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第52話 2回目の春

ベル歴3年 ベルフラワーができて2回目の春。


2回目の春なので 農作業の手順などは だいたい昨年と同じ。

今年は リンがアンデッド対策で抜けることが多かったので

メンバーの主体性が問われる春でもあった。


特筆すべきことと言えば

 ①修道院内の東側と南側 主要耕作地をすべて 稲作にかえたこと。

   

今では 修道院内の堀は 水を満々とたたえている。

雨の王は 今も自分の周囲(円堀の内側)にせっせと雨をふらせ、修道院の堀に水を供給してくれる。


そして 昨年 がんばってパイプ草を育てて、修道院から共同宿舎の周囲に至るまでの地域は 灌漑設備を張り巡らせた。


というわけで 米以外の穀類はすべて、修道院外の畑に植えることにした。


②支柱を必要とする作物の栽培

 昨年は支柱にする材木が全くなかったので見送られた栽培品種が多々あった。

 しかし この1年間の間に 麻のかわをはいだあとの軸とか 竹を割ったり、盆地の開拓地から送られてきた粗朶など 支柱に使える棒がずいぶん集まった。


・2月

今年は新たにトマトを栽培することにした。

もちろん直播OK・手間いらず病気に強い改良品種だ。


 川辺の開拓地にはミニトマトの種を4粒送り、3月~4月の間に2週間間隔で1粒づつまいて 丁寧に育ててもらうことにした。

 うまくいけば 6月~10月の間 川辺の開拓地の食卓をにぎわわせてくれるだろう。

 また 一部の苗では 種とりもする予定だ。


トマトは 乾燥を好むという。

というわけで 本領の畑には 大玉トマトをたくさん植えた。

夏にはサルチャを作ることも検討している。

サルチャとは、トマトを乾燥・発酵させたものだ。


・3月

  ・唐辛子(鷹の爪):

    米の虫よけ、糠の酸化防止に必要だろうと、本領・川辺の開拓地・盆地の開拓地それぞれで

    1本づつ栽培することにした。


   「辛くない品種は栄養価も高いんですよ」とはミルタンの弁

   「やっぱ 腹の足しになる物優先な」とは男性陣の意見

   「料理に旨味を添える内藤とうがらしは 葉も使えるのですから」マリア

   「内藤とがらしを使ったカクテキ(角切り大根のとうがらし付け)を食べてみたいわ」リン

     ↓

  ・内藤とうがらし

    修道院の食堂のそばと ミルタンの部屋の前で1本づつ栽培

    鷹の爪と交雑しないとようにと ハチ達に協力を求めた。     


  ・とうもろこし(早生) 収穫は6月下旬

     昨年、蒸しとうもろこしが人気だったので。

     一つには 豆類の跡地にイネ科植物としてえらばれたというのもある


  ・春まき人参  収穫5~6月

  ・春まき大根の種まき

  ・さつまいもの芽だし開始 植えるのは5月

  ・じゃがいもの植え付け


  ・ごぼう

   葉ごぼうの経験をもとに 今回は根を食べるためのごぼうも植えてみた。

   もちろん短根種。

   キク科で連作を嫌うというので、修道院内で昨年豆を植えた跡地を深く耕し、

   さらに50センチも盛り土した畑を用意した。

   畝間の土を 盛り土に使ったので 実際には70~80センチは土が盛り上がっている感じだ。


  基本的に根菜類には 深く耕した後に盛り土をした区画を用意した。

  たとえて言うなら、高い畝の両側を素焼きの板で支えて土止めをした感じ。


  そして 大根・カブ・ごぼう・芋などを抜く前に側板を外して

  盛り土を崩しながら 掘り出していこうというわけ。


  この方法だと盛り土の側面から乾燥しやすいので、防湿結界内にある修道院の敷地限定で今年は試してみた。

  そして 畝間の溝からの水分の蒸発を防ぐために 畝と畝の間にも素焼き板を並べた。


 結果的に腰への負担が減って、足の泥汚れも減った。


 冬の間に、サローヤンとダンカンが中心となって 炭焼きと素焼き板づくりを盆地で頑張ったかいがあったというものだ。

  


・4月~5月


  ・里芋

    今年は雨の王の許しを得て、内堀と円堀の間に里芋を植えた。

    「新しい品種の成長を見守るのも面白かろう

    昨年は いろいろの花を見て楽しめたからのう

    花類は 院内の川辺や池の周りに植え替えてもよいぞ

    そのほうがハチ達も喜ぶであろう」とのこと


 というわけでベル歴1年に 雨の王のおひざ元に植えた花などの植え替えは、ティティの指揮下でロジャ・エレン・ディーが行った。

 そして 植え替えた後の花の手入れについては エレンとディーが雨の王から直接助言をうけながら 責任をもって行っていった。

  つまり、ティティに続き、エレンとディーが 雨の王の直弟子に加わったのである。


  ・スイカ

    昨年は ウリ科植物のカボチャをあちこちに植えたが

    今年は 新しく開拓した畑にスイカを植えた。

    地を這うウリ科植物は 土壌の乾燥防止にも役立つから。

 

  ・そば:収穫は7月

   本領のハチたちのために 今年は昨年よりも作付け面積を広げた


「甘い香りの蜜を人間は好み、くせのあるそば蜜は 我らハチの取り分ということだな」

ハチ達は ぶんぶんと陽気に言った。


最近 本領のハチ達は、人間用のはちみつをためる巣箱と、自分達の子育て用の巣箱を分けて使うことも検討しているらしい。


だが、今のところ 子育てのあまりもののはちみつを人間用に分けるのは構わないが

人間用の巣箱にはちみつを集めてやるのは嫌だという考えるハチのほうが多いらしい。


女王としては 自分の子供達のいる巣箱に人間の手が触れるのは落ち着かないから、地代代わりに人間用の巣箱にはちみつをためてはどうかと考えているそうなのだが。   


  ・米


  ・大豆・いんげん・枝豆・つるなしうずら豆・金時豆など

    収穫は6月中旬~10月


  ・カブ:収穫は6月


  ・麻


「春まき品種の中には、桜の開花期に種をまくというものが多い。

 桜だって 品種により2月に咲くのは例外としても 4月から5月にかけて開花期がずれるのだが・・・」


 「文献が書かれた時代に その文献が書かれた地域に生えていた桜が基準なんだろう」フェン


 「アカシックレコードに頼りきらずに 自分達の体験を活かそうね」ドラ


 「そもそも ベルフラワーで植えている作物は ほとんど私が この地に会うように改良したものだしねぇ」リン


・桜の塩漬け

ディーとエレンはブロン君に乗せてもらって、東街道沿いに植えられた桜のつぼみをつんで回って、テレサと一緒に塩漬けにした。


・桜の葉の塩漬け


 桜の葉が散り、若葉が広がり始めたころ、ボロンとアシカがレオンに付き添われて

 ブロン君車にのって 桜の若葉をつみに行った。

 「なんで 俺たちは 付き添い付きなの?」ボロン


 「お前たちは体が重くて ブロン君の背中の上に立てないから梯子がいるだろ?

  それに 何事も初めての人には 経験者がつきそうことになってるから。」レオン


 「確かに 俺たち ここでの経験はディーたちに比べると1年以上の開きがあるよな。

  年齢より実力と経験かぁ」アシカ


  ブロン君が鼻をならした。

  

  「いまだに ブロン君たちからの評価も低いしなぁ」ボロン


  「それでも 遠出が許されたってのは、それだけ信頼されたってことなんだから

   軽率な振る舞いで信頼を裏切るなよ」レオン


リン曰く

 「桜の葉の塩漬けに少しだけ白梅酢を足すのはまだ許容のうちだけど

  桜の花びらの塩漬けに梅酢を足すのは興ざめだわ。

  保存用の塩はしっかり使おう!」



・6月

 ・小豆あずき:収穫は10月

   昨年は 砂糖がないならあんこが作れないと栽培が見送られていたあずき

   今年は、はちみつの結晶を砂糖代わりに使おうとひらめいた?開き直った?ので

   小豆も植えることに。

   しかし 味のバランスがどうなるかは謎。


  「赤飯は 砂糖を入れずに炊くから、あんこがだめでも赤飯にしていただきましょう」リン。


・・・

「ウリ科 ナス科 豆類 連作を嫌う植物が多いなぁ」バクー


「昨年 ジョンが記録して ある程度今年の作付予定を立てていてくれてほんとに助かったよ」フォーク

 二人にほめられ ジョンは にっこりした。 


 今のジョンは 夕食後 バクーやフォークから意見を求められることはあっても、

 昼間は ずっと畑に出て仕事をしている。


(参考)

桜の葉の塩漬け の作り方

 https://www.hakatanoshio.co.jp/contents/basic-pickles/page_320.html


辛くない唐辛子(新宿とうがらし・内藤とうがらし)

 https://naito-togarashi.tokyo/about/


 「新宿」という地名のイメージに肩身の狭い思いをする地元の子ども達に郷土愛をはぐくもうと

 ビルの屋上のプランターを使って栽培を始めた内藤とうがらしプロジェクト

  応援してます!

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