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ベル暦3年:子供時代の終わり  作者: 木苺
リンド国・他
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第46話 リンド11日目

 リンドの王宮と大聖堂を含む王都全体に術を放った10日後、生き残ったのは500人もいなかった。

 その500人弱をとりあえず、王都の外の空き地に連れて行った。

 そこは リンがあらかじめ土地を浄化してから浄化結界で囲っておいた場所であった。


罪人たちの自白により、王宮・大聖堂も含めた王都の地下全体が アンデッド生産工場になっていたことが判明したので、王都全体を浄化しなければならないことは、生存者たち全員が理解していた。


約500人の避難場所には、リンがあらかじめ浄化済みの建物と食料・生活必需品を運び込んでいたので、皆感謝した。


 王都外の住民達は、自分たちの周りにいた人々のうち アンデッド生産系罪人と判明した人の比率の多さにおそれをなした。

 そして彼らの自白を聞くや否や、罪人たちの最後を見届けることなく 自分達全員は安全な場所に避難したいといった。


よもやアンデッドの生産にかかわっていたとは思わなかったが、罪人たちのほとんどは日ごろから素行が悪かったり、汚い商売をしたり、外部から流れ込んできた盗賊の類だったので、あいつらがアンデッド生産のための誘拐・監禁・人身売買などやっていたのも納得だし、彼らが苦しむのも自業自得だというのが一般の村人たちの感想だった。


もともと人口減少が目立っていたリンド地域だったので、4か所合わせても600人ほどしかいなかった人々の希望をを入れて、リンは その者たちを王都の住民の避難場所に転移させた。



合計約1100人弱が王都に隣接する避難場所で生活をすることになった。


この者たちは リンが作った結界ドームの中から 周囲で燃え広がる浄化の炎を見て震え上がった。


そしてアンデッド生産に携わったことはなくとも それぞれが後ろめたく思っていたあれやこれやを思い出し、いたたまれなくなった。

 というのも 浄化結界の中に入るのは、浄化の洗礼を受けることに等しかったから。


教会付属校で 浄化の眠りを潜り抜けた生徒たちだけは元気に老教授といっしょに、避難所の衛生管理に精を出した。


近衛兵と老兵たちは、10日間の激務を癒すべく ひたすら眠った。

聖職者たちも同じくだ。

コーチャンとセバスは この10日間ひたすら己の良心と向き合っていたので、今では心も新たに 村人や市民たちのサポートに取り組んだ。

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