第14話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
敵を倒したジョー達は長老にさらに先に進むことを告げた。もちろん、またエルフの里に戻ると約束して。
そして、その際に今回の功労を労うと共に感謝の証としてエルフの里に代々伝わる薔薇の剣を受け取ることになった。それがあるとどのエルフの里でも歓迎されるということと強力な武器となるという言い伝えがあると言うことである。どんな効果があるのかは使ってみての楽しみだそうだ。
そして、一行は名残惜しい気持ちを抑えながら、馬車にてまた来た道を引き返し、今度は西側に広がる獣人達の森に向かうことにした。
エルムフォルドの街を流れる川に戻ってきた時、ブラックが、
「ここで一旦馬車を返しましょう。獣人達の国は山と渓谷の土地になるから馬は向かないのよ。」と言った。
「そうなのか!? 歩きで行くんだな?では荷物も絞らないとな。」
「結構ハードですね。野宿できるようにはしないとですね。」と、
エリーゼは長い刀剣を2本とシールドを背負うため、ジョーがリュックで背負える範囲の野宿一式を入れて再出発した。
「エルムフォルドの街にも色々な獣人を見かけたけど、いったい獣人ってどんな種類がいるんだろう?」とジョーは不思議に思った。
「そうね、今までで狼人間、狐人間、熊人間、猫人間の村は確認されてるわね。そもそもこの土地に住んでいた獣と人間との遺伝子配合で生まれた種だから、未だどこまで進化しているのか?は不明なのよ。彼らは種族ごとに集落を造って生活しているの。人間が持っていない能力があるし、力も強いから森で守られている環境の元でその棲息地域が広がっているわ。」とブラックが説明してれた。
「エルフ達は神樹を中心に幾つかの村が作られているけど、獣人は種族ごとに好きな山に村を作ってるってことだね。」
「そうね、でも、獣人はエルフ達より人間を避けているし、敵対しているエルフのエリーゼもいるから、まずは獣人の仲間を見つけた方がいいわね。 メジャーな種だとWerewolfはいわゆる狼人だけど、Werefoxという狐人もいて、これが結構強い種なのよ! 女性は見た目も魅力的でよく魅了される人間の男もいるんだけど、魔術や妖術が使えるたりもするし素早い槍攻撃に強い破壊力があって手強いのよ。」
「そうなんだ。じゃ、手始めにそのウェアフォックスを盟友に組み込みたいな!」
「あら、ジョーたら、あなたも魅了されちゃうわよ!」と言ってブラックは笑っている。
そんな会話をしながらジョーとエリーゼは獣道いや獣人道と呼ばれる細い山道を移動していた。
沢で水を補給しながら山は2つ超えただろうか・・・そろそろ2人にも疲れが見えてきた。
「しかし、馬車での移動と違って、これはまた一つの修行だね!」と汗を拭きながらジョーが言った。
「この辺で野宿にしましょうか?」
「そうだな、あたりは裾野で見渡せそうだからそうしよう。」と言い、火を焚いて途中で狩った鳥を焼き始めた。
「しかし、静かですね。こうして2人でいると落ち着きます。」とエリーゼは言いながら、ジョーの隣に座り腕を組んだ。
それを遠目で眺めていたものがいた。ウェアフォックスの姉妹である。
「あいつらツガイかな?やけに親しそうだな。」
「ちょっと、ちょっかい出してやろうか!? 面白そうじゃない?」
と2人の獣人は気配を消しておりていった。
焚き火の炎を見ながら和んでいたエリーゼが微かに獣の匂いを察知した。エルフの体質で知覚が効くのである。
「ねえ、ジョー、なんか獣の匂いがしますわ!」と小声で言うと
「そうか、来たな! それとなく準備しておこう」
すると、2人の両脇から物音がしたと思った瞬間に、目に見えない速さでウェアフォックス2人が現れたのだった。
「あんたら、ここは獣人の国って知ってるよね? 一体何しに来たの??」
「俺たち冒険者なんだ。獣人の国を回って仲間を集めようと思ってるんだ。」とジョーが答えた。
「へえー そうなんだ!? 面白そうね!! 私たちも冒険したいわ! あんたらは獣人の国のあとはどこに行くの?」という予期せぬ反応があり、ジョーとしては構えていただけあって驚いた。
「まだ決まってないけど、エルフの国には行ってきたばかりだから、人間の国にでも行こうかな?」
「ただ、この先に行くんだったら獣人たちは結構強いよ〜 あんたらまずこの国で自分の身を守れるのかな?
よかったら私らがあんたらがここで生き残れるかの力量をみてあげるよ。」と言いながら槍を振り回し始めた。
ジョーとエリーゼは立ち上がるとそれぞれ構えた。
ジョーはアサシンスタイルでエリーゼは剣士として背中合わせに立っている。
ウェアフォックス達は彼らの両側に立ち機会を伺っていたが同時に槍で突いてきた。
素早い攻撃でジョー達もやっと回避できたぐらいの攻撃であった。
『へえー 奴ら結構やるじゃん!』とジョーは思った。
エリーゼはウェアフォックスの片割れと交戦中で、ジョーももう片割れと睨み合っているところだ。
激戦の中、エリーゼは槍を飛ばしウェアフォックスの喉元に刀をあてた。
一方ジョーの方はアサシンの技としては必殺となってしまうため、ナイフで槍を避けながら前後に揺さぶりをかけ間合いを詰めて行っていた。そして、懐に入り込み喉元にナイフをあてた。
「これで勝負あったな! これで俺たちはどうだ?」
「お見事!! あんたらとは面白そうだから、私らが一緒に旅をしてもいいんだったらという条件で獣人の国を案内してやってもいいよ!」と提案してきたのだった。
改めてこのウェアフォックスを見ると、まるで下半身がグラマラスな8頭身のモデル体型で服も着ているため獣人とわかる部分は目や鼻の雰囲気と大きな狐耳や尻尾があるぐらいであった。いわゆる狐顔ではあるが、その趣味があれば美人と思えるほどの出来上がりである。
「君たちは姉妹なのか?」
「よくわかったわね!そうよ、私がアベルで妹がエベルよ。よろしくね!あんたら私らの槍を避けられるってことはかなりの強さね!久しぶりに感心したわよ!」
と言う流れとなり、この獣人もジョー達の焚き火に加わることになったのだった。




