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ベル暦3年:子供時代の終わり  作者: 木苺
川辺の開拓地にて
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第10話 オオカミの子

3月3日 姉さんオオカミが出産した。

 生まれた子は1頭だった。


「オオカミなのに?」

俺は不思議に思ってリンにこっそり確かめた。


「フェンとスコリーによると、特別な子が生まれるときは 1頭だけらしいわ。

 そういう子は オオカミの王が検分して 見込みがあるとなれば 特別に名をもらえるそうよ。」


「つまり ススは特別なオオカミで ほかの3頭は普通のオオカミだから名前がないのか?」俺は心配になって尋ねた。


「普通ではないだろうけど、オオカミ王の基準には達しなかったということね。だから 私たちで その狼たちにも名前を付けてもいいそうよ、

 その人間基準で。」


といいうわけで 生まれた子オオカミに名前はつけなかったが、姉さんオオカミには、俺達で選んだ「モモ」という名を贈った。

 モモは出産祝いにちょうどいいと言って喜んでくれた。


一方 本領に居るオオカミ達からは、モモの連れ合いの名前として「デミグラン」という名が贈られた。

 なんでも 彼はデミタスの父だったそうだ!\(◎o◎)/!


そして ススの夫の名前が「ジョー」になった。

これは本人が選んだそうだ。


(実は 彼は「名無し」でよいと言い、

 ススが「それはあんまりだ! 私の配偶者として誇れる名前を選びなさい!」と怒ったらしい。

 それで リンがランダムに並べた名前の中から、ジョーという名を選んだのである)


生まれてきたオオカミの子は 当分「オオカミ」と呼ぶことになった。


「オオカミとしての誇りある子に育ってほしい」とモモは願っているそうだ。


デミタスとフェンは、森の奥に行って、魔獣を狩って、持ってきた。

「モモと生まれたてのオオカミのために」と言って。


さらにジョーとススと俺達人間の為に うさぎ肉を土産に持ってきた。


モモの巣穴の中には うさぎの毛皮が敷き詰めてあるらしい。


デミタスは しばらくここに残って、周辺警備をしてくれるそうだ。

なにしろ 最近では デミグランとススも交代で子オオカミやモモの付き添いをしているから。。


さらにモモに代わって 妊娠中の羊たちへの気遣いも、ススがしている。

羊のお産にもたちあって、自分の娘と孫の世話もしながら 妊娠中の羊へも気を配り ススは働きすぎじゃないだろうか?


デミタスは 一応 自分の祖母にも魔獣肉を渡していたようだが。



補足:第10話に出てくる オオカミの親族関係


 スス(スコルの娘)&ジョー(一般のオオカミ)

  ポルトス

  モモ


モモ&デミグラン(スコルの息子・ススの義弟)

  デミタス

  オオカミ


狼の王スコルに素質を認められた子は

 雄なら 名前の語尾に「ス」がつく  exポルトス

 雌なら 名前の真ん中に「ス」がつく exミスト


 現在スコルが正式に自分の子供と認めているのスコリー(雌)のみである


  スコルは普通の狼だったが フロージの加護により知恵を得たので、少々言葉の使い方が

  人間とは異なるときがある。


  おそらく「正式な子」というのは、「後継者」という意味であろう


  スコルもまた リンと出会ってさらに賢くなった生き物の一人


(リンは 自分の魔力が 親しくなった生き物に及ぼす影響をまだ自覚していない。

 フェンにとっては それは「当たり前」のこと過ぎて わざわざリンに告げる必要を感じてない)

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