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ベル暦3年:子供時代の終わり  作者: 木苺
追記編:その後の若者たち
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リンとライト

「ねえ」

食堂を出たところで、ライトを追いかけてきたらしいリンが声をかけた。


「なんだ」ぱっと振り向くライト


その勢いに半歩後ろずさるリン


「あのその 元気してる?

 なんだか このごろ全然笑顔を見てないような」口ごもるリン


ため息をついてライトは言った。

「その質問に対する俺の答えは きっと君の気に入らないと思う」


ため息をつくりん。


「心配してくれてありがとう。

 だけど もうこれ以上 俺に声をかけないでくれ。

 声をかけられたら 期待してしまうから」ライト


「私が男なら 良き友人になれたのだろうか?」リン


「無理だな たぶん」


「なぜ?」


「だって 俺 男にきょーみねーもん!」


「頭くるー それって 女である以外私に価値がないって言ってるのと同じよね!」


「じゃあ 聞くけど 俺が女だったら お前どうよ?」


「うーん 働き者で力持ちで優しくて気働きができるライトの外見そのままの女性なら 私尊敬して憧れまくってただろうなぁ。


 でもってからに めちゃくちゃ嫉妬深くて独占欲つよくって執着心が信じられないくらい強い本性に気づいたら・・ もしかしたらなんか穏便な口実を作ってベルフラワーを出て行ってもらったかも」


「なんだそれ!」怒るライト


「だって 同性から執着されると ものすごく面倒なのよ

 異性関係なら まだ その あなたみたいに自制してくれる人もいるかもしれないけど・・

 同性同士だと歯止めがないから・・

 巧妙に立ち回られると打つ手がない。


 だから 執着心の強い同性とは、友人関係どころか同じ場所で暮らすことそのものが無理だわ。


 ってことは、執着心の強い異性との友人関係も無理なのかなぁ・・


 ごめん。せっかく君が我慢してくれているのに 私から声をかけたりして。

 私が浅はかでした。」

リンは謝罪した。


「君のそうやって 一足飛びに結論まで出すの やめてよ。

 俺にも 言わせてくれ」ライト


「どうぞ」


「あー 俺には 君を困らせる気は全くない!

 それだけは信じてくれ」


「うん」


「だから 俺を追い出したりしないでくれ」


「するわけないでしょ。

 あなたは 立派にここでくらしているのだもの。」


「だったらいいんだ。」

そういって ライトは黙って食堂に入って行った。


ライトの後ろ姿を見送りながら、リンはいつの間にか傍らに来ていたレオンに言った。


「まるで 孤独が服を着て歩いているような姿を前にして 私はどうすればいいの?」


「今の君にできることは何もないと思うよ」レオン


「なにも 恋愛問題と絡めなくてもいいのに

 ていうか 彼 あんな状態で 男友達との関係も 持てているの?」


「どうだろうねぇ。

 友人として ああいう男を見守り続けるつらさを 俺も今味わっているところ」


「悔しいわ 自分が無力であることが

 それ以上に 見守り続ける覚悟が私にたりないことが」


「無理に友達にならなくてもいいんだぜ」


「どっちにしてもつらいわ」

そういってリンはため息をつき、宿舎に戻ろうとして少し笑った。


「ねえ ライトって食堂に何の用があったのかしら?

 もしかして 私のせいで 出てくる途中だった食堂に引き返して逃げたの?」


「みたいだね」

レオンは答え、宿舎のほうに首を振って自分たちも移動しようとリンを促した。


「返すがえすもごめん。

 いつも 私はライトを困らせているわ」

リンはそういって 食堂のほうに向かって手をあわせ一礼して踵をかえした。

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