第13話 始原の存在:リンとフェン
「始原の存在」と呼ばれるエネルギー体のうち、生き物の創出に一切かかわってこなかったのが フェンである。
宇宙や惑星などの創出にかかわったのが、リンやフェンの大先輩たち
生き物の創出と作りなおしに積極的だったのがリンの先輩たち
星の上の生き物と積極的にかかわったのが、リンやフェンの同期及び後輩
リンの先輩たちは、「自分たちが作った生き物」を支配したり、気にいらないからと滅ぼしたり、飽きたからと放り出したりと、産みだした生物をほぼおもちゃ扱いしていた。
リンとフェンは 大先輩たちと同じように惑星を生み出すことができた。
二人が協力すればビックバンを起こして宇宙を創出することもできた。
リンは完全に忘れ果てているが、そもそも二人は 新たな世界を産みだす為に、共に故郷を出発したのであった。
リンは世界の創出に意欲的で、フェンと一緒にビックバンを起こしに宇宙の果てに行こうとしていた。
そのために最速移動を望むリンと違って、フェンはあちこちの星々を見て回りたくて 先を急ぐリンを引き留めては、寄り道をしていた。
たまたま動物のいない惑星(先輩の誰かが放置した惑星)でフェンがいつもより長く遊び始めた。
その星で、気流に乗って遊んでいるフェンを待つのにくたびれ、
暇を持て余したリンが何気なく生き物の創出を初めて・・・・ 今に至る。
そういう過去があるからこそ、フェンは 一つの星にとどまってあろうことか人間になって転生を繰り返し始めたリンに 今もつきそっていた。
たとえ リンが 何千年もの間 自分の本来の姿を忘れて フェンのことも前世も忘れて「ただの人間」として生きていても。
リンに付き合って フェンも人間になって降臨したこともあった、
しかし、人間の姿で生きていると 自分の存在が変性していくように感じて、最近はフェンリルの姿で過ごしているフェン。
(本来のエネルギー体の姿でいると 人間化したリンとは全くかかわれないので
フェンも致し方なく 実体を持つことにしたのだ)
実体を持たなければ 惑星上の生き物と親しくなれないというのは、エネルギー体たちに共通していた。
だからこそ エネルギー体としての姿を保ち続けた先輩たちは 自分たちが生み出した生き物を支配したりおもちゃ扱いすることでしか関れなかったのだ。
一方 リンのように実体化すれば、惑星上の生き物と触れ合えると知ったエネルギー体=リンの後輩たちは、リンと同じようにいろいろな惑星上に降り立ち、様々な人生を送ることになった。
が その人たちの物語は ベルフラワーとは別の存在なのでここでは触れない。
※本日夜8時 次の投稿をします
内容的には 『第1・2部のまとめと、明朝7時に投稿する新話へのつなぎ』です




