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孤高の再現魔法使い  作者: 潮騒
第二章
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パーティーの前に



「はぁ……疲れた……」


 武闘祭は望の優勝で幕を閉じて、その翌日。この日は午前中から武闘祭の優勝者である望と一対一で戦うことができる催し物が行われていた。


 朝から色々な参加者が集まりに集まって、望はぶっ通しで戦い続けた。それは午後も相変わらずで、午後六時にようやく催し物は終わったのだった。そして、現在は七時開始のアフターパーティーの準備をしているところである。


「これからパーティーなのよ?シャキッとしなさい!」


 未だ支度中のティアナから喝を入れられる。だが、望は変わらずデローンとしていた。


「もう、しょうがないわね。はい、これ」


 ティアナは袋から小瓶を取り出して望に渡した。


「何だこれ?」

「ポーションよ。飲むと疲労回復だったり傷を治してくれるの。魔力も回復するから今飲んだらパーティーも楽しめるんじゃない?」


 望の疲労の原因は体力的に疲れたこともそうだが、魔力がなくなってきていることも関係している。だから、回復にはポーションがうってつけなのだ。


「そういうことなら有り難くいただくよ」


 望は小瓶を開けて中身を飲み干す。味は可もなく不可もなくという味だったのでノーコメントだ。


「うん、たしかに楽になった気がする。結構即効性があるんだな」

「そう?なら、買ってきた甲斐があったわ」


 急に体が軽くなった望はササっとパーティーの準備を済ませる。ちなみに、今回も望は制服での参加だ。


「そういや、そのドレスはどうしたんだ?まさか、もう賞金を使ったんじゃ……」


 実は帝国武闘祭の優勝賞品として賞金を貰ったのだ。その金額はなんと白金貨十枚。金貨百枚で白金貨一枚という換算なので、金貨千枚を貰ったのと同義である。この世界の平均月収が金貨二枚であることを加味すると、なかなかの大盤振る舞いと言えるだろう。


 さすがに催し物にお金を持っていくわけにはいかないので、部屋に置いておいたのだが、望はティアナたちのドレスを見てもう使ったのでは?と疑っている。


「ち、違うわよ!人聞きの悪いことを言わないで!このドレスはレンタルよ。昨日、ルシアとドレスの話をしてる時にどこかのご婦人が教えてくれたの。お金がないなら借りれるわよってね」


 そう言ってティアナはくるりと回る。ティアナが借りたのは薄ピンク色のドレスだ。いつもと違って可愛らしい印象を受ける。


「二人のドレスも借りたのよ。ほら、二人とも可愛いでしょ?」


 シェーネは髪の色と同じエメラルドグリーンのドレスだ。何故か自慢げに胸を張っているのはスルーしておこう。


 ルシアが着ているのは紫色のドレスだ。ルシアも髪の色と同系色のドレスなのでよく映える。


「そうだな。みんな良く似合ってるよ」

「ふふっ、当たり前でしょ」

「えっへん」

「あ、ありがとうございます……」


 望の褒め言葉に三者三様の反応をする。そうこうしているうちに望はパーティーに行く準備を終えた。


「よし、じゃあ行くか……」


 望たちが出発しようとした時、部屋の扉がノックされた。


「ちょっといいかな?」

「フィリさん!」

「悪いね、パーティーの前に押しかけて。私はもう王国に戻らないといけないから、これだけ渡しておこうと思ってね」


 フィリがそう言いながら望に渡したのは数枚の書類だ。そこには『人間の召喚について』と大きく書かれている。


「もう調べたんですか!?」

「ふっふっふ。あまり私をなめないでもらえるかな?これでもギルドマスター長だからね。情報の仕入れ先くらいいくらでもあるさ」


 望が今回の武闘祭に出場する代わりに出した条件である、人の召喚についての情報収集をフィリはもう終えたらしい。ここら辺の手際の良さはさすがと言うべきか。


「調べてるうちになんで君たちが帝国に来たのかは分かったよ。グローシス帝国について調べにきたんだね」

「そうです。王都の図書館でグローシス帝国のことを知ったので……」

「なるほどね。ま、私が調べたことは全部そこに載ってるから、パーティーが終わった後にでも見ておいてくれ」

「ありがとうございます!」


 そう言ってフィリはそのまま部屋を出ていこうとするが、何かを思い出したかのように止まった。


「あ、そうそう。望くん、優勝おめでとう。それじゃあね」


 フィリは前を向いたまま手を振って部屋を出ていった。望は閉まった扉に向かって一礼をする。


「よし、俺たちもパーティーに行くか」

「そうね」


 望たちもパーティーに向かうために部屋を後にしたのだった。




もし面白いと思っていただけたら、評価、ブクマなどなどよろしくお願いします。作者がジェットコースターに乗ります。

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