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JOE TEMPEST 「異世界転生して特殊能力を授かった男の物語」  作者: 三海怜


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第17話

核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。

主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。

ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。


まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。

その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか? 

ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・


特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。


この戦闘で捕虜となった2名のアサシンはリーダー格であった。

獣人族に引き渡し、拷問の末、人間の国への入り口と彼らの雇い主が判明したのだった。


獣人の国及びエルフの里があるグリーンエリアは人間の社会から干渉を受けない世界となっているはずであった。しかしながら、この黒影旅団のような人攫いや盗賊がなぜこの世界に入り込むことができるのだろうか?

ということが謎でありもっぱらジョー達の冒険心を強く揺さぶっていたのである。

これで、逆に人間達の国への入り口が見つかるのだ。


だが、黒影のリーダーは不可解なことも言っていた・・・

『ただ単に行けるわけではない』ということである。

だが、その入り口となる場所は奴らの命と引き換えに聞き出すことができたのだが一体何があるのであろうか?


ジョーとエリーゼそれに今回の旅にはさらに好奇旺盛なウェアフォックスの姉妹も加わり出発となった。

村では獣人達総出で姉妹を見送ってくれたのだが、その際に感謝の印として獣人の長にオカリナをもらったのだった。長によると昔から伝わる獣人の楽器で、それを奏でると獣は敵意をなくすという逸話があるようだが、今まで誰も試したことがないというものでもあった。

『まあ、夜長に吹くのもいいのか・・・』


山を2つ越えた洞窟の中にその入り口はあるという・・・

途中、狼人に遭遇したが、幸いアベルとエベルの交渉で何事も起こらず通過することができた。


さて、一行はその洞窟の前に立っている。

「この洞窟怪しいな〜 あいつら私らを騙してないよな!?」

「そうそう、いざとなったら、あんたの精霊たちがいるじゃないか!?」

「まあ、行ってみないとなんとも言えないですね。」

「それじゃ、みんな、気を引き締めて行くぞ!!」


暗い鍾乳洞がある洞窟の中をエベルが用意してくれた松明を掲げて恐る恐る進んでいくと、

微かな光の先にドアらしきものが見えてきた。

「あれかな!?」と、ジョーがドアを開けてみると、その先には陽炎で揺れているようなはっきりしない風景が見えていた。

「これが、その盗賊が言っていたことですかね??」

「まあ、ここまできたんだから怯まずに進んでみよう!」とジョーがみんなを励ました。

「わかった!行こう!! この先に何があるのか気になるからな。」エベルも賛成だ。


この不思議なドアの先にある世界に一行は足を踏み入れて進んで行った。

そして不思議な陽炎の中にあるトンネルを進んでいくと、洞窟は急に明るくなり別世界が目の前に現れたのだった。 「これが人間の国か!!」

『そうか、これは異次元へのドアだったんだ!』とジョーは前世の記憶と被り悟ったのだった。

アベルとエベルはたいそう驚き不安がっているが、獣人の国に帰ることができるようにとその洞窟の出口に石で積んで目印をつけていた。

「ジョー、ついに来てしまいましたね!」とエリーゼは逆に感激している様子である。


彼らの先に広がる世界は、ジョーの前世の記憶で言うならば、中世ヨーロッパの城壁で囲まれた大きな城下町であった。いくつもの旗が風でなびき城門は衛兵隊が守っている。そして街を守る城壁の遥か先には御伽噺の中のような立派な城のベルクフリート(望楼)が聳えているが、なぜか煤で煤けたようになっていた。


まずエリーゼとアベル・エベルは人間に見えるようにフード付きの長く黒いケープを被った。

「これで人間の修道女に見えるだろう。」

早速一行は盗賊から奪った通行証を門番の衛兵に見せて無事城壁内に入ることができた。

その街は交易の要所として栄えているようで、ジョーの生前の記憶で言うと『まるでヨーロッパ中世の城下町』といった光景であった。


一見エルムフォルドの街に似ているところもあるのだが規模が全く違っている。

そして店の多さや中世の服を着た行き交う人々の多さにびっくりしているようで、まるでお上りさん状態である。

『えっ、でもこの人々のファッションは単なる中世じゃないな・・・これはヨーロッパ中世というよりは近世なのか!?』と目を見張っている。

いわゆるヴィクトリアンやエドワーディアンといった英国近世のファッションに身を包んだ市民が闊歩しているのだ。

男性は山高帽を被り黒い燕尾服を着ている者もいるし、女性は金持ち風のショート丈のヴィクトリアンドレスを着た女性やエドワーディアン風のすとんとしたアイラインドレスを着た若い女性などファッションが入り混じっているのだ。

そして、生前のジョーの記憶にはない点があった。それはエレガントな要素に機械的な意匠がプラスされたような一風変わった黒づくめの独特なファッションなのだ。


騎馬兵が街の安全を維持しているようだが、綺麗な石畳を歩いていくと川に接岸している見たこともない乗り物がいくつか停めてあった。

「なんだこれ? 船なのか?」とエベルが言った。

「俺も見たことがないな・・・」と言いながら、その船のような妙な乗り物を見回して見ると・・・

『なるほど!! 驚きだ!これは飛行船じゃないのか!?』

いわば客室がある帆船のような細長い船体が川に浮いているのだが、その上には帆の代わりに葉巻型の気球が浮いているのだった。

「わかったよ!これはレアだな!これって空を飛べるのさ!」

『なるほど、蒸気機関が盛んな町なんだな』と街の解析をしていると・・・

ストリートを蒸気機関バスが走っているのだ。

『そうか!だから町中が煤けているのか!それでその影響で本来ホワイトが特徴のエドワーディアンスタイルなのに黒やダークカラーがベースになっているのか・・・ススで汚れないように・・・』


一行は初めて見るものに驚き立ちすくんでいた。

『なるほど!だからあの黒影旅団の服装も黒くてエグいファッションだったんだな。武器も機械的なモチーフがあったし、弓兵は機械仕掛けのボウガンを持っていたんだな。』とジョーの中でもやっと腑に落ちたのだった。

『これは俺がいた世界で言うと・・・もしかしていわゆるちょっと前に流行ったスチームパンクってことか!?

でも、ここは蒸気機関をメインにしてはいるが中世と近世が混ざっているのが違うような気もするな・・・』







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