第13話
核戦争後の荒廃したパラレルワールドでの本編『光と陰ー織りなす夢の形』のスピンオフとなります。
主人公ジョー・テンペストはその世界で生まれ育った18歳の男の子。
ふとしたきっかけで未知の体験をしていくことになる異世界転生の物語。
まるで導かれたかのように古びた不気味な館に引き込まれ妖精達と出会う。
その妖精達との共同生活を通して、打ちひしがれたジョーの心に徐々に変化があらわれるのであった。この旅の行き着く先はなんなのだろうか?
ジョーにもわからず妖精達と一緒に望みを叶えていく・・・
特殊能力を授かったジョーはエルフと獣人達との冒険に出るのだった。
「あいつは、ダークエルフで間違いないが・・・あの妖気からすると魔獣使いだな・・・そしてすでに当のエルフは絶命して妖魔に乗っ取られているわね。」
「ということは、あいつをヤレば魔獣にかけた術が解けるのか!?」
「そういうことになるわ。」
そうこうしているうちに魔獣達に放った炎が森を回り始めていた。
「ジョー、このままだと神樹に火が回ってしまいます。」とエリーゼが知らせてくれた。
「やばい!ウォータージェット!!」と叫ぶと、強力な水鉄砲のようにジョーの手先から飛び出し
火災場所を消化しているが足止めとなってしまった。
その時、魔獣の後ろにいた甲冑に包まれた不気味なダークエルフはどんどん近づいて来ていた。
ジョーがまだ鎮火できないでいると、エリーゼが刀を振いながらそのダークエルフに挑んで行ったのだった。
ダークエルフは槍で刀を払い除けた。続けてエリーゼが風魔法でウインドカッターを浴びせたが、敵はそれをアースウォールで防いだかと思うと土の矢アースアローをエリーゼに向けて撃ってきた。彼女はそれを刀でギリギリ払い避けた。
『奴は土属性魔法か?』とジョーは思ったが、ゴーレムでも出されると厄介なので、早急に仕留めなくてはと焦っている。
『これでほぼ鎮火したかな??』あたりは煙が立ち込めていた。ジョーはエリーゼの前に立ち後方からのアロー攻撃を促した。
ジョーはブラックだけを分離させ、魔法攻撃を連発するように指示をすると、ブラックとエリーゼを後方に残し中に浮いた。ブラックは早速酸性液体を使うアクアレジーナをダークエルフに浴びせかけており、エリーゼはそこに合わせるかのように矢を次々と放っていた。それをダークエルフはやはり次々とアース・ウォールを造って防いでいる。
ジョーはその合間に中空で敵後方に素早く回り込み両槍に持ち替えていた。
そしてアース・ウォール作りで目一杯の状態のダークエルフ目掛けて上空から突っ込んでいった。
その攻撃は隙を付いた形となり、突進した際の斬鉄の槍が甲冑で守られた敵の脇腹に深く切り込んだのだった。
そして、ダークエルフはそこに倒れた。
ジョーは着地し、「お前、なんでこんなことをしたのだ?」と尋ねると、
「私はダークエルフ、あいつらエルフを憎んでいる。兄弟仲間があいつらのせいで死んだんだ。」と弱い声で話した。
「なるほどな。エルフとダークエルフの諍いはよく聞く話だな」とよく見ると男の身体ではなかった。ジョーは倒れているダークエルフの横に立ち、兜を剥がしたところ、美しい女戦士の顔が現れたのだった。
『ブラックよ?ダークエルフはテイムできるのか??』
『できる場合もあるね、すでに妖魔の類だからね。まあやってみな。』
ジョーとしてはこれほどの美貌の土魔法使いを失うのは勿体無いと思ったのだった。
「お前、俺に仕える気はないか? お前の無念はわかる。俺もそうだから」と言い彼の人生の無念のイメージを念で送り始めた。それが伝わったのか?ダークエルフは涙をこぼしているようである。
これはチャンスと思い、ジョーは手をかざし心の声で尋ねてみると、どうやらやり残したことが気がかりのため承諾してくれたようであった。そしてジョーは彼女の頭に手をあてるとその姿は輪郭がなくなり消えていった。
テイム成功である。そしてビーストマスターと名付けたのだった。
「おージョー!テイム成功だな!? まあ、あのままだとどうせ助からないからな。姿は変わっても生きながらえる道を選んだんだろう。」
そして、彼女が消えてからは魔獣達も同時に消え去ってしまった。
族長がジョー達に駆け寄って来たのでブラックは再度憑依した。
「いやージョー殿!助かった!! 本当にありがとう!!あなたらがいなかったら我々は皆殺しになっていたところだった。」と感謝して座り込んだ。戦っていた他の戦士も寄ってきて座り込み一同感謝の礼をしているのだ。
「いえいえ、あなた達もよく魔獣と戦ってくれました。それで魔獣使いを倒すことができたのです。これで脅威は去ったから大丈夫です!」と伝えた。
部屋に戻り、ジョーは3精霊とエリーゼに礼を言い、明日ここを出ることを伝えた。
「しかし、あのダークエルフの土魔法は強固だったな。」とブラックが言った。
「やっぱり、1番役に立つのは私の力であろう!」とブルーが鼻高々で言うと、
「決め手はブルーでしたが、私たちがそのチャンスをつくったんですよー」とエリーゼが膨れっ面で応戦した。
「まあまあ、俺たち全員の勝利だよ!!本当にみんなありがとう!!」
その夜は、全員疲労困憊と見えいつの間にか精霊たちの姿はなくなり、ベッドの上でジョーとエリーゼは自然に抱き合って寝ていたのだった。




