天空神クラリア
説明多めなので少し短いです。
「あれ、もしかして混乱してる?」
クラリアは首を傾げながら望にそう尋ねる。望はクラリアを手で制止して少し考えた。
(待て待て。まずは情報の整理だ。気になることを順番に聞いていこう)
「いくつか質問をしていいか?」
「うん、構わないよ」
とりあえず質問をすることで情報整理をしようとする望。クラリアに許可を取り、いくつか聞いてみることにした。
「まず、あんたはこの世界の神様ってことでいいのか?」
「うん、間違い無いよ。僕はこの世界の神、正確に言えば神のうちの一人だね」
クラリアの説明に望は頷く。回答を整理しつつ、次の質問を考えているようだ。
「じゃああんたの他にも何人か神はいるってことか?」
「うん、神様って結構いるんだよね。正確な数は覚えてないけど百近くいるんじゃないかな」
「多いな……」
望の呟きに「いやいやいや」といったばかりに手を振るクラリア。
「君の住んでた場所には八百万の神がいたんだろ?それに比べればまだまださ」
「いや、あれは考え方というか思想というか……。そういや、なんで地球のことを知ってるんだ?それも神様の特権か?」
「まあ、そんなところだね」
少しはぐらかしているようなクラリアの態度に望は訝しむが追及はしない。こういうタイプは何を言ってものらりくらりと躱すからだ。
「それじゃあ最後の質問。あんたはなんで俺の前に現れた?理由を教えてくれ」
「ああ、それは君にご褒美をあげるためだよ」
クラリアは指をくるりと回す。すると、望は自分の中に何かが入ってくる感覚がした。
「なんだ今の……」
「ステータスを見てごらん」
望はクラリアに言われた通り、自分のステータスを確認してみる。
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ノゾム=テンドウ
性別:男 レベル123
体力:8450
攻撃:3200
防御:2540
魔力:13800
敏捷:5620
称号:異世界人、召喚されし者、勇者、魔法使い、魔物キラー、剣士、天斬流の使い手、竜殺し、使徒、天空神の遣い
適正魔法:再現魔法、天空魔法
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「げっ、なんだこれ!」
最初に見た時とはかけ離れたステータスに望は驚く。ステータスの伸びも異常なほどだ。
「まあ、竜を倒したからね。ステータスが上がるのは当然だよ」
「にしても、上がりすぎな気はするけど……」
そして、一番最後の適正魔法の欄に新しい魔法が増えているのが見えた。
「ん?天空魔法?」
「そう、それが僕からのご褒美。僕の配下の魔物、天空竜クラウディスを倒したからね」
ここで望はあることに気づく。
「ちょ、ちょっと待て。これってユニークだよな?」
「君たちはそう呼んでるみたいだね」
「つまり、ユニークって神の魔法ってことか?」
「いやいや、そんな訳ないでしょ。人間に神の力を使うなんてそうそう出来ないよ。これはあくまで人間が使えるように魔法って形で渡してるだけ」
クラリアの言葉に望は更なる疑問が生まれる。
「なんでそんなことをするんだ?人間に力を渡して、何かメリットでもあるのか?」
「うーん、理由は色々あるけど……一番は面白いからかな。ほら、人間って予想外なことするでしょ?僕らはそれを見たいんだよ。だから、君たちに渡してるんだ」
望はクラリアの答えに少し納得していないようだが、それ以上は聞かないことにした。聞いてもロクな答えが返ってきそうにないからだ。
「望ー!どこー?」
「おっと、仲間が来たみたいだね。じゃあ僕はこれで。また会おうね、天道望くん」
クラリアはそう言うと、一瞬でその場から姿を消した。そして、クラリアと代わるようにティアナが望の元にやってきた。
「こんな遠くに落ちてたのね。ここまで来るのに大分かかっちゃったわ」
「結構遠かったんだな。それより師匠は?」
「大丈夫よ。もう目を覚ましてるわ」
望はそれを聞いて一目散に走り出した。もちろん走る先は……。
「師匠!」
「おぉ、望。奴を……クラウディスを倒したのじゃな」
「はい……」
望はアゼロが回復したというのに浮かない顔をしている。アゼロはそれが気になり、望に尋ねた。
「どうした、望。そんな顔をして」
「いや、クラウディスは師匠の因縁の相手なのに……俺が倒して良かったのかなって思って……」
実は望はクラウディスを倒した後で少し気になったのだ。今回の討伐は元々アゼロが計画していたものであり、望はそれに同行した形だ。それなのに、自分が倒してしまったので本当に良かったのかと、望は考えてしまっているのだ。
「何を言っておる。望は儂の弟子じゃ。その弟子が仇を取ってくれたんじゃぞ。嬉しく無いわけなかろう」
「師匠……」
アゼロは笑顔でそう言う。それを見て、望は少し心が軽くなるのを感じた。
「よし、それじゃあクラウディスの死体でも見に行くとするかのぅ」
アゼロはそう言うと、いつもより少し重い足取りで進み出した。
「肩貸しますよ」
望はアゼロの隣に行くと、アゼロの腕を自分の肩に置いた。
「すまんな、望」
「大丈夫です。足元気をつけてください」
そうして二人はクラウディスの元に向かったのだった。
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