第4節「カープ女子って何者?」
2016年、私が映画「君の名は。」を7度劇場で鑑賞した年になる。広島東洋カープは25年振りのリーグ優勝を果たす。その試合の実況を担ったのはNHK所属の冨坂和男アナウンサーだ。彼がゲームセット時に告げた「四半世紀に渡る夢、カープ、優勝」は私の心の中では「入れ替わっているぅ!?」を遥かに凌ぐ名言として今でも残っている。
そんなカープが黄金世代を迎えるちょっと前、カープファンの間でカープ女子なる人種が拡がりをみせるようになる。
私は単に広島生まれ広島育ち「じゃけんね」で話す人達は大体友達じゃけんっていう女子がカープの応援に目覚めた形態を言うのかと思ったら、違うらしい。彼女達は広島からは遥か遠い関東地方で育まれていた――
広島東洋カープはそもそもレディースデーなるキャンペーン運動をカープ女子なる存在が定着する前からおこなっていた。その運動は「カープに興味を持っている女性」だけじゃなく「野球に興味を持っている女性」をターゲットに展開をしていた。元々12球団のなかでも経済力が弱いカープは地元広島にその活動の根を張るだけでなく、様々なところでその文化を育む努力を続けた。そのなかで特に目を見張る結果を残したがこのカープ女子と言われる層の構築なのだろう。
関東出身でカープ女子になった人でも特にコアな層は、こうしたカープの地道なる経営努力の姿と等身大の自分を重ねてもいるらしいようだ。果ては「広島が私の第二の故郷です」とマツダスタジアムでの観戦を「聖地巡礼」として迎える女性もいるらしい。まったく目から鱗のような話だが、テレビの報道番組でそうとりあげられたのだから、事実は事実である(やらせでは勿論ない)。
そして遂にはテレビタレントでカープ女子を名乗る人気者も現れるように。
さて、ここから話は本題に入ると言っておこう。とあるカープ女子として名をはせた某ギャル系タレントのニワカぶりがテレビやSNS等で話題となったが、それは彼女のみではなかった。野球のルールも知らず「あの選手が超絶イケメンだから」とか「なんとなく流行っているから」とかでカープ女子に便乗してきてカープ女子を名乗るニワカファンも増えてきた。また観客席でのマナーにも気が使えず、その振る舞いに酷い問題が生じる観客までもが。ここから先は次節にて詳しく話を紹介していくが、彼女達は絶対に分からないといけないことを何一つ分かってない可能性がある。それはプロ野球には繊細なリスクもエンタメとして含まれているという前提だ。
プロ野球は応援している球団と球団が違った場合となると、その間柄が冗談の通じる同士ならいいものの、冗談も交わせない同士となると酷い喧嘩に発展することがある。例えば日本中から愛されているジャイアンツでも丸選手がカープの試合でボコスコ打ちまくって活躍していたら、あの3連覇を知るカープファンは悔しさと哀しみを隠すことはできない。その中で「いやぁ~丸君をウチにくれてありがとうね!」とかとか冗談で彼らに言っても通じない。友人としてならば、もはや絶交されるのも確実と思った方がイイ。
基本的に推しが違う者同士で野球観戦をすることはないと思われる。また野球談議をすることすらも危険だと言って過言でない。ところがSNSが普及した今この時代は、すぐ隣に敵チームのファンがやってきたって何もおかしくはない。それも相手は基本的に覆面を被っている。どこの誰だか見当もつかない。
こうした世の中で推し球団を応援していくのはある種、ルールを護った応援の仕方が肝要となる。いわゆる常識的な良心と言うヤツである。
阪神タイガースの観戦が参戦であると揶揄されるように、そのチームの応援がその人の仕事や趣味、あるいは人生そのものに多大な影響を及ぼすものであると知ったら、あなたはその人にとっての野球観戦を下らないことだと吐き捨てる事なんかできるだろうか?
そう、大事なのはマナーなのである。そしてそれを保つ理性なのだ。
「バカープ」の語源が発生した経緯をここから話していこう。