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孤高の再現魔法使い  作者: 潮騒
第二章
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武闘祭、開幕ッ!



 パレードの翌朝、望は瞑想をしていた。今日の武闘祭のためという意味もあるが、基本的には日課でしている。


 瞑想を終えると、洗面台で顔を洗って服を着替える。今日はアゼロから貰ったトレーニング用の服を選んだ。


「おーい、準備できたかー?」


 準備を終えた望は隣の部屋に行き、扉をノックする。すると、ガチャッという音が鳴り扉が開いた。


「出来てるわよ。行きましょうか」


 それから望たちはホテル内のレストランで朝食を取り、武闘祭が行われる帝都闘技場へと向かった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「二日前にも来たけど本当に大きいわね。望はここの舞台に立つのね」

「まあ、こんな国規模の大会じゃあ俺より強い人しか出ないだろ。フィリさんは勝っても負けてもいいって言ってくれたから、頑張るだけ頑張ってみるよ」


 武闘祭は10時から始まる。現在は9時半なのでそろそろ中に入って、色々と準備をしなければならない。


「じゃ、行ってくるよ」

「いってらっしゃい。応援してるからね」

「私も大きい声で応援します!」

「がんばれ、望」


 みんなに応援されながら、望は闘技場内にある選手用の部屋に向かった。



 選手用の部屋にはもう既に何人か集まっていた。今回の武闘祭は八人のトーナメントで行われる。その内六人が招待選手となっており、実力もそれなりのものと噂されている。あとの二人は事前に一般募集をして、応募した者の中から予選を行い、勝ち残った者を採用している。


(ん……あの人はパレードのリーダーの人か?)


 部屋の中に昨日パレードを行っていた魔法使いたちのリーダーであるラバールがいることに気づく。彼も誰かに招待されたようだ。


 その時、扉が開いてまた新たに選手が入ってくる。


「お、坊主。また会ったな」

「あんたは昨日の……」


 見覚えのある白いウエスタンハットに咥えタバコ。そう、彼は昨日ティアナをナンパした男ネイスだ。まさか、彼も招待選手だったとは。


「あんたじゃなくてネイスだろ」


 ネイスはそう言ってデコピンをしようとするが、今度は望に止められた。


「坊主じゃなくて望だ」

「ふっ、生意気言いやがって。トーナメントで当たった時は全力で打ちのめしてやるよ」


 ネイスはニヤりと笑ってその場を離れた。すると、それを見計らったかのように、望の元にラバールがやってきた。


「どうも、お兄さん。お兄さんも招待選手ですよね?」

「そうです。ラバールさんも招待されたんですね」

「そうなんですよ。嬉しいことに僕も招待してもらったんです」


 ラバールは人の良い笑みで望に話しかける。さすがに望も敬語で丁寧に話されると、同じように敬語で丁寧に話す。


「えっと、望さんはおいくつなんですか?」

「俺は十八です。ラバールさんも同じくらいですよね?」

「僕はこの前で二十歳になりました。いやー、やっぱりこういう大会だと僕よりも年上の人が多いから、歳が近い望さんがいてくれて安心しましたよ」


 ラバールはホッとした表情を浮かべる。それから望とラバールは色々な話をした。昨日のパレードの話や帝国の話など、武闘祭が始まるまで話題は尽きなかった。



「うぉっほん、マイクテストー、マイクテストー。えー、それでは時間となりましたので、帝国武闘祭の開会式を始めていこうと思います!まずは、陛下より開会の挨拶をしていただきます」


 司会により、帝国武闘祭の開会が告げられる。そして、客席の中段くらいにある特別スペースにいた皇帝がゆっくり立ち上がった。


「皆のもの。今日は集まってくれて感謝する。この帝国武闘祭には我ら帝国の力を再確認するとともに、国を盛り上げたいという想いがある。だから、今日ばかりは仕事のことは忘れて楽しんでほしい。以上を持って、開会の挨拶とさせていただく」


 皇帝の挨拶に観客たちは大きな歓声を上げる。皇帝の民を想う気持ちが伝わったのだろう。


「いやー、素晴らしい挨拶でしたね。それでは早速、選手の紹介に参りましょう。まずはエントリーナンバー1、先ほど挨拶をしてくださった皇帝ランドス=フローティカ様の招待選手、ルドー=ファルヘイム!」


 ルドーの名が出た瞬間、観客たちは皇帝の挨拶の時と同じくらいの歓声を上げる。ルドーは有名人なのだろうか。


「ルドー選手は帝国近衛騎士団の団長で、その実力はピカイチです。これは期待ができますね。では続いてエントリーナンバー2、皇帝夫人であるエリシア=フローティカ様の招待選手、クロード=レイン!」


 今度は女性の歓声がやけに大きく聞こえてくる。


「クロード選手もルドー選手と同じく近衛騎士団の所属で副団長を務めています。この二人がトーナメントで当たる時が楽しみですね。それでは次に参りましょう。エントリーナンバー3、リグル=ネイロン公爵の招待選手、ラバール=ホーツ!」


 これまでで一番大きな歓声が客席から聞こえてくる。やはり昨日のパレードが凄かったからだろう。


「さあ、昨日は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれましたが、今日は一体どんな演出を繰り出してくるのでしょうか。では続いてエントリーナンバー4、帝国を拠点に活動する商人デジカ=フロイテス様の招待選手、バン=シーク!」


 今度は歓声というよりも驚きの声が聞こえてくる。それもそのはず、バンは普段は人前に出る人ではないのである。


「バン選手は別名『無敵の傭兵』とも言われており、依頼された仕事は必ず成功させてきたとも言われています。果たして今回も成功することができるのでしょうか!それでは続いてエントリーナンバー5、帝国のギルドマスター長ゴードン=ウォルターの招待選手、リガン=ワーテル!」


 こちらもラバールと同じくらいの歓声が上がる。


「リガン選手は帝都の冒険者ギルドを拠点として活動している冒険者で、そのランクはAランクにまで到達しています。どんな戦いをしてくれるのか楽しみですね。では続いて、エントリーナンバー6、お隣のアシリア王国のギルドマスター長フィリ=クローシア様の招待選手、ノゾム=テンドウ!」


 いよいよ望の名前が呼ばれるが、観客たちは微妙な反応だ。まあ、それも仕方がないだろう。望は冒険者たちの間では話題になっているが、一般の人たちは知らないのだから。


「望選手は王国期待の新人であり、あの有名な天空竜クラウディスを討伐したという噂もあります。これは楽しみですね」


 司会が望が天空竜を討伐したと紹介すると、観客たちもまばらに声をあげる。天空竜のことを知っている人にはその凄さが分かったらしい。


「以上で招待選手は終了となります。続いて、一般予選を勝ち抜いた二名の選手を紹介します。まず一人目がネイス=ギャレット選手。魔銃を使って戦う選手です。そして、二人目がリーン=ミスティア選手。こちらは魔法と剣で戦う選手です。これで選手の紹介を終わらせていただきます」


 予選を勝った選手はさらっと紹介されて、プログラムは早速試合へと移った。


「では早速試合に参りましょう。トーナメント表はすでにこちらで作成済みなので、試合ごとに紹介させていただきます。まずは一回戦第一試合、バン=シーク対ノゾム=テンドウ。両者は舞台へどうぞ!」


 名前を呼ばれた望は部屋を出て、闘技場の舞台へと向かう。その前を対戦相手らしき男が歩いているのが見えた。バンはチラッと後ろを見るとニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


(なんだ、その笑みは?少し嫌な予感がするな……。何も起きなければいいが……)


 望は少し警戒しながら舞台へ向かった。



 

 

もし面白いと思っていただけたら、評価、ブクマなどなどよろしくお願いします。作者がターザンロープをします。

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