第6話 繁殖季節と狩りの時期①
「そういえば」めんどくさそうに食事の終わったフェンが 人間の姿になってココアを飲みながら言った。
「おまえ日照時間と繁殖季節の関係を知っているか?」
「ううん」リンはフェンはちらっと見て言った。
「今の私は ココアの残量のほうが気になる」
「ばかもん!」
フェンがこぶしでテーブルをたたくと ココア入りの大袋が出現した。
「さっさとこれを空間収納して 一生かけてちびちび飲むがいい!」
「うひょー 中身全部ココア 幸せ♡」
リンはあわてて大袋を収納した。
魔力を使いすぎたのか フェンは再びフェンリルの姿に戻り、フェンが飲んでいたココアもどこかに収納された。
ドラゴンは「君たち 最近魔力が安定しないね」
「次にケンカするときは そうだねぇ 僕のために豪華なクリスマスケーキと御馳走でも出してよ」 と言った。
「なぜ そうなる?」フェン
「なんとなく」ドラ
「ごめん ドラちゃん」リンは 体の大きなドラゴンの首に手を回そうとがんばってドラゴンの体によじ登り腹ばいになって抱き着いた。
「皮膚が堅くなって頑丈になったおかげで こうして首に腕をまわされても なにも感じなくなっちゃたよ。ウロコのせいかなぁ」ドラゴンは リンが腕を巻き付けやすいように首を伸ばしながら言った。
「まったく、だったら さっさと人化して人間とのふれあいを楽しみ
ドラゴンの時は ドラゴンらしく生きればいいだろう」フェン
「そんな風に割り切れないから クリスマスディナーを楽しみたいの!」ドラ
「なるほど お前にとって 人化するほどの価値あることとは 食い気だけかよ」
フェン
「君が唐変木だということがよくわかったよ」ドラ
「ドラちゃん 私の記憶の中にある異世界物語を読みすぎたのね。」リン
「そうそう 人間の女の子って パーティとスィーツが大好きで
大人の女性は 素敵なディナーに夢を感じるんでしょ」ドラ
ぶわっと噴き出すフェンリル
「親しい仲間との素敵なパーティ♡
今もその最中なんだから 無粋なケンカはやめましょう
フェンは シビアな話を持ち込みたいみたいだけど」リン
「現実逃避を続けてもはじまらんかな」フェンはぴしりと言った。
※ 本日夜8時に2回目の投稿を行います
明日5日は、朝7時に「川辺の入植地のこれまでと現状」(ベルフラワー第1部・2部の要約)を
夜8時に第8話を投稿します




