バグってる
短いです。
それは何気ないリーンの一言から始まった。
「そういえば、望殿はどれほどの力を持っているんだ?」
「ん?それはステータスってことか?」
「そうだ。帝国での望殿の戦闘は一通り見させてもらったが、どれも凄まじいものだった。だから、気になったんだ」
望は思い返してみると、天空神と出会ってから一度もステータスの確認をしていない事に気づく。あれから色々な戦闘をしてきたので、ステータスが上がったのではないかと考えた。
「ちょっと待ってくれ。今確認するから」
望は自身のステータスを確認する。ステータスは他の人には見えないため、口頭で伝えなければいけない。
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ノゾム=テンドウ
性別:男 レベル178
体力:14520
攻撃:4620
防御:3800
魔力:21400
敏捷:7710
称号:異世界人、召喚されし者、勇者、魔法使い、魔物キラー、剣士、天斬流の使い手、竜殺し、使徒、天空神の遣い、盗賊キラー、導く者、神の代行者、神罰
適正魔法:再現魔法、天空魔法
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望は自分のステータスに驚きを通り越して呆れる。特に魔物と戦った記憶もないのに、レベルの上がり方が異常だからだ。
(これは少し隠して伝えるべきか……?)
自分のステータスをそのまま伝えてしまうと、異世界からの召喚者であることも話す必要がある。仲間ではないリーンにそれを話すのは少し躊躇われた。
「じゃあ、まずは私のステータスを聞いてもらおうかな」
望がそんなことを考えていると、リーンがそう言って自身のステータスを話し始めた。
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リーン=ミスティア
性別:女 レベル35
体力:2210
攻撃:670
防御:440
魔力:800
敏捷:720
称号:狩人、森の自由人、獣キラー、料理人
適正魔法:風魔法
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リーンのステータスを聞いてから、ティアナは疑問の声を上げた。
「聞いてからで悪いんだけど、そんなに軽々と自分のステータスを教えてよかったの?」
ステータスはいわばその人の強さの数値化だ。普通に考えればステータスが上の者が勝つし、自分の方がステータスが上だと分かれば相手を下に見る者も少なくないだろう。
冒険者たちは滅多に自分のステータスは明かさないので、ティアナは自分からステータスを明かしたリーンも明かそうとしている望にも驚いている。
「私は別にステータスを知られたところでどうってことはない。望殿たちを信頼をしているし、信頼していることを示したい。だから、気にしないでほしい」
リーンは真っ直ぐな瞳で望たちに伝える。望は少し笑うと、自分のステータスを正直に伝えた。
「の、望殿は勇者の一人だったのか……」
「まあ、そういうことだ。俺がユニークを持っているのも、勇者だからかもな」
「それなら望殿が強いことにも納得だ」
リーンはうんうんと頷く。
「相変わらず異常なステータスしてるわね」
望のステータスを知っているティアナがそう呟く。ちなみに、知らなかったルシアは口を開けてポカーンとしており、そんなことに興味のないシェーネは大きなあくびをした。
「うーん、俺にとってはあまりすごさが分からないんだよな。なんせ、比較対象が少なすぎる」
「前にも言ったけど、レベル100を超えてるのは冒険者だとランクSっていう一番上のランクの人達よ?普通はありえないんだからね」
(俺って言うなればバグってるのか。まあ、このステータスに加えて、神装であるシュヴァルツも持ってるしな)
そう思い、横に置いてあるシュヴァルツを見ると……
『ムニャムニャ……ご主人様、もう食べられませんって……』
どうやら寝ているみたいだ。ただ、望は武器が寝るという滅多に――というか、絶対――見ない光景にただただ絶句するのだった。
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