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38.ある日の正午ごろ

 頭に柔らかい手の感触を感じた。


 誰かが頭を、いやおでこを撫でてくれてる...。

 気持ちいい...というか癒されるな。


 しばらく撫でられ続けて、俺は目を開けた。

 目の前には優しく微笑むルーンの顔がある。

 膝の上に俺の頭を乗せ、右手は繰り返し俺のおでこから頭に向かって撫で続けている。


 ああ、そうか。

 ガザンの実を採ったあと休憩していたら、うたた寝してしまったのか。


「ん...寝てしまった」

「おはよう、お兄ちゃん」

「どれくらい寝てた?」

「少しだよ」

「そっか...」

「もう疲れてない?」

「ああ、大丈夫だ」

「お兄ちゃんの寝顔、可愛いかったよ」

「毎日ルーンの寝顔を見て、俺も可愛いと思ってるから、おあいこだな」

「もうっ」


 俺は深く息を吸い込み深呼吸する。

 そして両腕を上げて、ルーンの方に向ける


「ルーン、ひっぱって」

「はーい」


 ルーンが俺の両腕を掴み、ぐぐっとひっぱる


「あー伸びるー」

「朝のお返しにいっぱい伸ばしてあげるね、お兄ちゃん」


 あくびをしながら体を伸ばし、血液を循環させ、覚醒する。

 ルーンが腕を離したところで、俺は上体を起こし、体勢変えてルーンと向き合う。

 そして、ルーンの目を向けて告げた。


「なあルーン」

「なあに、お兄ちゃん」

「あの家で、俺と一緒に生活してくれて、ありがとな」

「えっ...」

「毎朝ルーンを見て思ったんだよ、傍に居てくれてありがたいなって」

「お礼を言うのは私の方だよ、お兄ちゃん」

「まあだとしてもだ、俺も感謝していることには違いない」

「うん...。私も、お兄ちゃんに助けてもらって、面倒見てもらって、家に住まわせてくれて、傍に置いてくれて...お兄ちゃんに感謝することを挙げたら、いっぱいありすぎて言い切れないよ」

「じゃあ感謝のお代をもらおう」

「えっ?」


 ルーンがきょとんとした顔になったが、俺が両腕をルーンの背中に回し、そのまま引っ張って抱きしめたことで、すぐに赤くなった。

 ルーンは俺に体重を預ける形で、優しく抱きしめられている。

 優しくでは物足りなくなって、力を込めて、むぎゅーっと抱きしめる。


「あー癒されるなぁ...」

「...お兄ちゃん。これじゃ私のご褒美になっちゃうから、お代は別のにして...」

「うーん...、じゃあさっきみたいに膝枕してもらうとか?」

「それも私のご褒美になっちゃうよ...」

「じゃあ一緒にお風呂に入って、体を洗ってもらうとか?」

「それも私がしたいことだよ...毎日してるもん」

「...」

「お兄ちゃん...」


 俺とルーンは抱き合ったまま、お互い黙ってしまった。

 ルーンの良い匂いと体温を感じ、居心地がよかったが、このままでいると抜け出せそうにないので、しばらく抱き合った後で俺は言った。


「ルーン、お腹すいたから昼ごはん食べに戻ろうか」

「...うん、そうだね。お兄ちゃん」


 俺はルーンの手を握り、二人で立ち上がる。

 ガザンの実はでかかったが、左腕でなんとか抱える。実が胸を圧迫してるが気にしない。

 そのままルーンの手を引いて、二人で歩き出した。



 午後の予定を決めてなかったので、ルーンと昼食を取りながら話しをする。

 昼食は殆ど朝の残り物で、そこに山羊のミルクと裏の畑から採取した野菜が加わる。


「ルーン、午後は何をしようか」

「お兄ちゃんのやりたいこと!」

「うーん...やりたいことは...」

「なんでもいいよ、お兄ちゃん」

「じゃあルーンとイチャイチャしながら、ゴロゴロしたり...」

「お兄ちゃん...」


 顔を少し赤くしたルーンが、なんとも言えない顔で俺を見ている。

 恥ずかしさと、期待と、憧れと、少しの呆れが混じっているようにも見える。


「まあそれは夜にやるか」

「よ、夜に...。うん...」

「とりあえず朝干した洗濯物を取り込もう」

「はーい...」


 昼食を取った後、二人で洗濯物を取り込む。

 朝ルーンと一緒に干した物は、全て乾いていた。




素人が趣味で書いているものですので、何分ご容赦頂きますよう何卒宜しくお願い申し上げます。


評価や感想がありましたら嬉しいです。

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