブを解いてから後部甲板に乗り移りメインドアの前に立ち確認すると内部は暗く人気はなかった。

まずジョーが特技の錠前開けスキルで飛行船のドアの施錠を解除し静かに内部に入っていった。

月明かりで内部の輪郭がわかる程度であるが、幾つかの船室らしき部屋の廊下を抜けていくとそこは大きなサロン風操舵室になっていた。


『まずは、ここから移動させねば! 浮き上がる前にまずは川を下って町を出ないといかんな!』と思い、

操舵室内にあるアンカーハンドルを音を立てないようにゆっくりと回している。アンカーの格納が終わるとこの船はゆっくりと川の流れに合わせて動き出した。

『そうか、これで舵を取るのか!?』と丸い木製の舵輪を調節し行き先の方向を確保した。


すると、その時、『お前ら、そこまでだ!』という声が暗闇の中から聞こえ、ジョー達は驚き辺りを見回した。

すると、先ほど抜けてきた船室の廊下側に人影が見えたのだった。

その人影が一歩近づくと月の光で容姿がわかるようになったのだが、若い女性が古式銃をジョーに向けて立っていた。

「このツエッペリンはガルマニウム王国第5王女マリアフレールの所有物だと知っての狼藉か?」と勇ましい声で聞いている。


いきなりの人の登場で焦ったジョーは・・・

「悪い!知らなかった。俺たちは奴隷商を追ってパルフィン帝国に行きたいだけなんだ。」と咄嗟に答えた。

「お前ら何者だ??」と再度強い口調で聞いてきた。

「俺たちはグリーンエリアから奴隷商の大元を断ち切るためにきたんだ。あんたは誰だ?」と逆に聞くと、

「私は第5王女マリアフレールだ。まずはそこの4人!前に集まれ!抵抗するなよ!すると男を撃つぞ!」


「わかった!みんな言う通りにしろ!」と4人が一ヶ所に集まった。

するとその自称王女はピストルを向けながら部屋のランタンに火を灯したため全てが見えるようになった。

すると水色のセクシーなネグリジェに身を包んだブロンドの綺麗な王女様が目の前に立っていた。

『えっ この人マジ綺麗だな!』と全員が思った。


「説明させてくれ!」とジョーが言った。

「言ってみろ!」

「俺たちはグリーンエリアから来た冒険者で、俺はジョー、こちらのエルフはエリーゼ、そしてこの姉妹はウェアフォックスのアベルとエベルだ。」

「実は、獣人の国に奴隷商が来ていて女子供が攫われているんだ。その手下を捕まえてたどり着いた先がこの国のホランド男爵だったんだ。で、そいつから聞き出したんだが、奴隷達はパルフィン帝国のサヌアのカリフに売られていると言うことがわかったんだ。」


「なるほど、それでこの艇を盗んでパルフィン帝国に行こうとしていたわけか?」

「その奴隷交易に関して、少し聞きたいのだが・・・この国では奴隷の売買は禁じられている。よってホランドは国賊として成敗されよう。良いことを教えてくれた、王女としても感謝する。だが、たとえこの艇を盗むことができたとしても、たかが4人で何ができるのだ?」


「俺たちは獣人や亜人たちを売買するような行為は絶対許せないんだ!だからそれを辞めさせるためにカリフという奴をやっつけなければならない。それ俺たち冒険者だから見知らぬ土地にも行ってみたいんだ。」

「ほー お前は面白いことを言うな! この艇だけで一つの帝国の軍隊を相手にするのか? それに帝国は魔獣を飼っているとの噂もあるぞ。」


「そうだ! そうか、なら俺も魔獣を飼っているぞ!」

「誠か?面白いな! お前らが言っていることは確かに嘘には思えんな・・・」と王女は何やら考えている。


「わかった!では、お前達を信じてこの国の家臣が犯した罪を私が謝罪するとしよう。その謝罪としてこの飛行船を貸与しよう。だが条件がある!」

「本当か?? 有難いが、その条件とは?」

「私が同行するぞ!!」

「えっ お姫様がそんなことしていいのか?」とアベルが驚いて聞くと、

「お前らは知らないのか?この国の第5王女は王位継承権が弱いため天下御免なのだ。それに戦の度に軍を率いているぞ。」と笑っている。


『どうりで女ながら勇ましいわけだ。』

「わかった、ただ、確かめたいことがある」

「言ってみろ!」

「ともに行動をとるならいざという時に信頼に足るか?あなたの力量を知っておいた方がいいと思う。うちの剣士のエリーゼと是非とも模擬戦をお願いしたい!」

「なるほど、面白い!では、剣を用意するからそのソファーでくつろいでいろ!」と言って船室に消えていった。










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