第43話 混乱
大聖堂でセバス大司教があたふたしていたころ 王宮内は大混乱であった。
コーチャン国王を筆頭に王族・貴族が全員七転八倒の苦しみに襲われていたのだ。
一応 アンデッド生産にかかわった者には10日間の責め苦と自白の時が下ると
昨夜お告げがあったので、これがそれかと理解はできたが、
王族・貴族が全員かかわっていたとはと 近衛兵たちは暗たん思いであった。
一方王宮の外、王都でも 状況はにたり寄ったりだった。
もともと王都はこの1年人が急減して閑散としていたのだが、
退役軍人を除けば 全員発狂したのではないか?という様相を示していた。
まさか これほど多くの者がアンデッド生産にかかわっていたとは!!
フィールド・バンデッド近衛隊長は頭を抱えた。
今では 自分が王都の最上位責任者らしい。
信じられない事態だ!
しかし軍人らしく 妥当な選択を積み重ねていくのみだ。
まず宮殿内の人員点呼
近衛兵50名
侍女を務めていた女性士官30名(うち2名は王専属の賄方)
医療班(全員女性)20名
とりあえず男女合わせて100名の士官は無事だった。
しかし 城の下働きも全滅 軍属も全滅ってどうよ?
コーチャン国王が 自分の身の回りは 賄に至るまで近衛士官を召し使ったのは こういう裏があったのか。
しかし 知ってたのなら なんで ちゃんと手を打たなかったのか?と言いたい。
・・
一方王門の外には 退役軍人たちが勢ぞろいしていた。
対アンデッド戦で片腕を亡くされたシンドバッド元将軍が 王都内の退役軍人たちに召集をかけたらしい。
その数300。
王都内だけでも 手足を失った退役軍人が300人もいた。
そのほとんどが 60歳近い年寄と、20代の若者だ。
若者は先陣で 年寄は殿を務めて傷ついていく。
シンドバッド元将軍の提案により、彼らを一時的に衛兵に仮採用した。
正式に任命するには 王の許可がいる。
しかし 王はいない。
教会からは 新王を祝福する鐘が鳴り響き、新女王についての説明書が出された。
シンドバッド元将軍から 王招聘の狼煙をあげることを教えられた。
大晦日なので5話まとめて投稿します
この1年 読みに来てくださってありがとうございました。
よいお年をお迎えください
(お正月の3日間は 朝7時の1回投稿で お料理系の番外編です)




