第四話:『オレはキレた』
リボルバーの弾薬は残ってるのもあって
怪我人抱えつつも戻るのは難しくは無かった。
「本当に…ヒッグ、ありがとうございます…」
「泣くな泣くな、人助け位人として当たり前だっての」
緊張の糸が切れたのか、鎧のヤツはさっきから泣きまくってる
まぁこいつも若そうだし、あの体験は結構ショッキングだろう。
「とりあえず、そろそろダンジョン出るから
報告の準備しとけ、ったくあのガキめ…
流石に人殺ししかけてたのは笑えねぇぞ」
日の光が差し込む、ダンジョンを照らす仄かな光と違って
元気になる光だ、鎧のヤツも涙が止まっていた。
「だから!俺らはあいつが逃げたせいで
モンスターキャラバンにカチ合ってて!」
「そちらの事情は聞きましたのでお待ちください」
「話聞いたならいいだろ!!」
「お待ちください」
あの連中が言い争ってた、やかましい
鎧のヤツもなんか気落ちしてる、仕方ないが
灸据えるしかない場面だ。
「オイ、よくもまぁそう抜け抜けと噓いうもんだ」
「はぁ!?…え?お前…あの…」
「じゃかぁしい!! お前ら人殺しかけたの自覚してんのかァ!!」
怒号がブチ撒けられた、ビクッとして腰を抜かして倒れやがる
だけどそれ位でビビるんならコイツに怖い思いさせるんじゃねぇって奴だ。
「コイツがどんだけ怖い目に遭ったと思ってやがる!!
死にかけたんだぞ!!おい、お前も言ってやれ!!」
「え!?あ、はい!」
楯の野郎がヘルムを外した、長い髪が…髪?
コイツ女の子だったのか…いや関係ねぇ!
「んだよ、お前…そんな、ウソじゃ」
「最ッ低です!!私、私死に掛けて、鎧ボコボコで…!
嫌だと言ったのにキャラバンに喧嘩売って!!!」
「違っ…」
「そこまでです、真偽は透けてます」
「は?え?」
「噓発見器、それだけでわかりますね?」
よく見ると職員の手元には小さな水晶があった
アレ、噓発見器なのか…。
「あなた達が嘘ついてるのは分かってました
後は見捨てられたであろう彼女が戻るか戻らないかを
見極めるため足止めさせてもらいました」
「お前!ハメたな!」
「ハメたのはそっちでしょうに、はぁ…
貴方の様な犯罪者はすぐに拘束させていただきます」
「っクソが!」
二人して腰に差してた剣を振り回す、逃げ出す気か?
「職員さん」
「あっ、はい?」
「正当防衛になるか?」
「えっと、殺害は困りますね!」
「殺害じゃなきゃいいな!」
ウエスタン的に再度早撃ちして
武器を持つ手をぶっ飛ばす、太い血管は避けた為問題は無いが
やってることはマジで保安官みたいだな、ったく。
「はぁ…痛い目見て無理すんのやめたらいいと思ったが
ここまでやらかすのは予想外だっての」
「えっと…その、すいません…」
「止めたのは本当だろ、別に気にしてないから頭下げんなって」
「あの、少々よろしいでしょうか?」
「あ、はい」
「事情聴取を行わせてください、済み次第帰ってもらっても問題ないので」
「オレは良いけど」
「私も大丈夫です」
職員さんに案内されて、ダンジョンの近くにある施設に案内されて
軽い事情聴取が行われたが、職員さん曰く
「ほぼ現行犯みたいなもんですし、軽くで問題ないです」
だそうなので、帰る事になった。
そんで、楯の子とは別れるつもりだったのだが…
「あ、あの…本当に申し訳ないんですけど…」
■
「…これに懲りたら、ネットでパーティメンバー探すのは辞めな」
「本当に、すいません…」
免許取ってもう7年、初めて家族以外車に載せている
相手はえっと、JKらしい、大丈夫かコレ。
「あと、知らん相手の家に泊まる予定立てるのもだ」
「はい、あいつらの家行かなくて良かったです」
「とりあえず、ホテルに…っても金は無いんだったか」
「すいません…」
「…ちょっと待ってくれ」
仕方ないので親父に連絡する、説明すればいけるだろうか。
「親父、ちょっといいか?」
『んだ、どうしたんだ?』
「色々事情あって泊まらせたい奴いるんだけどいいか?」
『んだよ事情って…』
「帰ったら説明する、まじで色々あった」
『はー、わかった、相手に変われるか?』
「うい、変わってもいいか?」
「あ、はい」
『おう、声聞かせな』
「ど、どうも、あの…迷惑おかけします…」
『…女子?』
「あ、そ、そうです、今日助けてもらって…」
『ふむ、まぁわかった、けど大丈夫か?
ウチの倅にって、何か荒事…』
「説明すっから!」
『あいよ、待ってるぞ』
まさか、マジで泊まることになるとは
そういえば、自己紹介でもした方が良いか…。
「オレは園木刀花、そっちは?」
「私は高田桜です」
「はぁ…今日は忙しい日だった」
「ですね」
そういう桜は安心しきった顔だった
死に掛けたのだから、今日はもうさっさと休みたいだろう。
オレも休みたい。
キレるぜ。
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