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第54話 初夏

6月になり バラが一斉に咲き出した。


リンド・スレイン問題に忙殺されていたリンは、バラ園に足を運ぶこともないままバラのシーズンも終わった。


すでに春まきの作物の収穫も始まっている


今年は梅ぼしの漬け込みも リン抜きで行われた。



今年の第1回クズとりには アラン・リック・レオンの3人が行った。

アランとリックにとっては 院外への遠出はちょっとした息抜きだ。

フォーン一家もそろって里帰りのために同行した。


リンの代わりに レオンがフォーンたちのために笛を吹いた。

 その音色を聞きながら、フワ達は自分達も人化できるようになったのだから 笛の練習をしようかなと思った。

 (今年は まだ恥ずかしいから仲間の前で人化した姿を見せないことに決めていたけど、来年には 仲間の前で笛を吹いてみようかな)


ベル歴1年に、修道院で生まれた月・星・あかり・タイは、夏の間 両親の仲間と暮らすことになっている。

この子たちにとっては 初めての院外生活である。



夏の日差しを浴びて、太陽光による湯沸かしからは、熱湯が出てくるようになった。

この湯沸かしは、ドーリとドワーリンの指揮により、盆地と川辺の開拓地にとりつけられたものだ。


盆地のメンバーは、植樹した木が成熟するまでは 盆地に居ても仕事がないからと、

農繁期に入った本領を手伝いに戻っていた。

ドスコイも ベルフラワーで必要な革の作成を冬の間に終わらせていた。


盆地にはAとどじょうたち4人が残り 稲作をしたり、家畜の世話をしたり、妖精ナーリンの助言を聞きながらタンニン槽の手入れをしたりして留守を守っていた。


というわけでA達は、盆地のくず畑のくずを刈り取り、太陽光で沸騰させた熱湯を使ってクズの繊維とり作業も行なった。

 昨年本領での人間たちの活動を注意深く見ていたクスラ達の監督を受けながら。


どじょうたち元森男たちは 今ではオオカミたちに監督されることに慣れっこだ。

「まったく どこに行っても 念話の使えるオオカミが居るなぁ」とぼやきながらも。

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